木村拓哉、『武士の一分』以来の山田組に感慨「豊かさを教えてくれる現場」

木村拓哉が20日、丸の内ピカデリーで行われた映画『TOKYOタクシー』完成披露舞台あいさつに、主演を務める倍賞千恵子をはじめとする出演陣、迫田孝也、優香、中島瑠菜、山田洋次監督と共に出席し、19年ぶりとなった山田組での撮影を振り返った。
【画像】木村拓哉、久々の山田組を振り返る『TOKYOタクシー』完成披露
山田洋次監督の91本目となる本作は、クリスチャン・カリオン監督作『パリタクシー』を原作にしたドラマ。東京の柴又から神奈川の葉山へ向かう85歳の女性・高野すみれ(倍賞)と、彼女を乗せたタクシー運転手の宇佐美浩二(木村)が心を通わせていく姿を描く。
この日は、初めて観客に作品を観てもらった後の登壇。木村は「ものすごいアクションや事件が起こるわけでもなく、本当に、そばで起こっているような空気を感じていただけたのかなと思います」と誰にでもある、日常を描いた作品であることを特徴にあげると「皆さんご自身も、色々なことを体験してこられたと思いますし、これから体験していくこともあると思いますけど、本当に愛してくださっている自分の周りの方たちへの愛情の確認だったり、愛してくれていることに対する感謝だったり、逆に愛すことが幸せだと感じていただける作品になっていると思います」と映画に込めた思いを語る。
木村にとって、2006年の『武士の一分(いちぶん)』以来、約19年ぶりの山田組。木村は「監督という立ち位置にいてくださるのはもちろんなのですが、それだけではない豊かさを教えてくださる現場。各部署、セクションともに人の気持ちがすごく乗っかった、やっていて嬉しくなる現場なんです」と山田組への感想を述べると、実に山田組70作品目という倍賞は「私にとって、山田組は学校のような存在。でも、演じたりお芝居を教えてくれる学校ではなく、人間としてどう生きていくかを、作品を通じて考えさせられる現場です」と倍賞ならではの言葉で語っていた。
山田監督は「(木村が演じる)運転手さんは、一生懸命暮らしながらも、ローンが残っているなど、暮らしが豊かではない。いまの日本の大部分を占めている人だと思います。そういう人たちが本当に幸せになるような国であってほしいという気持ちを込めて映画を作りました」と語ると「もし気に入ってくださったら、周囲の人に『ぜひ観てごらん』とお伝えになってくれたら嬉しいです」と客席に呼びかけていた。(磯部正和)
映画『TOKYOタクシー』は11月21日より全国公開


