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清野菜名、居場所を探してもがいた20代…私生活の大きな変化で「良い方に変わった」

私生活の大きな変化で「良い方に変わった」という清野菜名
私生活の大きな変化で「良い方に変わった」という清野菜名

 ディズニー&ピクサー新作アニメ-ション映画『星つなぎのエリオ』で主人公エリオの親代わりとなる叔母オルガの日本版声優を務めた清野菜名は、キャラクターに真っすぐさと温かみを注ぎ込み、等身大の女性を生き生きと演じている。親代わりという役割と自身のキャリアを築く夢、その狭間で戸惑うオルガに心を寄せた清野がインタビューに応じ、人生の転機がもたらしたものや、30代の展望までを語った。

エリオたちとにっこり!清野菜名インタビューカット【全10枚】

ディズニー&ピクサーの声優に初挑戦「とんでもない夢が叶った」

 本作の主人公となるのは、両親を亡くし、どこにもなじめず「ここじゃないどこかに、僕の居場所がきっとある」と信じているひとりぼっちの少年エリオ。どこかにきっとある“本当の居場所”を求めていたエリオが宇宙に旅立ち、同じように孤独なエイリアンの少年グロードンと友情を築きながら、銀河を揺るがす脅威に立ち向かう姿を描く。

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 カラフルな光景が広がる“星々の世界”を舞台に、ワクワクする冒険や熱い友情が繰り広げられるなど、ディズニー&ピクサーならではの心揺さぶる映像美と人間ドラマを味わえる本作。清野もディズニー&ピクサーに魅了されてきた一人で、「『トイ・ストーリー』を観た時には、本気でおもちゃを大事にしようと思いました」とほほ笑みながら、「ディズニー&ピクサー作品から夢や希望をもらったり、自分の世界が広がったような感覚になったり。ずっと身近な存在で、一緒に育ってきた感覚があります」としみじみ。

 大好きなディズニー&ピクサーのオーディションの話が舞い込み、震えるような思いがしたという。「オーディションはものすごく緊張しました。オーディション自体も久しぶりで、しかも声の演技のみでジャッジをしていただくということも初めての体験で、未知の世界でした。オルガの表情からなんとか彼女の心を汲み取って、演じてみようと思いました」とチャレンジし、見事に合格。「自分がディズニー&ピクサーの世界に入れるなんて、とんでもない夢が叶いました。今でも信じられない気持ちで、公開を控えた今もまだ緊張しています」と感激しきりだ。

私生活の変化がもたらしたもの…「自分のことを理解できるようになった」

清野菜名

 演じたオルガは、両親を亡くした甥のエリオと一緒に暮らすことになる女性。突然の環境の変化に戸惑いながらも、エリオを心配し、彼の本当の心を理解したいと思っている。清野は、「とにかく、エリオに対する気持ちを強く持って演じた」と話す。

 軍の基地で衛星研究の仕事をしているオルガは、宇宙飛行士になるという夢を抱いている。しかし「今はエリオとの暮らしを大事にして、自分の夢は一旦保留にしたほうがいい」と葛藤している。「オルガの戸惑いを感じました」という清野は、「急にエリオとの暮らしが始まって、オルガ自身もどのようにエリオに接していいかもわからない。友達を作ろうとせずに、宇宙を夢見てばかりいるエリオのことをなかなか理解できず、最初はエリオに怒ってばかり」と苦笑い。「突然の環境の変化への戸惑いも理解できますし、オルガは自分の夢を追っている真っ只中。仕事と夢、私生活の両立に悩む気持ちも理解できるなと思いました。そのもがきと、エリオの心を少しずつ理解していく変化を繊細に演じたいなと思って声を入れました」とオルガに愛情を傾けながら、役づくりをしていった。

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 キャリアとエリオとの生活のバランスに悩むオルガの姿は、結婚や出産、子育てなど、家庭と仕事の両立を図ろうとしている人にとって、共感を呼び起こすキャラクターでもある。「オルガは、現代を生きる女性の等身大だなと思いました」という清野も、20代において人生の転機を迎えた。私生活の変化が自身や、仕事にもたらした影響とはどのようなものだろうか。

 清野は「わたしはいろいろなことが、良い方に変わったと感じています。20代は仕事に向かって、とにかくがむしゃらでした。あまりにも没頭していたので、そのうちに何が楽しくて、何が好きなのかなど、自分のベクトルがどこに向いているかもわからなくなってしまっているようなところもありました。なんとなく人に合わせて笑っているようでもあり、本当に心から爆笑したのはいつだっけ? と思うこともありました。自分が一番楽にいられるのはどこなんだろう……とずっと考えていました」と劇中のエリオのように“自分の居場所”を探していたのが20代だと告白。「20代は、いろいろな貴重な経験をさせていただきました。その一方、いつも緊張していたり、まだ地に足がついていないような不安感も強かった」と打ち明ける。

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 続けて「私生活や環境に変化があったことで、自分の時間を作ることもできました。それは自分のことを知る時間にもなり、自分のことを理解できるようになったことで、素直に行動ができるようになりました。友達と会う時間も増えて、親友と話しているとどんどん話したいことが湧いてきたりして。自分にはこんな一面もあったんだなと驚くこともあります」と充実の時を迎えているという。

30代の展望は?「海外旅行に行きたい!」

清野菜名

 私生活と仕事の両立において心掛けているのは、「どちらも無理をしないことです」と笑顔を弾けさせた清野。「オルガもそうですが、どちらも“こうしなきゃ”と全力になりすぎてしまうと混乱を招いて、どちらもできなくなってしまう」と思いを巡らせる。

 俳優としての居場所を求めてもがいた20代。そして自らの心と足元を見つめながら、踏み出した30代。これからの展望を聞いてみると、「これまで日本からあまり出たことがなかったので、30代は自分の時間を大切に、海外にも行って違う世界を見たり、今までにない経験をしてみたいです。まずは海外旅行に行きたいです!」とにっこり。

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 「昨年、お仕事でフランスに行かせていただいた時に、これまで生きてきた世界とはまったく違う景色を見たようで、新しい扉を開いたような感覚がありました」と語りながら、「また今回、声優のお仕事を経験させていただき、もっとチャレンジしてみたいという思いが湧いてきました。未知の世界を進んでいく感じも久しぶりで、すごく興奮して、ドキドキ、ワクワクしました」と目を輝かせていた。(取材・文・撮影:成田おり枝)

映画『星つなぎのエリオ』は8月1日より全国公開

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