【ネタバレ】「エイリアン:アース」最終話ラストの狙い 続編はディズニーの返事待ち「2シーズンでは足りない」

『エイリアン』初のドラマシリーズ「エイリアン:アース」最終話(第8話)「本当の怪物」の配信開始にあわせて、監督・脚本・ショーランナーを務めるノア・ホーリーがリモートインタビューに応じ、最終話で描かれた衝撃展開の狙いやシーズン2の可能性について語った。(以下、最終話のネタバレを含みます)
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映画『エイリアン』 (1979)1作目で描かれた出来事の2年前となる2120年の地球を舞台に、人間の意思を移植されたハイブリッドの主人公・ウェンディ(シドニー・チャンドラー)が、最恐の地球外生命体の恐怖と向き合うさまを描いてきた本作。最終話では、人間に“支配される”側だったウェンディら「ロスト・ボーイズ」のハイブリッドが反旗を翻し、人間を“支配する”側に回るどんでん返しが待ち受けていた。
最終話の脚本を執筆したノアは、「最終3話(第6話~第8話)はロスト・ボーイズたちが自分の力を自覚し、大人たちの方が恐れるべき存在かもしれないと気づく過程です」と説明。「ロスト・ボーイズを再び檻の中に封じ込めることはできない。だからこそ、次に何が起こるのか。今回のエンディングは『一つの章が終わった』ことを示すものです」と最終話はシーズンを一区切りさせつつ、次なる章への可能性を感じさせる展開にしたかったと明かす。
ゼノモーフを意のままに操るウェンディは、創造主であるカヴァリエ(サミュエル・ブレンキン)やマジノ号の惨劇から生き残ったモロー (バボー・シーセイ)ら人間たちを
檻の中に閉じ込めた。ラストシーンでは、ロスト・ボーイズを従えたウェンディが収監された人間たちに向けて「私たちが支配者よ」と宣言する。
ノアによると、ラストシーンには「観客を『弱者を応援する』立場に立たせたかった」という狙いがあったという。同時に、収監された側と同じ人間である視聴者は、ウェンディの行動に不安を抱くことになった。「最後に(ウェンディの兄)ハーミットが『これは本当に良いことなのか?』と疑念を抱く姿を見せます。ロスト・ボーイズが主導権を握る姿は応援したくなる一方で、『彼らは起こり得る結末を考えていないのでは?』という不安も残ります。子供は、結果を先に考えるとは限らないですから。だからこそ、ラストはアンダードッグが勝利したという高揚感と同時に、視聴者に『次はどうなる?』という不安を抱かせるスリリングな構成にしています」
「エイリアン:アース」はかねてよりシリーズ化が構想されており、最終話は多くの謎を残したまま幕を閉じた。「結末こそが物語に意味を与えるのです」と語るノアは、「物語の終わりを知らなければ、その物語が何を意味するかも分かりません。ただ、その結末に至るまでに何シーズンかかるかは、まだ分かりません。2シーズンでは足りないと思っています」と複数シーズンの制作に意欲を見せている。
気になるシーズン2は「脚本はまだ存在しません」と構想段階にあるそうで、「ディズニーが『続きを作ってほしい』と返してくれるのを待っている段階です」と正式なGOサインは出ていないそうだ。
シーズン2が更新されれば、ゼノモーフと並ぶ脅威となった目玉型エイリアン(T.オセルス)のその後も描かれることだろう。生物の眼球に寄生し、寄生主をコントロールしてしまうオセルスは、最終話で技術者アーサー(デヴィッド・リズダール)の遺体を乗っ取ってしまった。ノアは、オセルスの目的について言及は避けたものの、「『有能な人は必ず頭角を現わす』という言葉が存在するように、簡単には終わらないと思ってください。アーサーが(オセルスの)恒久的な宿主か一時的なものかは別として、この生命体は必ず次に進む道を見つけるはずです。視聴者のみなさんは、“生き返った”アーサーがこの先どうなるのか、気にかけておくべきです」と予告していた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
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