大沢たかおら『沈黙の艦隊』チーム、大阪上陸で熱狂 津田健次郎は地元凱旋に感激

9日、映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』(9月26日公開)のプレミアイベントが大阪で行われ、主演とプロデューサーを務めた大沢たかおが、上戸彩、津田健次郎、吉野耕平監督と共に、劇中に登場する原子力潜水艦「やまと」を模した黒い船に乗って、大阪の道頓堀川「とんぼりリバーウォーク」に登場。大量の紙吹雪が舞う中、道頓堀にメンバーが姿を現すと、会場や沿道に集まった約4,000人から大歓声が沸き起こり、キャスト陣も笑顔で声援に応えた。
本作は、累計発行部数3,200万部を突破するかわぐちかいじの大ヒットコミックを Amazon MGM スタジオが実写化した劇場版第2弾。2023年に公開された劇場版第1弾、2024年より配信されたドラマシリーズに続く物語となり、米第7艦隊を東京湾海戦で圧倒し、ニューヨークへ針路をとった「やまと」が、流氷が浮かぶ北極海で航海最大の難局に立ち向かう。
この日のキャスト陣は、さわやかな白い衣装に身を包んで登場。「やまと」艦長・海江田四郎を演じる大沢は、人にあふれた会場をぐるりと見渡すと、7日に阪神タイガースが2年ぶりのセ・リーグ優勝を決めたとあって「おめでとうございます!」と祝福。「そんな熱い大阪に『沈黙の艦隊』チームと来られて、本当にうれしく思います」と声を響かせ、大きな拍手を浴びた。
フリージャーナリストの市谷裕美を演じる上戸も「大阪、最高!」と切り出し、「大阪に来るとポジティブな気持ちになる。とにかくエネルギッシュ」と人々の熱気に笑顔。本作のキーマンとなる政治家・大滝淳を演じた津田は、大阪出身ということもあり「ほんまによう、その辺りをウロウロしていたので。まさかこの川で皆さんとお会いできるとは思わなかったので、うれしい限りです」と関西弁で喜びをにじませた。また、吉野監督も大阪出身で、最新作を引っさげた“凱旋”に家族が盛り上がっていると報告して、会場を沸かせた。さらに津田は、大滝役として大阪市東住吉区にある長居公園でも撮影をしたことを明かすと「どうしてもここで撮りたいという、監督のこだわりがあった。ぜひお楽しみください」と明かした。
本作では、原作でも随一のバトルシーン「北極海大海戦」と、原作の連載当時にテレビ特番が組まれるほどの社会現象となった「やまと選挙」が描かれる。大沢は「すべてにパワーアップを感じている。ぜひ映画館で体感していただきたい」と自信をのぞかせ、「見どころだらけ。海では、海江田が艦長として北極海の下で戦い、地上では総選挙での戦いがある。2時間、戦いっぱなしのものすごく熱い作品。大阪の方にも楽しんでほしい」と力を込める。
また上戸もパワーアップを実感したと続け、「観ていて、呼吸を忘れました。すごく迫力があって、ドキドキしっぱなし」と太鼓判。「ドカーン! バーン! バシャーン! バリバリー! という感じなので、(大阪の方も)好きだと思います」と茶目っ気たっぷりに語り、会場の笑いを誘った。津田は「僕の役は、政治パートでの戦いを繰り広げています。静かな、でも心の中はバリバリ熱く燃えているような戦いを繰り広げている」と同時進行していく戦いをアピールしていた。
またイベント中には、司会から、大沢が『キングダム』シリーズで演じた王騎将軍の画像にコメントをつける、“大沢たかお祭り”がSNS上で賑わったことに触れられる一幕も。上戸が「王騎将軍は表情豊かなキャラクターだけれど、海江田四郎にコメントを添えるのは難しいと思います。皆さんの腕が試される」と想像すると、「なぜ祭りが始まったんだろう。皆さんが楽しんでいるなら」と目尻を下げた大沢は、「海江田という役は、ほぼ動かない。表情もほぼ変わらない。ワンシチュエーションしか提供できない」と苦笑いしていた。
続いて、TOHOシネマズなんばへと移動した一行は、試写会にサプライズ登壇。これから映画を楽しもうとしていたところ、舞台あいさつがあると告げられた観客は大興奮。悲鳴にも近い歓声が劇場に響き渡るなか、大沢は「できたてホヤホヤの作品を観ていただける。ドキドキ、ワクワクしています」と高揚感を口に。また、今年は大阪に来られる機会が多いという上戸は、いつも食べ物も楽しんでいると明かし、この日も「たこ焼きをいただきました」というと、津田も「食べました」とにっこり。その津田の声に「うわあ……」と会場からため息混じりの声も漏れ聞こえるなど、その低音ボイスは大阪のファンも魅了していた。
また、それぞれが役柄について紹介する機会もあり、上戸は「前作で市谷は、大きな会社に勤める一人のキャスターだった。今回は、自分の足で取材をするフリージャーナリストとして全責任を負うプレッシャーの中で生活をしている。家族背景など、より(市谷の)人間性を演じることができてありがたかった」と深く役柄を掘り下げられたことに感謝。津田は「原作をもともと読んでいたので、『おうっ……、大滝って……!』となりました」とオファー時の率直な驚きを振り返り、「かなり重要な役なので、一瞬緊張をして。でもすごくうれしいなと、楽しくやらせていただこうと思いました」とシリーズ参戦に胸を熱くしていた。
プロデューサーも兼任する大沢は、「前作を超えるのがテーマ」と告白。本作で描かれるのは「原作ファンの方からすると、一番大事なブロック。勝負どころだと思っている。プロジェクトとしてもこのブロックを必ず喜んでいただかないと、次も続かないだろうと心を込めて作った。できるすべてを込めた」と並々ならぬ思いで挑んだという。「かわぐち先生にも観ていただき、『完璧以上に完璧だった』というお言葉をいただいた。生みの親でもある先生にも喜んでいただいた」と原作者からの賛辞を紹介しながら、「日本だけではなく、世界でも受け入れられることを目指してやってきました。海江田は、主人公のようで主人公ではない。いろいろな人たちに影響を与え、同時に観ていただく皆さんになにかを伝えようとしている人物なんだと改めて感じています」と海江田四郎という存在から放たれるメッセージまで“体感”してほしいと願い、大きな拍手に包まれながら大阪プレミアイベントは幕を閉じた。
イベント後、上戸は「皆さんが、すごい笑顔で手を振ってくれたのでうれしかったです」と歓喜し、津田は「『やまと』を模した船をよく作ってくれたなと。(紙吹雪の)雪も降らしてくれて、とてもうれしかったです」としみじみ。大沢も「大阪の方はすごく熱狂的で、本当にいい時間でした」と感無量の面持ちを見せた。


