【ネタバレ】「相棒」まさかの講談で解決 人間国宝をめぐる事件に衝撃展開

人気刑事ドラマ「相棒 season24」(テレビ朝日系・毎週水曜よる9時~)の第2話拡大スペシャル「死して償え~白骨は語る!右京の奇策」が、22日に放送された。人間国宝の講談師にまつわる死刑囚の冤罪事件に挑んだ特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)の活躍と、意外な真実と衝撃の展開が描かれ、「まさに『講釈師、見てきたような嘘を言い』って話だったな」「権力の裏側の怖い話だった…」「右京さんの裁きは相変わらず苛烈ですね」「英雄は英雄を知るというけど狂戦士は狂戦士を知るみたいなお話だったと」と種々の感想が行きかっている。(以下、第2話の内容に触れています)
右京が瀧澤青竜(片岡鶴太郎)の屋敷で発見した人骨について、京竜(=右京)の兄弟子だった呉竜(青柳尊哉)が「洗いざらいしゃべる」と言い出した。青竜らが公演がてら家族旅行に出ていた際に、忍び込んできた強盗ともみあって自分が殺してしまい、怖くなって庭に埋めたのだという。正当防衛だから破門にしなかった、身内をかくまっても罪にならないと、青竜や妻・美沙子(阿知波悟美)、娘・青蘭(しゅはまはるみ)は悪びれない。
呉竜の自白に疑いを持つ右京は、薫いわく「えげつな(い)」作戦で彼をオンライン賭博の罪で逮捕した。呉竜は、白骨は強盗ではなく蔵に住み着いていた物乞いだったと白状するが、青竜の息子・乙彦(前田峻輔)を殺したとして死刑判決を受けている田埜井肇(菅原卓磨)の事件との関りについては否定、乙彦と家族は円満だったと証言した。
一方、検事総長・臥龍岡詩子(余貴美子)は、白骨死体の発見によって田埜井の再審請求の可能性が見えてきたと、右京に確認していた。だが彼女は同時に、田埜井の死刑執行の書類決済を進めている……。
かつての内弟子・光竜(中林大樹)から、実は乙彦は外面はいいものの内弟子いじめの常習者で、かなりのドラ息子だったことを聞き出した右京と薫。物乞いを殺したのが乙彦だった可能性を青竜らにぶつけるも、彼らは否定する。一件を案じた右京は、呉竜にとあるディスクを手渡した。それは、右京が「元瀧澤京竜」として、寄席で講談調に田埜井の事件の顛末を語っているもの。母屋に忍び込んだ物乞いを殺してしまった乙彦が、罪の意識にさいなまれて自死をしたという内容だった。
乙彦事件の痕跡を調べるためと、捜査一課の伊丹(川原和久)らの指揮のもと、鑑識が屋敷内に入った。青竜らは庭に出され、「実は自殺となりゃ、目ん玉飛び出る新展開だよな」などと語り合う。右京と薫はそれを収音マイクで拾っていた。「こんなペテン連中に話してやることはない。黙秘だよ」とキレ気味の美沙子を、右京は「こざかしいことを言うんじゃありませんよ!」と一喝。青竜は、当初田埜井の犯行を疑わなかったが、乙彦の日記によってその自死を知ったこと、保身のために田埜井の件には目をつぶり続けたと吐露した。
青竜が隠し持っていた乙彦の日記を、再審請求の証拠として詩子に差し出す右京。死刑制度に反対していた詩子は「無実の人間が処刑されたことにみんな恐れおののく。事の重大さにようやく気付く」「(世界の潮流に反して死刑賛成派が多い)日本人には、荒療治が必要」という理由で、田埜井の刑を執行しようとしていた。だが、社美彌子(仲間由紀恵)の尽力で、間一髪のところで執行命令は破棄された。薫は詩子を「あなたのしたことは一種のテロです。わかってますか!」と糾弾。会見を開いて辞職するという詩子を、右京は「テロリストの犯行声明に等しい」と止め、静かな退場をうながした。
青竜はマスコミに「みなさんにお話があります」と語りかける。再審請求の希望が見えてホッとする田埜井とその妻のジャーナリスト・野々宮恵子(細川直美)。ジャーナリスト仲間の美和子(鈴木砂羽)は記事にできないことを惜しがるが、どこか安堵の表情だ。右京と薫も、いつもの特命係の朝を迎えていた。
何といってもこの回の見どころは、右京の講談風の語り口。事件の真相を新作講談として語る右京の名調子ぶりに、「右京さんの推理が講談仕立て!」「これが劇団特命係の真骨頂か…」「右京さんノリノリwww」「エンジンかかりまくり杉下右京」「右京さん、講談までやれるなんてほんとに多芸だな。このDVD、米沢(守・六角精児)さんに送ってあげてほしい」とネットは大盛り上がり。「すげえ引き込まれるな。さすが」「主演が水谷豊だからできたことすぎる」「素晴らしかったなぁ」と、水谷の芸達者ぶりにも絶賛の嵐だ。乙彦を表現した「内弁慶の肝っ玉はビー玉サイズ」という言葉のセレクトも話題だった。
光竜から事情を聞く際の右京と薫の役割分担も見事。薫が「国家権力なめるとえらい目あうぞ」「杉下警部にため口なんて」と強面を演じ、右京が「怖い刑事は追い出しましたので、どうぞ、リラックスしてください」と話を聞き出す芝居がかった仕草は笑いを誘った。
また、しょっぱなで伊丹は、作務衣姿からさっそうとスーツ姿になって登場した右京に「これはこれは、お色直しでしたか」と嫌味っぽく突っ込むも、鑑識を屋敷に引き入れて「警部どの、守備は?」と右京に確認、すぐに引きあげさせるという形でさりげなく特命係に協力。それは第1話で語っていた彼の信条に添う行動だろう。
さらに今回は角田課長(山西惇)が、組織変更で薬物銃器対策課が刑事部になったことで「命令系統に属してる」と、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)にごり押しされるところも楽しい。「捜査状況をマスコミから知らされるのは我慢ならんのだよ」という内村の言葉に即して、「今日から俺が、臨時特命課長として、今回の捜査の陣頭指揮をとる」と角田は宣言。右京の「おやおや」に、「何がおやおやだ、こっちがおやおやだ」と応えている。「特命暇課長w」「警視庁の組織変更を教えてくれるドラマ」とSNSも盛り上がっていた。
また、ふだんは「暇か?」と特命係に呼びかける角田が、怒る美沙子に「暇か」と吐き捨てられ、タジタジになっているのは珍しい展開。小料理屋「こてまり」で、小手鞠(森口瑤子)が豪華な舟盛りを出したのも新鮮な構図だった。
次回第3話はなんと、加藤清史郎演じる高田創が3度目の登場! しかもサブタイトルが「警察官B」。戸籍がなかった創が警察官になるという感動的な展開を見せた「警察官A」はseason23の初回だったが、次回予告の「相棒が見つからなくて」という意味深な彼の言葉の意味するものは何なのだろうか。「そうか 刑事になったか。よかった良かった」と彼の成長を喜ぶ声も挙がっている。(文・早川あゆみ)


