北野武監督、ベネチア映画祭「記憶がない」ボートに頭をぶつけるアクシデント告白「脳波調べた」

北野武監督が5日、都内で行われた Amazon Original 映画『Broken Rage』配信記念記者会見に出席し、同作が上映されたベネチア国際映画祭における驚きのアクシデントを明かした。イベントには、浅野忠信、大森南朋、白竜、國本鍾建も出席した。
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本作は、北野武が監督・脚本・主演を務め「暴力映画におけるお笑い」をテーマに制作。約60分の映画を前半と後半のパートに分け、前半では警察とヤクザの間で板挟みになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太なクライムアクションを、後半は前半と同じ物語をセルフパロディという手法をとってコメディタッチで描く実験的な作品。
昨年9月にイタリアで開催された第81回ベネチア国際映画祭でアウト・オブ・コンペティション部門で上映された本作。当時の思い出を聞かれた北野監督は「恥ずかしい話なんだけれど」と前置きすると「映画祭で島(リド島)に行くときに乗ったボートに頭をぶつけて、その時の記憶がないんだよね」と苦笑いを浮かべる。
場内がざわつくなか、北野監督は「ちゃんと映像での記憶が残っているので、行ったのは分かっているのですが、全然覚えていない」と続けると「帰ってきて脳波を調べたら『だいぶ治っている』と医者は言っていたのですが、やっぱり脳に衝撃を受けた形跡があるって言うんですよ」と説明する。
そのため現地での反応について北野監督は「まったく覚えていない」と言うと「携帯で撮影した現地の様子を見せてもらうと、反応も良かったみたいなので」と笑みを浮かべつつも「恥ずかしいね」と何度も繰り返していた。
北野監督の話を聞いていた大森は「頭をぶつけたとは聞いていたのですが、あんなに楽しい時間を覚えていないなんて……」と衝撃を受けたような表情を見せると、浅野は「僕は現地の劇場で観ていたのですが、最初のシリアスパートでは、いつもの北野監督映画のテンションで観ていた観客が、コメディパートになると一気に会場の雰囲気が変わりアットホームな感じになったんです」と作品の持つ力に脱帽したという。
さらに大森は「劇場に入っていくところでのファンの熱狂がすごかった」と振り返ると「出るとき、裏に車を用意してくれたのですが、武さんや浅野さんのファンがいっぱいでした。たまに僕にサインを求める人がいるのですが、差し出された写真は浅野さんのものなんです。大森ってサインを書きましたけれど」と北野監督や浅野の海外での人気を物語るエピソードを明かしていた。(磯部正和)
Amazon Original 映画『Broken Rage』は2月14日より Prime Video 世界独占配信


