ADVERTISEMENT

『国宝』人間国宝役・田中泯の人間離れした存在感話題 「異次元」「恐ろしい凄み」

映画『国宝』より「鷺娘」を舞う人間国宝・万菊(田中泯)
映画『国宝』より「鷺娘」を舞う人間国宝・万菊(田中泯) - (C) 吉田修一/朝日新聞出版 (C) 2025映画「国宝」製作委員会

 ネット上で絶賛評が相次ぎ、劇場に足を運ぶ芸能人も続出する反響を見せている吉沢亮主演、横浜流星共演の映画『国宝』(公開中)。本作では吉沢、横浜をはじめ歌舞伎俳優を演じるキャストの熱演が話題沸騰だが、その中で人間国宝の女形を演じる田中泯(80)の存在感に圧倒される観客が後を絶たない。

【画像】吉沢亮・横浜流星ら圧巻の歌舞伎シーン<16枚>

 本作は、原作者の吉田修一が3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験をもとに書き上げた同名小説を原作に、極道の息子として生まれながらも歌舞伎の世界に飛び込み、芸の道に人生を捧げる喜久雄の50年を追う一代記。主人公・喜久雄を李組初参加となる吉沢亮、喜久雄のライバルとなる御曹司の俊介を『流浪の月』(2022)以来2度目の参加となる横浜流星が演じ、監督を、『悪人』(2010)、『怒り』(2016)に続き吉田作品の映画化は3度目となる李相日が務めた。

ADVERTISEMENT

 山田洋次監督の映画『たそがれ清兵衛』(2002)で鮮烈なスクリーンデビューを飾って以来、俳優としても大人気のダンサー・田中泯。『国宝』で演じるのは当代一の女形であり、人間国宝の歌舞伎役者・小野川万菊。出演シーンは多くないものの、日本一の女形を目指す喜久雄と俊介の運命を握るキーパーソンとして描かれ、とりわけ喜久雄にとっては歌舞伎の世界に没頭するきっかけとなったカリスマ的存在。少年時代に万菊の「鷺娘」を観た喜久雄は「恐ろしいわ。バケモンや」と衝撃を受け、その際に感じた恍惚の瞬間を追い求めていくこととなる。

万菊(田中泯)

 “人間国宝”という大役を演じるにあたり、田中は「とにかく桁外れの門外漢があって、やってはいけないことかもしれないとドキドキするような仕事で、まだ未だに僕の中では終わった気がしてないというか」と、5月30日に撮影地である京都で行われたジャパンプレミアで慎重な姿勢を見せていたが、映画が公開されるとその圧倒的な存在感に魅せられ、高揚する観客が続出。

ADVERTISEMENT

 人間離れした田中のたたずまいが話題となり、SNS上では劇中の喜久雄、俊介と同様に「本物の人間国宝だった」「本当に女形の方かと思うくらい」「異次元」「化け物だった」「凄味がありすぎた」「存在感が怖いくらい凄かった」「万菊の手招きのシーン良かったなぁ」「もはや人ではない何かが映っているよう」と心酔する声でにぎわっている。

 俳優デビュー作『たそがれ清兵衛』では、映画初出演にして真田広之演じる主人公・清兵衛の上意討ちの相手に抜擢。クライマックスでの凄み、哀愁漂う殺陣は語り草となり、山田監督の次回作『隠し剣 鬼の爪』(2002)にも出演。犬童一心監督の映画『メゾン・ド・ヒミコ』(2005)ではゲイの設定で、オダギリジョー演じる主人公の恋人を艶やかに好演。のちに犬童監督は田中に密着したドキュメンタリー『名付けようのない踊り』(2021)を撮り上げた。近年では、映画『アルキメデスの大戦』(2019・造船中尉・平山忠道)、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(2022・藤原秀衡役)、『銀河鉄道の父』(2023・宮沢賢治の祖父・喜助役)などで菅田将暉との共演が話題に。老年期の葛飾北斎にふんした映画『HOKUSAI』(2021)では雨の中、圧巻の舞踏を披露し、撮り終えた直後に現場にいた全員から拍手が沸き起こったという。

 近年ではディズニープラスの配信ドラマ「フクロウと呼ばれた男」(2024)で“フクロウ”の異名をとる伝説的フィクサー役で主演を務め、先ごろ松本潤主演のTBS7月期日曜劇場「19番目のカルテ」への出演が発表されたばかり。「A LIFE~愛しき人~」(2017)以来となる日曜劇場出演となる同作では、主人公(松本)の恩師である島の医師を演じる。(編集部・石井百合子)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT