ADVERTISEMENT

『スター・ウォーズ』ダース・モールが今なお愛される理由 新作アニメは「悪役モールvsさらに悪い奴ら」【来日インタビュー】

ダース・モール役サム・ウィットワーが語る悪役像!「モール:シャドウ・ロード」インタビュー【スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン】 » 動画の詳細

 『スター・ウォーズ』新作アニメ「モール:シャドウ・ロード(原題)/ Maul - Shadow Lord」でダース・モールの声を担当するサム・ウィットワーが、千葉・幕張メッセで開催された公式ファンイベント「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」の会場でインタビューに応じ、今なお愛され続ける悪役の魅力、謎多き新作について語った。

【動画】『スター・ウォーズ』新アニメはどうなる?ダース・モール声優を直撃

 実写映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)で初登場したダース・モールは、ダース・シディアスに訓練されたシスの暗黒卿。ダブルブレードのライトセーバーを駆使し、ジェダイマスターのクワイ=ガン・ジンを破った。その後、クワイ=ガンのパダワン(弟子)であるオビ=ワン・ケノービによって身体を真っ二つに斬られたが、アニメ「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」(2008~2020)でまさかの復活を果たし、「スター・ウォーズ 反乱者たち」(2014~2017)では因縁の相手であるオビ=ワンと再び刃を交えた。

ADVERTISEMENT

 「クローン・ウォーズ」からモールの声を担当しているウィットワーは、『ファントム・メナス』の公開初日に、実写版モール役のレイ・パークに会う機会があったという。

「レイ・パーク本人が、自宅から2.5キロメートルしか離れていない劇場で映画のプロモーションをしていたんです。当時、私は学校を卒業したばかりで、俳優になるにはどうすればいいのか全くわからなかった。でも彼はとても優しくて素敵な人で、とても親切にしてくれました。心の中で『スター・ウォーズ』に出られるなんて、どれだけ運がいいのかと思ったことを覚えてます。そして、まさか20年後、自分がこのキャラクターの解釈に携わるなんて夢にも思いませんでした」

レイ・パークが演じた実写版ダース・モール - 『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』ディズニープラスにて見放題独占配信中 -(C)2025 Lucasfilm Ltd.

 モールは初登場から26年が経過してもなお、多くのファンに愛され続けている。ウィットワーは、モール人気について「彼の内面にある葛藤が理由だと思います」と持論を展開する。

ADVERTISEMENT

 「モールは単なる悪者だったことが一度もありません。誤解しないように言うと、モールは確かに悪役ですが、彼は決して一面的な存在ではなかった。いつも非常に興味深い視点、ユニークな考えを持っていました」

 新作「シャドウ・ロード」では、その視点や考えを掘り下げることになるとのこと。「モールは古典的な訓練を受けたフォースの使い手です。彼は情熱と魔法、騎士やドラゴンが存在した時代に育ちました。しかし今、クローン戦争が終わり、帝国が台頭してくるのを目の当たりにしている。その帝国は、彼が思い描いていたものとは違っていたんです。彼の目には、その帝国が銀河から魔法や生命、色彩といったものを取り払っているように映る。それを彼はどう感じているのか? 本来は彼自身もその一部となるはずだった帝国が、全く望んでいたものとは違っていた。さらに、彼の宿敵であるジェダイはもう存在していない。では、それはジェダイに対する彼の思いに何らかの変化をもたらすのか? なぜなら、彼には今、かつてなかった『別の選択肢』が見えてきているからです」

「反乱者たち」に再登場したモール - 「スター・ウォーズ 反乱者たち」ディズニープラスにて見放題独占配信中 -(C)2025 Lucasfilm Ltd.

 物語の詳細は不明だが、ウィットワー曰く、モールは自分の居場所を探している最中だという。「その状況で、彼はもしかすると『弟子を育てる』ことこそが、自分にとって最善なのではないかと気づくのかもしれません。そうなると、モールはどうやって弟子を育てるのか? それはパルパティーンのようにではないし、シスの伝統的なやり方でもない。あくまで“モール自身のやり方”で育てることになるでしょう」

ADVERTISEMENT

 モールは主人公になっても「やることはとても酷いです」と悪役ポジションは変わらない。「物語は『悪人vsさらに悪い奴ら』の構図です」とウィットワーは説明する。「モールは悪人にあたりますが、彼はパルパティーン/ダース・シディアスではない。パルパティーンは『最悪の中の最悪』ですからね。彼は理想的なシス卿とは言えないし、ジェダイでもない。彼の中にあるいくつかの資質は、おそらく視聴者にとって意外なものかもしれません」

 モールの声優を担当して15年。ウィットワーは「モールを正しく描くのは本当に難しい」と収録は常に挑戦であると明かし、「新作では、さらにその難易度が上がっています」とも。「でもありがたいことに、16年近く一緒に取り組んできた仲間たちが今も関わってくれています。私たちは、ルーカスフィルム・アニメーションが到達したことのない領域まで、この作品を押し進めようと本気で考えています。ビジュアル、質感、サウンドデザイン、色彩、キャラクターのポージング……全てが『クローン・ウォーズ』のスタイルでありながら、どこか少し危険な香りがして、少し荒々しく、少し尖っているように見えるかもしれません。それは、モールというキャラクターの視点から、銀河を描いているからなんです。彼が世界をどう見ているか。それがこの作品の表現に反映されています」と自信をのぞかせていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

アニメ「モール:シャドウ・ロード(原題)」ディズニープラスで2026年配信予定

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT