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藤原竜也、25年前の『バトル・ロワイアル』振り返る 深作欣二監督と「もっとご一緒したかった」

藤原竜也と深作健太氏、深作欣二監督の写真を手に
藤原竜也と深作健太氏、深作欣二監督の写真を手に

 俳優の藤原竜也が15日、丸の内TOEIで行われた「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト『バトル・ロワイアル』上映前舞台あいさつに、脚本を担当した深作健太と共に出席。藤原は、故・深作欣二監督を偲ぶと共に「もっとご一緒したかった」と胸の内を明かしていた。

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 2000年に公開された『バトル・ロワイアル』は、高見広春の同名小説を『仁義なき戦い』シリーズの深作欣二監督が映画化。新世紀教育改革法・通称「BR法」の対象クラスに指定された中学生たちが、最後の一人になるまで殺し合いをする姿を描いたバイオレンスアクション。

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 大規模なオーディションを勝ち抜き主役に抜てきされた藤原。撮影前には東映の大泉撮影所で合宿生活を行ったといい「撮影所の周りを生徒全員でランニングするところから始まり、筋トレ、アクション練習と続きました。最初は“なんでこんな大変なことをさせられるんだろう”と思いながらやっていたのですが、撮影に入るともっと大変でした」と苦笑い。

 現場では、深作監督が「誰一人間違えることなく生徒全員の名前を覚えてくれていたんです」というエピソードを明かすと「100名近くいた生徒一人一人とアグレッシブに向き合ってくださり、とても温かさを感じていました」と懐かしんだ。

 本作は、その過激な内容が国会でも取り上げられるなど、大きな話題になった。健太氏は「東映はやくざ映画などアナーキーな映画でずっと頑張ってきた会社だったので、最初は仕込みかと思いました」と笑うと「もともと逆境も全部メリットに変えていく会社だったので、あの時も宣伝や営業の皆さんが一丸となって盛り上げてくれていたことを覚えています」と語っていた。

 アクションを含めハードなシーンが多数登場する本作。そのほとんどのシーンを自分で演じたという藤原は「映画というものをまだ理解していなかったので、自分がやるもんだと思っていました」と笑うと、診療所が爆発するシーンも、自身が演じたと続け「とても熱くて爆風も相当すごかった。他の作品で違う現場に行ったときも『深作組をやっていたんだから、こんなものは軽いだろう』と言われたり……。それが逆に嬉しかったですね」と思い出話を明かしていた。

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 撮影当時、深作監督は70歳。藤原は「僕はまだ17~18歳ぐらい。それで深作組で主役をやらせていただき、時に褒められたり、時に“お前のその芝居を続けてもお客はついてこないから、こういう芝居をしてくれ”と数ミリ、数センチの感情のブレを細かく指摘していただいたりしました」と熱い思いで向き合ってくれたこと明かすと「やくざ映画などを観ていても、人間の本質的な部分を見透かされているような演出をされる方でした」と特徴をあげていた。

 藤原は、そんな深作監督との出会いを「宝物ですよね」としみじみ語ると「映画の楽しさ、大変さという魅力を教えてくれたのが深作組です。そんな深作組に、若いうちに参加させてもらったことが、この先の僕の人生においてきっと財産として残っていくんじゃないかと思っています。あそこまで才能のある方とは、もっとご一緒したかったという思いが今でもあります」と故人を偲んでいた。

 「さよなら丸の内TOEI」プロジェクトは、7月27日に約65年の歴史に幕を閉じる丸の内TOEIを惜しみ、劇場へかかわる全ての人への感謝と、「映画館で映画を観る」ことの大切さを改めて訴求することを目的に、5月9日から7月27日までの80日間にわたって数々の傑作特集上映に加え、各種イベントを実施。その一環としてこの日は、2000年に公開された『バトル・ロワイアル』が上映された。(磯部正和)

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