北村匠海、3日間絶食…「あんぱん」戦争シーンのため飢えを体験

俳優の北村匠海が10日、3月31日から放送開始予定の連続テレビ小説「あんぱん」第1週完成試写会見に出席し、本作で重要となる戦争シーンは3日間絶食し、飢えを体験して臨んでいることを明かした。会見には主演の今田美桜、倉崎憲(制作統括)も出席した。
「あんぱん」は、アンパンマンを生み出した漫画家・やなせたかしさんと小松暢(こまつ・のぶ)さんの夫婦をモデルとしたオリジナル作品。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどりつくまでの物語をフィクションとして描く。本作の登場人物と「アンパンマン」のキャラクターがリンクしているところも見どころで、倉崎は「この登場人物はこのキャラクターじゃないかな? と想像しながら楽しんで観てもらえたら」と呼びかける。
やなせさんをモデルとした柳井嵩役の北村は「実在する方を演じるのは(明石家)さんまさん以来でして、本当に緊張するんですね」と打ち明け、「(やなせさんのイメージは)やなせさんをテレビを通して見ていた印象で構築されていますけど、実際にやなせさんの周りにいた人が感じていた空気や、二人(やなせさんと暢さん)が作り出していた空気を描かなければいけないので、『アンパンマン』を読んだり、弟の話を(資料などで)すごく読みました」と役へのアプローチを紹介。また、「やなせさんのインタビュー動画をずっと見ていました。どこかお調子者な感じがしつつ、戦争を経験したからこそ達観し、“逆転しない正義”を描くに至るまでをどうするかは考えました」と振り返った。
現在、戦争シーンの撮影中で、「嵩の人生観が変わるタイミング」と話す北村は、その重要性から「飢えを実践しました。昼は乾パンだけにしたり、3日間ご飯を抜くとか、水も飲まないとか、そういうことを実際に自分も体験しています」と明かし、アンパンマンが体現している“逆転しない正義”とは「食べることであり、生きることだと感じます」としみじみと語った。
倉崎も戦争シーンについては「しっかり描きたい。『アンパンマン』はやなせ先生が戦地に行かなければ生まれていなかったと思う。今までの朝ドラ以上に戦争というものを日数を使って描いています」と説明した。
北村の役への没入ぶりは絵を描くシーンにも表れており、倉崎は「早めに現場に入られて、カメラもセッティングしていない中で集中しながら描いていました。スタジオや前室で紙にいろんな絵を描いているので、自分が柳井嵩役になっている時間を増やしたいのだと思います。彼の姿勢はリスペクトしています」と感服していた。(錦怜那)


