「鎌倉殿の13人」最終回ラストの意味は？小池栄子＆小栗旬、撮影前日は「ソワソワ」
俳優の小栗旬と小池栄子が18日、鎌倉女子大学・岩瀬キャンパスで行われた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」（NHK総合ほか）のグランドフィナーレイベントに登壇し、衝撃的な展開となった最終回に込めた思いを明かした。この日は共演の坂口健太郎、宮澤エマ、菊地凛子、山本耕史、宮沢りえも出席した（※ネタバレあり。最終回の詳細に触れています）。
三谷幸喜が脚本を担当した大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、鎌倉時代を舞台に、野心とは無縁だった伊豆の若武者・北条義時（小栗旬）が、鎌倉幕府初代将軍となった源頼朝（大泉洋）にすべてを学び、武士の世を盤石にした二代執権に上り詰めていく物語。12月18日の最終回当日に行われた本イベントは、舞台となった鎌倉市にある鎌倉女子大学・岩瀬キャンパスで実施。キャスト陣のトークショーと、最終回を鑑賞することのできるグランドフィナーレイベントが行われた。
この日のイベントにはおよそ7万もの応募があったといい、会場には高倍率をかいくぐって当選した観客が来場。想像を超える壮絶なクライマックスを堪能した観客は、しばらくの間ぼう然。数十秒以上の沈黙が会場を包み込んだのち、割れんばかりの拍手が会場に鳴り響いた。
その会場内の様子に「余韻が……」と小池が語ると、小栗も「ここで茶化してもな、というところなので、どうしたら……ありがとうございました！」とあいさつ。会場から大きな拍手が送られた。
クライマックスとなるシーンの撮影は、スケジュール的にも最終日に行われたという。「それはめちゃくちゃありがたかったですね。最後のシーンを最後の状況にしてくれたのが、現場の皆さんが考えてくれたなと。前日、すべてのみんながアップして、僕らだけでソワソワしていて」と小栗が振り返ると、「僕は前日の夜中、結構ソワソワしていたんで、（小池）栄子ちゃんに『寝れてますか？』とメールを送ったら、『眠れないね』と返ってきた」と述懐。
一方の小池も「今、ドラマを観てくださった皆さんも、何をどう言ったらいいかわからないラストだったと思うんですけど、それはわたしたちも台本をもらった時の感想で。気付いたら1時間くらい経っていた」と切り出すと、「これはどういうことなんだろうと。単純な話じゃないから。そこには政子の行動にしても、いろんな思いとか、姉としての弟の行動として、それを愛情として受け取る方もいらっしゃるかもしれないけど、いまだに消化しきれていないこともあったんですけど。だからこれはもうお客さまの手に渡してしまおうと。ただ、こうしたわかりやすいような答えがないものを、わたしたちに委ねて演じさせていただけたのは、三谷さんからのラブレターに近いようなシーンだなと思いながらラストを演じました」と述懐。
小栗も「台本をもらった時は、そうか、こういう終わり方なのか。でも確かにこれしかなかったのかなと思ったんですけど。でも僕たちがつくってきた『鎌倉殿の13人』においては、自分の人生の終わりを告げるのは、やはりお姉ちゃんじゃないといけないんだろうなと思いましたね」としみじみ付け加えた。
最終回の冒頭には、来年の大河ドラマ「どうする家康」から松本潤演じる徳川家康が登場するというサプライズ演出があった。それには山本も「あれはすごいことだと思うんですよ。あれは（小栗）旬くんのアイデアだったりすると思うんですよ。それを聞いてすごいなと。そしてそれを聞いた三谷さんが書いてくださり、プロデューサーがそれを形にしてくれた。だからあのシーンはずっと楽しみにしてました」とコメント。
そして最後に「ありがとうございました」とあらためてあいさつをした小栗は、「この作品を愛してくださった方がいたおかげで、僕たちも最後まで走りきることができました」と感謝。さらに「こういう形で『鎌倉殿の13人』は終わりを迎えましたが、この作品が、この先も皆さんに愛してもらえたらうれしいなと思いますし、自分も今日最終回を観てみて、また1話から見直したらずいぶん違う感じなんだろうなと思ったので、ぜひ何度も繰り返し愛してもらえたら」と語ると、「とにかく今日、こういう形で皆さんとラストを迎えることができたのも、僕たちにとっては本当に幸せだったなと。この1年、どうもありがとうございました！」と会場に呼びかけ、登壇者たちに大きな拍手が送られた。（取材・文：壬生智裕）
