松たか子、プロデューサー・オダギリジョーの存在がきっかけ『夏の砂の上』に豪華キャスト集結
俳優のオダギリジョーが17日、都内で行われた映画『夏の砂の上』(7月4日全国公開)の完成披露イベントに出席。松たか子や森山直太朗らと、撮影を振り返った。壇上にはそのほか、共演者の高石あかり(※高=はしごだか)、満島ひかり、高橋文哉、光石研、玉田真也監督も登壇した。
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松田正隆の戯曲を映画化した本作は、夏の長崎を舞台に、息子を亡くした喪失感から抜け出せない主人公・小浦治(オダギリジョー)と、彼の妹・阿佐子(満島ひかり)が預けていっためいの優子(高石あかり)との共同生活の行方を描いた作品。
主演と共同プロデューサーを兼任したオダギリは、プロデュースを務めた理由について「なかなか簡単に進むタイプの映画ではない。こういう作家性の強い作品は、今はお金が集まらなくて作りにくい時代なんです」と経緯を説明。「でも、すごくいい作品だし、この作品にお金が集まらなくて作れないのはもったいないなと思った」と回顧する。
またオダギリは、共同プロデューサーをやると決める前から本作に興味を持ち、脚本のための長崎への取材にも同行したといい、「シナハン(シナリオハンティング)で長崎を回ったりしていて、東京に戻る途中、僕からメッセージを送りました。『この作品に、僕もプロデューサーとして加われませんか』と。このメンバー(キャスト)を見てください。そんなに簡単に出てくれる人たちじゃない。僕がプロデューサーに名を連ねることで信頼してもらえればいいな、(キャスティングの)説得材料になればいいな、と思ったんです」と明かした。
松も、オダギリが本作に関わったことが出演のきっかけになったと同調し、「(話をもらって)嬉しかったです。オダギリさんは、ほぼほぼ同世代ですが、いろんな現場を経験されている方で、そのオダギリさんが興味を持ったお話はどんなだろうって私も興味を持ちました。それがこの作品に惹かれた理由の一つになりました」と明かした。
また森山は、そんなオダギリのユニークな側面を紹介して会場を和ませる。オダギリがよくスタッフや共演者と会食をするタイプであると話したうえで、「それが本当に怖くて。毎晩、熱く演技論を聞くのかって……」とジョークを交えてオダギリや会場を笑わせる。しかし、撮影現場以外の場で、オダギリが共演者の緊張をほぐす役目を積極的にしていたことを紹介し、「それに助けられました」と笑顔を見せた。
さらに森山は、長崎ロケの際、ホテルが全員同じで、ロビーにオダギリがいつも座っていたこともユーモアを交えて回顧。そこでも会合が行われたようで、「そこをみんなが自然と“スナックジョー”と呼んでいました。玄関だから素通りできない。わりかし男だらけの集会だったんですけど、時々、お風呂上がりの松さんが浴衣を着て通りすぎるんです」と延べ、「(浴衣姿の松は)映画やドラマのワンシーンのようなシルエットでした。それをみんなで羨望の眼差しで見ていました」と撮影を懐かしんでいた。(取材・文:名鹿祥史)


