西島秀俊×瀬々敬久監督、未解決事件の真相に迫るミステリー『存在のすべてを』2027年公開決定

　第9回渡辺淳一文学賞を受賞した塩田武士による小説「存在のすべてを」が映画化され、2027年に全国公開されることが決まった。主演は、『ドライブ・マイ・カー』などの西島秀俊、監督は『ラーゲリより愛を込めて』などの瀬々敬久が務める。

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　本作は、1991年に発生し未解決のまま時効を迎えた“二児同時誘拐事件”を軸にした重厚なミステリー。一方の児童は無事発見されたが、もう一方の児童は行方不明となり、3年後に突然、祖父母宅に姿を現す。しかし、行方不明だった3年間については固く口を閉ざし続け……。それから30年後、事件当時に警察担当の新聞記者だった門田次郎が、旧知の刑事の死をきっかけにこの事件の真相を追うことになる。空白の3年間に隠された“真実”とは一体何なのか、心揺さぶる展開が描かれる。

　主人公の新聞記者・門田を演じる西島は脚本を読み、「手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました」とコメントを寄せている。また、『64－ロクヨン－』や『護られなかった者たちへ』など数々のミステリー作品を手掛けてきた瀬々監督は、本作について「このタイトルの重さに恥じない映画を送り届けたい」と意気込みを語っている。

　西島と瀬々監督が本格的に映画でタッグを組むのは、『冷血の罠』（1998）以来、27年ぶりとなる（※本作は2025年8月下旬からクランクイン予定）。西島は「時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです」と撮影への期待を寄せた。コメント全文は以下の通り。（加賀美光希）

西島秀俊／門田次郎役

脚本を読み、二児同時誘拐事件をめぐる手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。
瀬々監督と本格的に映画でご一緒するのは1998年の「冷血の罠」以来になります。
時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです。
観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたいと思います。

瀬々敬久監督

『存在のすべてを』は原作の塩田武士さんが、まさに足で稼いだと言っていい小説です。現実の場所に足を運び、そこの空気を直に感じて書き上げられた小説。想像の産物でありながら現実を超えるようなリアリティはそこから来ている気がします。この小説を映画化する。すこぶる難儀であり、大いなる挑戦になる仕事だと思っています。そして主演の西島秀俊さんとは約30年ぶりの映画作り。西島さんの一見柔らかでいながら一気に炸裂する精神に再び出会えることにワクワクしながらも、この間の30年が自分たちや世界にとってなんであったのか、何を失ったのか。まるで小説の主人公たちが30年前の事件に再び接していく様の写し絵のように今、感じています。『存在のすべてを』、このタイトルの重さに恥じない映画を、送り届けたいと思っています。