妻夫木聡&佐藤浩市、日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」原作者も納得の起用

12日に初回放送を迎える日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(TBS系・毎週日曜よる9時~※初回15分拡大)の加藤章一プロデューサーが、主人公・栗須栄治を演じる妻夫木聡と、彼が夢を追い求めるきっかけとなる、重要な役どころを担う佐藤浩市について、撮影現場での様子や二人の意外な関係性などを明かした。
【場面写真】目黒蓮は謎の役柄…日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」
「笑うマトリョーシカ」などの作家・早見和真の同名小説を映像化した本作は、競馬の世界を舞台に、ひたすら夢を追い続けた熱き大人たちが、家族や仲間たちとの絆で奇跡を起こす20年間を描く物語。大手税理士法人に勤める主人公・栗須栄治(妻夫木)は、あることをきっかけに税理士としての挫折を味わい、希望を見出せなくなる。そんな彼の人生を大きく変えるきっかけを生む馬主・山王耕造を佐藤が熱演する。
加藤プロデューサーは、妻夫木と本作で初めてタッグを組むことに触れ「この企画を立ち上げて、原作では(栗須は)ストーリーテラー的な役割だが、ドラマではもっといろんなバランスを取りながらも、ストーリーを引っ張ってもいかないといけない役だと思いました。誰にお願いするか、とても難しいなと考えていた時に、妻夫木さんのお芝居が合うんじゃないかと思ったんです」と起用の経緯を振り返る。
原作者の早見も妻夫木を推薦したといい、「原作の許可をいただく時に早見さんにお話ししたら、早見さんと妻夫木さんは以前の作品で交流があり、『妻夫木さんはどうですかね』と早見先生にも言ってもらえました。早見さんと意見が合致したのは、非常に良かった」と笑顔で話す。
現場での妻夫木について、加藤プロデューサーは「クランクインの時に台本が半分くらい出来上がっていたんですけど、妻夫木さんはほとんど内容が頭に入っていた。ご自身のお芝居だけでなく広い目で作品を見て頂いている」とその座長ぶりに信頼を寄せる。
その妻夫木演じる栗須が、時に対立しながらも惹かれていく山王(佐藤)については「非常に難しい役」と述べ、「山王のような、昭和っぽいおじさんは今、とても生きづらくなっている。とっつきにくさもあるけれど、情に厚いところもある。そういう人をどなたにやってもらうかとなった時に、スマートでかっこいい佐藤浩市さんであれば説得力があって、視聴者に魅力を感じてもらえる登場人物になるのではと思いました」と佐藤の起用経緯を明かす。
佐藤と妻夫木は、年齢が離れていながらも、プライベートでは兄弟のように仲がいいこという。「その関係が劇中の栗須と山王の関係に非常によく作用していると思うんです。クランクインで二人並んで調教を見ているシーンを撮った時に、何気ない会話をしている二人を見て、思った通りだと感激しました」と加藤プロデューサーは手応えを口にした。
二人が馬に慣れていることも作品に良い影響を与えていると述べ、「妻夫木さんと佐藤さんは時代劇を含め、馬にとても慣れている。佐藤さんは機嫌が悪い馬に、自分から近づいて行って、慣らしてしまう。怖がらないんです。妻夫木さんもそうです。一回なかなかうまく乗れない時に馬を洗うのを手伝ったらうまくいったことがあるという話を聞かせてくれました」と牧場での二人のやりとりを嬉しそうに紹介する。
第1話では違った人生を歩んできた栗須と山王が出会い、少しずつ惹かれ合う過程が、二人の迫真の演技で描かれる。妻夫木と佐藤だからこそ生まれる空気感が今後も注目を浴びそうだ。(取材・文:名鹿祥史)


