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『ワイルド・スピード』最新作、邦題はなぜ『ファイヤーブースト』に?宣伝プロデューサーが明かす命名秘話

邦題『ファイヤーブースト』知られざる命名秘話!
邦題『ファイヤーブースト』知られざる命名秘話! - (c) UNIVERSAL STUDIOS.

 『ワイスピ』の愛称で親しまれる、人気アクション映画『Fast & Furious』の邦題『ワイルド・スピード』は、アメリカの大手メディアでも絶賛された日本屈指のタイトルだ。シリーズ10作目となる最新作『FAST X』には、『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』という邦題が付けられている。宣伝プロデューサーを務める東宝東和株式会社の佐藤大典氏がインタビューに応じ、最新作の邦題決定に関する裏話を語った。

【動画】ハン&デッカードが共闘!『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』予告編

 1作目で『ワイルド・スピード』という邦題が誕生して以降、続編には日本独自のサブタイトルが付けられている同シリーズ。各作品、映画の内容に適したタイトルが命名されるのは、製作陣の考えを汲み取っているからだと佐藤氏は明かす。

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 「ワイスピは20年以上続く超人気シリーズですが毎作品ごとに異なるテーマや新要素があります。邦題は日本において作品の“顔”になりますので、前作が『~ブレイク』だったから今回も『ブレイク』を踏襲するというような杓子定規な考え方や、予告編に登場する要素をそのまま反映するわけでもありません。今回の作品にどのようなテーマが込められているのか、製作陣や本国のユニバーサルの考え方に寄り添って決めたいと心がけています」

 最新作『FAST X』には、「The End of the Road Begins(最後への道が始まる)」というキャッチコピーが添えられており、2001年から描かれてきたファミリーの物語が、いよいよ最終章に突入するという共通認識があった。「今作は今までの雰囲気とちょっと違うなと感じていました。毎度おなじみのド派手なアクションはもちろん健在ですが、今回はスケールもストーリーもワンランク上のレベルに到達しており、集大成といった感じを受けました」と話す佐藤氏は、数少ない情報を頼りに、宣伝チームで邦題案を出し合った。

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 最初にピンと来た単語が“ブースト”。シリーズにおいて主人公ドミニクが、レース終盤でニトロ(NOS)を使って車を加速させる「NOSブースト」として、ファンの間では馴染みがある単語だ。「今作は最終章の始まりとなる位置づけということで、もっとシリアスというか最終作に向けた助走のような内容になるのかも? と予想していましたが、見事に裏切られました。今まで以上に大加速、アクセルベタ踏みのフルブーストな内容でした。まさにレースにおけるドミニクと同じ発想の製作陣に共感した時から、ブーストという単語にどんどん惹かれていきました」

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 では、“ファイヤー”はどのようにして浮かんできたのか? 佐藤氏いわく、歴代邦題の中でも、採用するまでにかなり悩んだ単語だったという。「本編に関わるので詳しくは言えませんが、今作は史上最狂の敵であるダンテ(ジェイソン・モモア)の炎が燃え滾るような“怒り”がテーマの激しい作品であると感じていました。もちろん火薬量が今まで以上に多かったということも影響しています」

 「ファイヤーはついに出番を迎えた最強の単語であると言えます。ワイスピは1作目からずっと爆発炎上シーンが満載で、炎自体は常に存在していましたが、それを敢えて今回採用したのは、やはり今作を象徴する単語として最もふさわしいと感じたからです。そんな思いを抱えながら“ファイヤー”と“ブースト”を組み合わせてみた時に、これだ! と思いました。テンションが上がりますし、必殺技のような力強さもあり、これならファンの少年たちがカッコいいと思って口に出して言いたくなるんじゃないかな、という期待も込めて“ファイヤーブースト”に決定しました」

 邦題選びのヒントになっているのは、佐藤氏が愛してやまない少年漫画や格闘ゲームだという。「日本には、最高にカッコいい必殺技名が沢山存在します。それは、文字にして良し。音で聞いて良し。理屈を飛び越えて少年の心を鷲掴みにしてしまう特別なワードで決して色褪せません。邪王炎殺黒龍波、アバンストラッシュ、ジェットストリームアタック……これらの技名は口に出すだけで元気が出るし、聞こえただけで幸せになります。世界中の少年と元・少年が大好きな本シリーズの邦題も、そんなレジェンド必殺技に少しでも近づけるよう、我々も必死にワードを考えています」

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(c) UNIVERSAL STUDIOS.

 すでに第11弾の製作も決定している『ワイルド・スピード』シリーズ。着実にクライマックスへと近づいているが、最終作の邦題では『ファイナル』というタイトルが付くのだろうか。佐藤氏は「本当のラストが描かれる作品でファイナルを使うかは要検討です」と冷静に回答した。「このシリーズは、主人公達がラスボスを倒して終わりという起承転結の構図とは少し違います。ファミリーは永遠な存在なので、彼らの物語をどんなゴールに導くのか?製作陣とファミリーの考えに引き続き寄り添って考えたいです」

 いよいよ5月19日に日米同時公開される『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』。前作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』 が上映された2021年はコロナ禍だったため、レイトショーの休止や座席間隔の規制など多くのことが制限された。「ようやく大画面で鑑賞できるので、ファミリーの皆さんには『映画館の大画面で楽しんで』ということをしっかりと伝えていきたい」と力を込めた佐藤氏。2021年の洋画年間トップの成績となった『ジェットブレイク』の興行収入36億6,000万円を上回る大ヒットにも期待が高まる。(数字は文化通信社調べ)(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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『ワイルド・スピード』歴代シリーズ邦題一覧

1作目:『ワイルド・スピード』(原題:The Fast and the Furious)
2作目:『ワイルド・スピードX2』(原題:2 Fast 2 Furious)
3作目:『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(原題:The Fast and the Furious: Tokyo Drift)
4作目:『ワイルド・スピード MAX』(原題:Fast & Furious)
5作目:『ワイルド・スピード MEGA MAX』(原題:Fast Five)
6作目:『ワイルド・スピード EURO MISSION』 (原題:Fast & Furious 6)
7作目:『ワイルド・スピード SKY MISSION』 (原題:Furious 7)
8作目:『ワイルド・スピード ICE BREAK』 (原題:The Fate of the Furious)
9作目:『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』 (原題:F9)
10作目:『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(原題:FAST X)
スピンオフ:『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(原題:Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw)

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