「べらぼう」蔦重を救った二人の成長話題 「ファインプレー」「今週も泣いた」

横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の31日放送・第33回では第31回に続いて、ドラマの序盤から登場していたキャラクターが悲劇に見舞われる一方、騒動の渦中で二人の人物の成長が注目を浴びた(※ネタばれあり。第33回の詳細に触れています)。
第33回「打壊演太女功徳(うちこわしえんためのくどく)」では、届くはずの米が届かず、ついに江戸で打ちこわしが発生。蔦重(横浜流星)は、意次(渡辺謙)のもとを訪れ、米の手配がままならぬのであれば金をと進言。意次は良案だと採用し、すぐさま蔦重に市中に伝えるよう言い渡すが、そこに再び現れたのが一橋治済(生田斗真)との癒着が噂されていた“丈右衛門だった男”(矢野聖人)。富本斎宮太夫(新浜レオン)をも担ぎ出した蔦重の読売に町人たちは「銀がふる~」と沸くも、“丈右衛門だった男”が邪魔者を排除すべく、小刀を手に蔦重に迫ろうとしていた……。
~以下、ネタバレを含みます~
蔦重の危機を救ったのが、御先手弓頭となった長谷川平蔵(中村隼人)。“丈右衛門だった男”が新之助(井之脇海)を刺し騒然となるなか、平蔵が颯爽と登場。男が再び蔦重に迫ろうとするところを矢で射貫き「これより狼藉をはたらく者は容赦なく切りつける!」と言い、場を収めた。かつて、吉原で蔦重と花の井(小芝風花)にカモられていた放蕩の日々からは想像できない勇姿に、視聴者は「長谷川様ー!」「待ってました!」「めちゃくちゃ腕がいいな」「あのカモにされてた平蔵が」「平蔵、いいところで」「カッコイイ~」「凄い登場の仕方」「しびれる」と大盛り上がり。
そして蔦重を救ったもう一人が、歌麿(染谷将太)。自身をかばい、亡き妻ふく(小野花梨)ととよ坊の元へと逝ってしまった新之助ら無数の土まんじゅうを前に、うつろな目をした蔦重に寄り添い、「これが俺の、ならではの絵さ」と、植物や虫の絵を見せた。その絵は「生きてるみてえだな……」と蔦重を言わしめるほど圧倒し、歌麿は「絵ってのは命を写し取るようなもの」「いつかは消えていく命を紙に写すことが俺のできる償いなのかもしれねえって思い出して。近頃は少し心が軽くなってきたんだよ」と胸中を吐露。
哀しみのあまり涙も流せなかった蔦重がボロボロと涙を流しながら「歌…新さんが死んだ。俺をかばって死んだんだよ。俺、ここに穴掘って埋めて…俺はこの人たちを墓穴掘って叩き込んだんだって」と苦しみを打ち明けると、歌麿は新之助の人生を全肯定する言葉で蔦重を慰めた。幼いころから歌麿(幼少期:唐丸)を支え続けてきた蔦重だったが、今回は歌麿に救われる展開となり「歌麿に慰められる日が来るとは」「今回の救い」「歌がいてくれてよかった!」「歌、ありがとう!」「歌、強くなったな」「歌の絵、本当に素晴らしかった」「今週も泣いた」「後半泣きっぱなし」と感激し、涙を誘われる視聴者が続出した。
なお、ついに平蔵の矢に倒れた“丈右衛門だった男”だが、演じる矢野聖人の怪演は毎回注目を浴びていただけに「退場したらしたで悲しい」とロスも。また治済の謀略はとどまるところを知らず、十一代将軍・家斉の乳母・大崎(映美くらら)が“死の手袋”を手に視聴者を戦慄させた。
稀代の版元の濃密な時間を多彩な表情で演じた横浜流星は、公開中の映画『国宝』が累計で観客動員817万人、興行収入115億円を突破。邦画実写として『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003/173.5億円)に次ぐ歴代2位の成績に。さらに第98回米国アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表作品に選出される快挙を成し遂げ、快進撃が続く。(石川友里恵)


