吉永小百合が耳ピアス!124本目の映画出演作で初挑戦

女優の吉永小百合が13日、グランドプリンスホテル高輪で行われた映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見に出席、124本目の映画出演作にしてはじめて耳にピアスの穴を開けたことを明かした。この日は吉永、天海祐希、佐藤浩市、そしてこの日発表された追加キャストとして、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずきも登壇した。
【画像】吉永小百合、のんらが勢ぞろい!『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成報告会見
生涯で76か国の最高峰・最高地点の登頂を成功させ、エベレストの女性世界初登頂に成功した、日本を代表する女性登山家・田部井淳子の実話をもとに、エベレスト女性初登頂から、晩年の闘病、余命宣告を受けながらも亡くなる直前まで山に登り続けたその勇壮な生涯を壮大なスケールで描き出した感動作。彼女の世界初女性エベレスト登頂という偉業から50周年となる今年、吉永にとって124本目の出演作として制作された。本作は昨年の8月にクランクイン、静岡、富山、福島などで撮影が行われ、今年4月30日に完成したばかり。

共演には佐藤、天海がアナウンスされていたが、この日、追加キャストとして、吉永演じる多部純子の青年期にのん、佐藤演じる多部正明の青年期に工藤、天海演じる純子の友人の新聞記者・北山悦子の青年期に茅島、そして純子と正明の長女・教恵に木村、長男・真太郎に若葉がそれぞれ発表された。
会見に登壇した吉永は「昨年の8月にクランクインしたのですが、本当に過酷な撮影でした。朝早くに家を出て、栃木で撮影し、その足で富士山まで行くということもありましたが、なんとかやり遂げることができてホッとしております。きっと本物の田部井淳子さんも『よくやったね、頑張ったね』とわたしたちに言ってくださっているような気がします」と安どの表情。
吉永は、実際の田部井さんには2012年ごろにラジオ番組を通じて会ったことがあったそうで、「なんてすてきな方なのだろうかと思い、ファンになりました。それがこういう形で、わたしが田部井さんをモデルとした役をやることになり、本当にしあわせです」としみじみ。また、阪本順治監督によると、吉永は役づくりとして、生まれてはじめてピアスを開けたとのこと。そしてそれを受けた吉永は、耳に付けたピアスを手にして「今日は田部井淳子さんからいただいた本物のピアスをつけてきました」と説明した。
さらにピアスを開けようと思った経緯について、「これは開けるしかないと思い、開けましたけど、大変だったのは皮膚科の先生に、1か月は泳いではいけないと言われたこと。泳げないのはわたしにとってとてもつらいことでしたが、我慢しました。ただ時代劇の場合、ピアスの穴があったらいけないのかなと思うのですが、もうこの年齢になったら時代劇のオファーはもうないかもしれないし、とにかく今回の役に没頭するために開けようと思いました」と述懐。さらに「今は解放されたような、いい気持ちになっております」と晴れやかな顔を見せた。

一方、吉永演じる多部純子の青年期を演じることになったのんは、「巨大なプレッシャーでした。お話をいただいたときは本当にビックリしました。うれしくて舞いあがったけど、いざ演じると吉永さんの青年期に見えないといけないんだということがのしかかってきて……気合が入りました」とコメント。さらに役づくりについては「田部井淳子さん自身のことを研究することもそうですし、吉永さんの出演作品を観させていただいたりして、研究もしました。わたしは吉永さんの瞳の力にすごく魅了されたので、どうにか1%でもできないかなと思い、吉永さんの撮影現場に行かせていただいて、どんな多部純子さんなんだろうと見学をさせていただきました」と振り返った。
一方の吉永は「つながった作品を観て、本当にのんさんがかわいくて。自分の娘にこんな子がいたらと思うくらいすてきでした。のんさんとは、坂本龍一さんのコンサートで、朗読をやらせていただいたご縁があるので、そういう意味でも、心が通い合ったし、今回もやっていただいてよかったと思います」と振り返った。
なお、本作が登山を題材としていることにちなみ、「芸能生活は今、何合目?」といった質問も。それには「8合目くらいでしょうか」と返答した吉永。「頂上まで行けるかわからないですけど、自分が元気でやれる限りは、一歩ずつ歩いていけたらと思います」とあらためて決意を語るひと幕もあった。(取材・文:壬生智裕)
映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』は10月31日より全国公開