黒崎煌代、カンヌで話題の初主演映画は「あえて役を作り込まず」

黒崎煌代が2日、都内で行われた映画『見はらし世代』(10月10日公開)のジャパンプレミアに登壇し、映画初主演に対する思いや役づくりについて語った。この日は遠藤憲一、井川遥、木竜麻生、菊池亜希子、中山慎悟、団塚唯我監督も来場した。
【トークノーカット】黒崎煌代、遠藤憲一、井川遥、木竜麻生ら登壇
東京・渋谷を舞台に、幼いころに母親を亡くした青年が、数年ぶりに再会した父との関係を見つめ直していくさまを描く本作。黒崎は、コチョウランの配送運転手として働く主人公・蓮を演じている。
黒崎は「いつもだったら映画が公開のときは“ようやく”という感じですけど、この映画は今年の一月に撮ったので、もう公開なんだ……という素直な気持ちです」とコメント。本作は第78回カンヌ国際映画祭監督週間に出品され、団塚監督は日本人最年少での選出となったため、団塚監督が「カンヌがあって公開が早まった」と明かすと、黒崎は「カンヌも行って、あっという間の日々で、もう迎えちゃった……という寂しい気持ちもあります」と吐露した。
団塚監督とは別作品で知り合い、3年来の友人だという黒崎は「友達ですよね?」と団塚監督に確認しながら、「友達の僕に蓮(役のオファー)を投げてくれたということで、変に役づくりをすると、投げてくれた場所から遠ざかってしまうかもしれないなぁと思って、敢えて作り込まないという作り込みをしました」と振り返る。また、初主演の気負いはなかったようで「家族のストーリーで、その中で蓮が切り取られて主人公になっているだけで、主演だから何をしたということは特になくて、皆さんに助けられて過ごしていました」と語った。
主人公の父を演じる遠藤はスタッフ・キャストとの初対面時を思い返しつつ、「こんな若い監督とやったことないんで、この人(本日のMC)が監督かな? と思ったらプロデューサーだし、(団塚監督が)一番下っ端かなぁと思ったら監督だった」とぶっちゃけ。しかし、団塚監督が撮った短編作品を観て「世界が面白いんでびっくりした」そうで、「どういう演出をしてくるのかなぁ」と期待しながら現場に向かったという。
団塚監督の演出は「適格過ぎた」と感心する遠藤は「俺、大体どの現場に行っても『ああしたい』『こうしたい』と言う方なんですけど、今回は監督の言うこと全部聞いたよね」と回顧。ところが、従順だった理由は他にもあるようで、遠藤は「監督は直接言いづらい雰囲気を醸し出すんだよね。時間がかかるから『もうちょっと早くいかないのかなぁ』と助監督さんに聞いたら『うちらもそう思ってるんですけど、なかなか言いづらいんです』って、年上のうちらが右往左往していました」とさらなる裏話も披露して会場の笑いをさらった。(錦怜那)


