『死霊館』ヴェラ・ファーミガ、ロレイン・ウォーレンとの永遠の絆 最終章で別れも「いつも私と共にある」

映画『死霊館』シリーズ最終章『死霊館 最後の儀式』が10月17日に日本公開される。心霊研究家ウォーレン夫妻の実体験に基づく本作で、約12年にわたってロレイン・ウォーレンを演じてきたヴェラ・ファーミガが、キャラクターとの別れ、生前のロレイン婦人との交流を振り返りながら、最終章について公式インタビューで語った。
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映画『ソウ』『アクアマン』シリーズなどで知られるヒットメーカー、ジェームズ・ワンが2013年に生み出した『死霊館』シリーズ。以来、パトリック・ウィルソン演じるエド・ウォーレンと、ヴェラが演じるロレインは数々の超常現象と対峙し、呪いの起源に迫るスピンオフシリーズまで誕生。12年にわたってユニバースを拡大させてきた。
そのフィナーレを飾る『死霊館 最後の儀式』で描かれるのは、夫妻にとって最後の調査となった事件。ロレイン役との別れについて、ヴェラは「ロレインのことを恋しく思うでしょう。でも、例えこれで彼女を演じるのが最後になるとしても、その存在はいつも私と共にあると思っています」と語る。
マイケル・チャベス監督がメガホンを取った本作では、ウォーレン夫妻の娘ジュディが物語の中心に据えられる。邪悪な存在に狙われた彼女のために、二人はかつてない脅威に立ち向かうことになるのだが、ヴェラは「ジュディはすっかり20代の大人になって独立しています。一方で、ウォーレン夫妻はこれまでの戦いですっかり疲れ果てている。過去の事件がロレインの精神とエドの身体に深刻な負担を与えていて、二人とも『燃え尽きたトースト』のような状態なんです」と明かす。
「『アナベル』シリーズでも示されてきたように、ロレインの最優先事項はジュディを守ることでした。『死霊館 最後の儀式』では、ロレインの霊的な感受性を娘が受け継ぐというテーマを探求しているんです。ロレインにとって、それは母親としてだけではなく、その力の重みと負担を理解する人間としても大きな懸念になっています」
そのうえでヴェラは、本作がロレインにとって、最も大きな使命を描いた作品になると語る。「ロレインはたくさんの邪悪なものを見て、触れて、戦ってきた。その深淵を知っているからこそ、ジュディにもそれが及ぶのではないかと恐れています。『死霊館』シリーズを通して、ロレインとジュディの関係を演じるのはとても興味深い体験でした。彼女は霊能力者である前に、ジュディの母親。この映画では『子供を守る』という行為が、ロレインにとって霊的な使命となるんです」
「観客の皆さんは、この映画に何を期待するべきなのかわかっているでしょう。驚き、叫び、椅子の端に座ることになると思います。でも、おそらく予想していない、“感情のジェットコースター”にも乗ることになります。息をのみ、悲鳴をあげるだけではなく、今回は(涙をふくために)ティッシュを手に取ることになるかもしれません。正直に言えば、今作は最も胸が痛む作品になると思っています。皆さんが涙で水分をかなり失うことになるでしょうから(笑)。それくらい、深く突き刺さる物語になっています」
そうシリーズの思いを語るヴェラは、モデルとなった実在の心霊研究家ロレイン・ウォーレンさんとも交流があった。ロレインさんについて、ヴェラは「短い時間だったけれど、パトリックも私も、ロレインととても親しくなりました。彼女はいつも愛と優雅さを放っていて、私にとって“目に見えない力”というか、小さな守護者のような存在でした」と振り返る。
ロレインさんは2019年に亡くなったが、その後も彼女の存在を感じているという。「もちろん彼女のことが恋しいですが、その存在は今も強く、彼女を思い浮かべるだけで感じることができるんです。この旅路の間、彼女はずっとそばにいてくれた。最初の2作までは肉体を持って、そして最後の2作でも霊としてそばにいてくれたと思っています」(編集部・入倉功一)


