「仮面ライダークウガ」富永研司、25周年で再び“超変身” 「超クウガ展」福沢博文と伝説シーンを完全再現

今年25周年を迎えた平成仮面ライダーシリーズ第1作「仮面ライダークウガ」(2000~2001)の歴史を完全網羅した展覧会「超クウガ展」。東京会場を皮切りに、福岡会場、名古屋会場と全国各地を巡っている。会場で購入できる公式図録(税込3,900円)には、仮面ライダークウガのスーツアクター・富永研司による、全11フォームの撮り下ろしスチールが収録されている。同展覧会のため、久々にクウガのスーツに袖を通した富永が、公式図録用の写真撮影の感想や、「仮面ライダークウガ」に対する思いを語った。
【画像】オダギリジョー、クウガと再会!「超クウガ展」プレミア内覧会の様子
「仮面ライダークウガ」の番組プロデューサーで、「超クウガ展」のスーパーバイザーを務める高寺成紀(高ははしごだかが正式表記)から連絡を受けた富永は、25年を迎えた感慨深さと共に「25年後にこういう企画をやるとは、思ってもいなかった」と驚きもあったという。
テレビシリーズ終了後、富永は「仮面ライダークウガ」に関連する取材をほとんど受けてこなかった。「記憶が薄れていますが……」と謙遜気味だが、公式図録ではスーツアクターとして作品を支えた福沢博文&伊藤慎との鼎談で当時のエピソードを語り合っている。「福沢さんが昔話をすごく覚えているんです。伊藤ちゃんもよく覚えていて、すごいなと思いました」と長時間に及んだ鼎談を振り返った。
ちなみに、福沢とは昨年公開された映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』でわずかな時間だが撮影を共にしている。「ライダーキックだけでしたが、久しぶりにクウガを演じました。福沢さんがアクション監督を務めて、俺が当時と同じクウガをやって、『すごいですよね!』とか話していました」
公式図録用のスチール撮影は、高寺プロデューサー立ち会いのもと、3日間かけて行われた。撮影初日には、「仮面ライダークウガ」のアクション監督である金田治が駆けつけ、福沢と共に、展覧会の目玉の一つでもある仮面ライダークウガ アルティメットフォームと確認生命体第0号(ン・ダグバ・ゼバ)の最終決戦の再現に臨んだ。
“凄まじき戦士”こと仮面ライダークウガ アルティメットフォームは、主人公・五代雄介が「EPISODE 48 空我」で変身した姿。吹雪の中でン・ダグバ・ゼバと殴り合う最終決戦は、伝説のシーンとして今も語り継がれている。
福沢ふんするン・ダグバ・ゼバと再び対峙した富永は、マスクで視界が制限されながらも「本気で殴り合うっていう気持ちで、実際に(福沢にパンチを)当てています」と告白。金田アクション監督の熱意ある指示も相まって、「25年前と変わらないことやっていました」と懐かしさも感じたそうだ。
劇中では、途中で変身が解除され、五代とン・ダグバ・ゼバの人間態が生身で殴り合う。その裏では、意外なエピソードがあったといい、富永は「順番的に(撮影は)僕らが先に終わったのですが、思ったより雪が積もんなくて、その後、僕はジャージ姿に着替えて、雪を彼らにかける手伝いをしていました」と述懐。また、攻撃をうける際に飛び散る血飛沫は、大量の血のりで表現されており、「ロケバスに戻ったら、自分の下着にまで血のりが付着していて、一瞬『どこから血が出たのか』と慌ててしまいました。スーツの内側まで飛んでいたので、まさに死闘でした」と振り返った。
完成した公式図録を手に取った富永は、撮り下ろし写真のページめくりながら「いい出来だな」と口にした。「スーツの中身も当時の人ですからね」と25周年という歴史の重みを噛み締めながら語る。
「仮面ライダークウガ」に参加する前は、スーツアクターとしての経験がほとんどなかった富永。「25年経った今でもファンの方に愛していただき、いい作品に出演できたと実感しています。仮面ライダークウガを1年間演じ切ったことを自信にして、これからも特撮作品に限らず、映画などでアクションができる俳優としてやり続けたい」と決意を新たにした。
「超クウガ展」では、当時の設定資料や立像の展示はもちろん、キャスト&スタッフの貴重な証言をもとに、「仮面ライダークウガ」のはじまりから現在までの歴史を網羅できる。富永は「会場にいらっしゃったお客さまには、余すところなく見てほしい」と語り、「図録を見ただけでもすごく感動しているので、展示物はさらにすごいと思います。すでに何回も観賞している方がいらっしゃるそうなので、さらに観ていただけるとありがたいです」と呼びかけていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
「超クウガ展」名古屋会場は10月11日(土)より名古屋PARCO南館9階 PARCO HALL にて開催 ※10月11日(土)~13日(月・祝)は時間指定入場


