ADVERTISEMENT

新海誠監督、後悔あったアニメ『秒速5センチメートル』実写版に涙「期待して観て」

実写版製作陣に感謝したアニメーション監督の新海誠
実写版製作陣に感謝したアニメーション監督の新海誠

 アニメーション監督の新海誠が17日、都内で行われた実写映画『秒速5センチメートル』(10月10日公開)の完成披露試写会舞台あいさつにサプライズ登壇し、本作への思いを語った。この日は、松村北斗高畑充希森七菜青木柚木竜麻生上田悠斗白山乃愛宮崎あおい(※崎=たつさき)、吉岡秀隆奥山由之監督も出席した。

【画像】実写映画『秒速5センチメートル』フォトギャラリー

 本作は、小学校卒業と同時に離ればなれになった、惹かれ合う男女の時間と距離による変化を描き、センチメンタリズムが凝縮された“新海ワールド”の原点との呼び声が高いアニメーションを、『アット・ザ・ベンチ』などの奥山監督が実写映画化。主人公・遠野貴樹(松村)の18年間にわたる人生の旅を、小中学生・高校生・社会人時代の3つの短編アニメで描いた全63分の作品を、約2時間の長編映画に仕上げた。

ADVERTISEMENT

 新海監督は、キャストや奥山監督が、原作や撮影エピソードを語り合った後に登壇。「皆さん、原作にとても気を遣っていただいて、(MCも)『不朽の名作』みたいに言ってくださって。でも、大した作品じゃないんです。20年くらい前、アニメの作り方もよくわからないまま、アパートの一室でスタッフと見よう見まねで作った作品で、こんなものでよかったんだろうか……という後悔がずっとあったんです。そんな自分の心残りみたいなものがぎゅっと詰まった、でも愛おしい映画でした」と告白。

 実写化の話が来たときは「これでいいんですか? とすごく不安で申し訳ない気持ちになったんです。他に素晴らしい原作があるんじゃないか……と思いました」とも打ち明けるが、「脚本を読んで、キャストの方に会って、試写を拝見したら、あまりにも素晴らしくて。原作者が出しゃばるのはよくないなと思ったんですけど、皆さんにお礼だけお伝えしたくてお邪魔しました。本当に素晴らしい映画をどうもありがとうございました」と深々と頭を下げた。

 試写会では「よくわからない涙が出た」そうで、「当時のつらかった制作のこと思い出して泣いているのか、当時の(アニメ)映画にもしかしたら含まれていたかもしれない、いくつかの要素をものすごく広げてくれた(実写映画の)物語の強さみたいなものに泣いているのか、もう過ぎ去ってしまった2000年代という日本が持っていた可能性みたいなものに泣いているのか……。でも、奥山組の映画に自分が原作者なのに泣かされてしまったという、経験したことのない感動でした」と話し、「皆さん、期待して観ていただいていいと思います」と観客に呼びかけた。

 また、当時は貴樹やヒロイン・篠原明里がどういうキャラクターなのかわからないままアニメを制作していたという新海監督は「北斗くんと(明里役の)高畑さんに『こういう人です』と教えていただいたような、ようやく(貴樹たちと)知り合えたような気がしました」とも明かし、終始満足そうな表情を見せていた。(錦怜那)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT