「仮面ライダーゼッツ」今井竜太郎、世界に放つ紳士で無敵なエージェント 演技の参考はイーサン・ハント&ルパン三世

令和仮面ライダーシリーズ第7作「仮面ライダーゼッツ」(9月7日午前9時スタート・テレビ朝日系)が、まもなく初回放送を迎える。人間の夢に潜入し、“悪夢”を現実のものにしようとする怪人と戦う無敵のエージェント・万津莫(よろず・ばく)の活躍を描く本作。主演に抜てきされた俳優の今井竜太郎(いまい・りゅうたろう/20)がインタビューに応じ、万津莫の役づくりや世界展開が決定している本作にかける思いを語った。
「仮面ライダーゼッツ」の主人公・万津莫は、冴えない日常を送る“自称”普通の好青年だが、自分で夢をコントロールできる「明晰夢」(めいせきむ)の持ち主で、夢の中では「無敵のエージェント」として活躍している。ある日、夢の中で未知の怪人・ナイトメアの危機に直面したことをきっかけに、謎の組織「CODE」から変身ベルトを受け取り、人々をナイトメアから守る仮面ライダーゼッツとしてさまざまなミッションを遂行する。スタイリッシュなモノクロ衣装に寝ぐせがついた、ギャップのあるビジュアルも印象的だ。
『M:I』トム・クルーズの余裕感に憧れ
「無敵のエージェント」は圧倒的な強さを連想させるが、今井は“無敵さ”を意識しつつ、スマートな紳士的なエージェントを目指していると語る。「万津莫という人間は、俺様キャラよりかは紳士なエージェントです。すごく優しくて、女性への接し方であったりセリフ回しからも、一味違う“無敵さ”が感じられます。どうやったら無敵さを出せるのか、すごく勉強しましたし、そこに力を入れて役づくりしました」
万津莫から漂う独特の余裕感は、名作スパイ映画やハードボイルドなアニメーションの登場人物を参考にしながら表現したという。「『ミッション:インポッシブル』と『ルパン三世』を観て勉強して、いいところを莫に還元できたらいいなと思って役づくりしました。『ミッション:インポッシブル』の主人公イーサン・ハント(トム・クルーズ)の余裕感はすごく格好よくて魅力的ですし、ルパン三世の女性への接し方や仕草、花を渡す行為もすごくロマンチックだなと思いました」
また、パイロット監督の上堀内佳寿也とも万津莫の余裕感について話し合い、無敵のエージェントとしての風格を突き詰めていった。「最初は夢の中のエージェントが難しいと思っていたのですが、格好いい他のキャラクターを勉強して、できるようになってきたら、今度は現実世界の莫が難しいと思うようになりはじめてしまって……(笑)。お互い、うまく成長させていけたらなと思っています」
万津莫が変身する仮面ライダーゼッツを演じるのは、スーツアクターの新田健太(にった・けんた)だ。変身後のアフレコに挑戦した今井は、「毎回戦う時に声を入れていたら、少し弱々しく見えるというのがあって、新田さんと『強い攻撃の時に声を入れよう』と決めています」と新田と共にゼッツのアクションづくりにも貢献しており、「夢の世界で戦うゼッツは、今までにない戦い方で本当に魅力的です」と期待をあおった。
世界に向けて放つ「仮面ライダーゼッツ」
「仮面ライダーゼッツ」はシリーズ初の世界同時期展開が決定しており、アジア各国、アメリカ等での放送&配信が予定されている。劇中では、万津莫が変身する際に「I’m on it」と英語を話すなど、これまでのシリーズと一味違う演出が垣間見える。
今井は、プロデューサーの指導のもと英語セリフに挑戦しており「撮影現場で『ここはもう少しこうした方がいい』と直してくださり、いい発音だったら『良かったよ』と褒めてくださります。英語のセリフは毎回大変です」と苦労をのぞかせる。
自身の英語の発音など、海外ファンが観た時にどう反応してくれるのか不安もあるという。それでも、「歴史ある仮面ライダーシリーズが海外で放送されるのはすごく嬉しいですし、光栄なことでもあるので、海外の方にも『ゼッツ』の魅力をお届けできるような、作品づくりをしていきたいです」と決意を語った。
いよいよ7日に初回放送を迎える「仮面ライダーゼッツ」。「撮影現場では、僕がしっかりしていないと周りも崩れていってしまうので、緊張感を第一に、これからも撮影に挑みます」と力強く宣言した今井は、不安とプレッシャーを抱えながらも、これから1年間、座長として壮大な“ミッション”に挑む。(取材・文:編集部・倉本拓弥)


