【ネタバレ】『サンダーボルツ*』幻のキャラクターも…ボツになった設定&展開

マーベル・スタジオ最新作『サンダーボルツ*』(全国公開中)の初期稿を執筆した脚本家のエリック・ピアソンが、惜しくも不採用となったキャラクターや設定について The Wrap に明かした。(以下、映画のネタバレを含みます)
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で負け犬扱いされてきた無法者たちがチームを結成し、アベンジャーズ不在のニューヨークに迫る危機に立ち向かう本作。ピアソンは『アントマン』『ブラック・ウィドウ』など多数のMCU作品の脚本を手がけたベテランで、『サンダーボルツ*』の脚本は、彼の初期稿に「一流シェフのファミリーレストラン」のジョアンナ・カロらが加筆して完成したものだ。
まず、ピアソンの初期稿には「X-MEN」の人気キャラクター・ウルヴァリンの骨格を覆う素材としても有名な超金属「アダマンチウム」が含まれていたという。『サンダーボルツ*』においてアダマンチウムがどう機能したかは不明だが、チーム結成という点で「アイデアは気に入ってもらえました」とピアソンは振り返る。結局、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギから「もっと小さくて密な物語がふさわしい」と指摘され、ボツになってしまった。
映画は、CIA長官ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌの指示によって、エレーナ、USエージェント/ジョン・ウォーカー、ゴースト/エイヴァ、タスクマスターがOXE社の保管庫で激突する展開で幕を開けるが、当初は保管庫の施設内だけで物語が完結する案もあったという。ファイギから「『ダイ・ハード』のような展開はどうか?」と提案されたピアソンは、犯罪者たちがチームを組むDC映画『スーサイド・スクワッド』的な展開を避け、「殺し合いのために送り込まれた彼らが偶然チームになる」という現在のモデルを考案。その後、ジェイク・シュライアーが監督に就任し、保管庫からニューヨークに戻るロードムービー要素や、ウォッチタワー(旧アベンジャーズ・タワー)周辺での戦いが追加されていった。
また、完成版には登場しない幻のキャラクターも複数存在したという。一人は、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』でロス米大統領が変身したレッドハルク。ピアソン曰く、『サンダーボルツ*』ではジョン・ウォーカーが変異するシナリオだったといい、「ヴァレンティーナがウォーカーに薬が必要だと思わせておいて、実は(レッドハルクになる)爆弾を仕込んでいました」と説明。最終的にレッドハルクは不採用となり、代わりに究極のヒーロー・セントリーがサンダーボルツ*の敵として登場することになった。
そしてもう一人が、『アントマン&ワスプ』に登場した科学者ビル・フォスター(ローレンス・フィッシュバーン)だ。ゴーストが心を許した存在でもあるフォスター博士は、前述したジョン・ウォーカー版レッドハルクが登場する際に活躍するはずだったという。しかし、惜しくも再登場は見送りとなり、ピアソンも「なぜかうまくハマらなかった」と正直に告白した。
映画のラスト、サンダーボルツ*のメンバーは「ニュー・アベンジャーズ」として紹介されるが、ピアソンの最終稿では「サンダーボルツ*」のまま世間に公表されるはずだったという。彼らが政府公認のニュー・アベンジャーズになる展開は、ファイギが持ちかけてきたといい、「今までで最高の反応だった」とピアソンも大興奮だったとのこと。ちなみに、ニュー・アベンジャーズに今後どんな計画があるのかは、ピアソンも見当がつかないそうで「(ファイギは)我々の10手先を見据えて動いている」と語っている。(編集部・倉本拓弥)


