コッポラ監督が174億円の私財を投じた世紀の怪作『メガロポリス』6月20日に日本公開!

巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督(86)が構想40年、私財1億2000万ドル(約174億円・1ドル145円計算)を投じて作り上げた世紀の怪作『メガロポリス』の日本公開がついに決まった。ハーク、松竹の配給で、公開日は6月20日。IMAXでも上映される。
『メガロポリス』は、21世紀のアメリカをローマ帝国に見立て、ニューヨークならぬ“ニューローマ”を舞台にした一大叙事詩。そこでは享楽にふける富裕層と苦しい生活を強いられる貧困層の激しい格差が、社会問題化していた。その解決策として新都市メガロポリスの開発を推進する天才建築家カエサル(アダム・ドライヴァー)と、財政難の中で利権に固執する市長のキケロ(ジャンカルロ・エスポジート)は真正面から対立する。また一族の策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に直面するが……。
2001年にはニューヨークで台本の読み合わせをするなど撮影準備が進んでいたが、9月11日の同時多発テロ事件によって中断。2007年には支援も途絶え、一度は断念の危機に立たされた。しかしコッポラ監督は決して諦めず、300回にも及ぶ脚本の書き直しを経て2021年、自身のワイナリーの一部を手放し、私財1億2000万ドル(約174億円)を投じて映画製作を再始動させた。
アダム、ジャンカルロに加え、ナタリー・エマニュエル、シャイア・ラブーフ、オーブリー・プラザ、ローレンス・フィッシュバーン、ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマンら豪華キャストが集った本作は、昨年のカンヌ国際映画祭で華々しくお披露目されたが賛否がはっきり割れ、この“哲学的なローマ叙事詩”が商業的な成功を収める可能性は低そうだとして、本国アメリカですらなかなか配給先が決まらなかったことも話題となった。
さらに最低映画を決めるラジー賞ことゴールデンラズベリー賞では最低監督賞、最低助演男優賞(ジョン・ヴォイト)の2冠を獲得するなど話題に事欠かず、世紀の怪作と言っても過言ではない本作。巨匠が身銭を切って作り上げたこの問題作をついに自分の目で、大スクリーンで確認できる機会は、映画ファンには見逃せないだろう。併せて公開された予告編では、カエサルの時間を止める能力なども確認できる。
本作のムビチケ前売券(オンライン)は4月18日に発売され、発売から1週間は通常1,600円が1,400円となるタイムセールが実施される。(編集部・市川遥)
映画『メガロポリス』は6月20日よりIMAXほか全国劇場公開