高岡早紀、横浜流星から劇中の「ババア」呼び謝罪も「台本以上に言っていると思います(笑)」

現在放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)のトークショーin中央区が、銀座ブロッサムホールにて開催され、横浜流星演じる蔦屋重三郎の母・つよ役の高岡早紀が出席。劇中、テンポの良い蔦重とのやりとりの裏話を明かして会場を盛り上げた。
大河ドラマ第64作「べらぼう」は、江戸時代中期、吉原の貸本屋から身を興して書籍の編集・出版業を開始し、のちに江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜)の生涯を描いた物語。
応募総数約3,000人のなか、3.5倍という倍率を潜り抜けて参加した「べらぼう」ファンが待ち受けるなか、鮮やかな紫色の着物姿で登場した高岡は「蔦重役の横浜流星くんが大好きな色の紫なんですよ」と笑うと、会場からは大きな拍手が巻き起こる。
高岡が演じるのは、蔦重が7歳のときに離縁し、蔦重を置いて去っていった実の母親・つよ。つよはある日突然、蔦重のもとに戻ってきて、スッと懐に入っていくような如才ないところがある。礼儀正しく女性に優しい蔦重が唯一「ババア」と悪態をつくような関係だ。
高岡は、中盤までのダイジェストをじっくりと鑑賞すると「蔦重の壮絶な少年期、青年期に胸が詰まる思いですね」とつぶやくと「まあ私のせいなんですけれどね」と発言して会場を笑わせる。
高岡は、7月6日放送・第26回「三人の女」からの登場となったが「現場がだいぶ温まっているなか、どう入ろうかなという緊張感や恐怖感がありました」と振り返ると、蔦重から乱暴に追い出されそうになる登場シーンに「もともとこの役をいただくとき『どんな母親像ですか?』と聞いたら『とにかく人たらしです』と何度も言われて。蔦重も十分人たらしなので、やっぱりお母さんなんだなと腑に落ちたんです」と語る。
このシーンがクランクインとなり、横浜とも初対面。そんななか、つよが後ろ姿から登場したことに、高岡は「台本読んだときは、後ろ姿だとは思っていなかったので『顔が映らないんだ』と思ったのを覚えています」と感想を述べる。それでも「蔦重がつよを見つけた瞬間の顔で、二人の関係性が決まった。彼が『お母さんに会いたかった』という気持ちがすごく伝わってきて、私も母親(の気持ち)に入り込めたんです。とても重要なシーンでした」と回顧した。
つよの起用理由について、制作統括の藤並英樹チーフ・プロデューサーが「横浜流星さん演じる蔦重の母親である美しさ、人たらし感を表現できるのは誰かと考えたとき、(脚本の)森下(佳子)さんと私の意見が一致しました」とコメントを寄せると、高岡は「この仕事をしている人は、どこかしら人たらし感があると思いますよ」と照れくさそう。
蔦重が「ババア」とつよに言うシーンも二人の関係を物語っているが、高岡は「こんなにババア、くそババアって言われる役は初めてです。プライベートで息子にも言われたことがない」と笑うと「もちろん台本にも書いてあるんです。でも台本以上に(横浜は)ババアって言っていると思います」と断言。
その横浜からは「横浜流星としては『ババア』というのは心苦しかったのですが、蔦重としては容赦なく言わせてもらいました。カットが掛かるたびにいつも『酷い』と言われていました。申し訳ないなと思いつつ、その姿がとてもチャーミングでした」とのコメントが。高岡は「きっと私にババアというのが楽しいんだと思います」と笑っていた。(磯部正和)


