ハリウッド実写版『AKIRA』実現ならず 米ワーナーが断念

米ワーナー・ブラザースが、20年以上かけて取り組んできた大友克洋の人気アニメーション映画『AKIRA』(1988)のハリウッド実写化を断念し、映画化権を手放した。 The Hollywood Reporter が報じた。失効した権利は、原作の出版元である講談社に戻る。
『AKIRA』は、第三次世界大戦から復興しつつある2019年のネオ東京を描く大ヒットコミックを原作者の大友が自ら映画化した伝説的アニメ。ワーナーは、2002年に映画化権を獲得し、『ブレイド』を手がけたスティーヴン・ノリントン監督を迎えて、実写化に乗り出していた。
しかし、そこから20年は企画の頓挫と再始動の繰り返しで、実写化は一向に進まず。レオナルド・ディカプリオがプロデューサーとして参加した企画も白紙になり、2017年にはタイカ・ワイティティ(『マイティ・ソー バトルロイヤル』)が監督・脚本に加わり、全員日本人キャストでの実現を目指したが、多忙を極めていたワイティティ監督のスケジュール等で企画凍結となった。
そのほか、『ゲット・アウト』『アス』『NOPE/ノープ』などで知られる稀代のヒットメイカー、ジョーダン・ピール監督にもオファーが届いていたが、ピール監督が辞退していたことも明らかになっている。ピール監督は「とても情熱的になったプロジェクトだけど、やらなくてよかった」と2023年にポッドキャスト番組「Happy Sad Confused」で振り返っており、「でも僕はネオ東京が見たい。オール日本人キャストでね。漫画のような映画の世界に浸りたいですね」と他の監督での実現に期待を寄せていた。(編集部・倉本拓弥)


