本嫌いの少女と犬耳少女の冒険ファンタジー 深緑野分「この本を盗む者は」劇場アニメ化 特報映像公開

作家・深緑野分の2021年本屋大賞ノミネート作「この本を盗む者は」(角川文庫/KADOKAWA刊)が劇場アニメ化され、特報映像とティザービジュアルが公開された。
本作は、「本嫌いの少女」と「謎の犬耳少女」が手を取り合い、本の世界を駆け巡る冒険ファンタジー。本屋街である読長町(よむながまち)に住む御倉深冬(みくら みふゆ)は、巨大書庫「御倉館」の創立者を曾祖父に持ちながら、本が嫌いな高校生。ある日、御倉館の本が盗まれたことがきっかけで、本の呪い“ブックカース”が発動し、読長町は物語の世界に呑み込まれてしまう。深冬は頭に耳の生えた不思議な少女・真白とともに、本泥棒を捕まえる旅に出る。
監督は「神クズ☆アイドル」などを手掛けてきた福岡大生。キャラクターデザイン・作画監督は「彼方のアストラ」「クズの本懐」の黒澤桂子が参加。脚本は「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」などの中西やすひろ、音楽は、実写からアニメまで多くの作品を手がけ、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞する大島ミチルが担当。制作スタジオは「暗殺教室」「地縛少年花子くん」のアニメーションプロデューサー・比嘉勇二が設立した新鋭「かごかん」(式会社かごめかんぱにー)。
原作者、スタッフのコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)
映画『この本を盗む者は』は2026年全国公開
原作:深緑野分
この物語の主人公は、「何かを好きでしょうがない子」ではありません。好きでもないことを家族から押しつけられ、自由に生きられない苦しさを抱え、呪縛と重圧のなかにいる子です。
小説から劇場版アニメになり、この厄介な主人公がより多くの方の目に触れるだろうことになりましたが、どうか彼女の悪戦苦闘と冒険を一緒に応援してもらえたら嬉しいです。誰に言われなくてもなお、本当の気持ちを選び、大切にするのか、自分で決めて生きるのはとても勇気がいることですから。
ともあれ、深く考えずに楽しめる作品にも仕上がっていますので、どうぞお気軽に楽しんで下さい!
監督:福岡大生
このお話は本が大嫌いな女の子が本を取り戻すために異世界になった町を駆け回るお話です。
本が嫌いだけど本を読まないと町を救えない...そんなジレンマを吹き飛ばしてしまうくらい次々と姿を変えていく町と人々。深緑先生の文章の描写を絵に起こすために久々に脳が焼けてしまうぐらい悩み、できたその世界に深冬と真白を駆け巡らせました。
みなさんも是非、本泥棒を追いかける2人を見守っていただけたらと思います。
脚本:中西やすひろ
幼い頃、まだ見ぬ作品との出会いを期待して図書館や本屋に入って、夢中になれる物語を探しました。文字から広がる世界へ飛び込み、物語の波を超え結末を見届ける喜びをたくさんの作品から貰いました。映画館を出る時、本に触れたい、物語に浸りたいと思ってくれる作品になることを願ってます。
キャラクターデザイン・作画監督:黒澤桂子
はじめまして! お久しぶりの方はこんにちは! キャラクターデザインの黒澤桂子です。
今作は挿絵の無い小説が原作です。表紙や本文の描写を参考にしつつ楽しみながらデザインさせて頂きました。
しかしデザインはあくまでも設計図。本編で深冬ちゃんたちがどんな表情や動きをするかは 1 カットずつ目を通し全力で考えて頑張って描いております!
そんな絵や色、音、全てが重なって繰り広げられる物語はきっと皆さんをワクワクさせてくれるはずです。私もすでに楽しみです!
音楽:大島ミチル
「この本を盗む者は」は、いくつものファンタジーが交差する、想像力に満ちた壮大な物語です。映画化によって、その不思議で美しい世界が、鮮やかにスクリーンに広がります。
音楽もまた、その幻想的な世界を彩る大切な要素です。カラフルで多彩なメロディが登場人物たちの冒険や感情に寄り添い、まるで宝石箱を開くような驚きとときめきをもたらせてくれるような音楽に仕上げたいと考えています。
1ページ、また1ページと物語がめくれていくたびに始まる新たな冒険・・・その息づかいを、映像と音楽が織りなす幻想の旅として、ぜひ劇場で体験してくださいね。
アニメーションプロデューサー:比嘉勇二
「かごかん」初の長編アニメーション作品『この本を盗む者は』を発表しました。原作を読んだ際に思い描いた読長町の風景や深冬たちの冒険が、映像として形になっていくことを楽しんで制作しています。
本作は「冒険」「ミステリー」「呪い」「ハードボイルド」などの楽しい要素を詰め込んだエンターテインメント作品になっています、皆さんも劇場にて深冬たちとともに物語の世界を旅してほしいです。


