残虐ホラー『テリファー』裸で逆さ吊りにされた女優、製作サイドを提訴

残虐ホラー映画『テリファー』(2016)に出演した女優キャサリン・コーコランが、出演契約の違反や性描写に関する規律違反を理由に、製作サイドを提訴した。The Hollywood Reporter が報じている。
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キャサリンは、考えうるなかで最悪の方法で人々に死をもたらす殺人ピエロ「アート・ザ・クラウン」の犠牲者役として出演。劇中では、裸のまま逆さ吊りにされた状態で、アート・ザ・クラウンにノコギリで真っ二つに解体されてしまうショッキングなシーンが描かれた。
訴訟内容によると、キャサリンは当時、フランチャイズの興行収入・イベント・グッズ販売等で生じる利益の1パーセントを受け取るバックエンド契約を結んだという。ところが、2022年の続編『テリファー 終わらない惨劇』公開後、彼女の実際に支払われたのは1パーセントにも満たない約8,300ドルで、監督のデイミアン・レオーネやプロデューサーのフィル・ファルコーネに問いただしても「記録は残っていない」とあしらわれたという。
さらにキャサリンは、撮影で全裸になることを事前に知らされておらず、ヌードシーンには事前の書面同意が必要という映画俳優組合(SAG)のルールに違反していると主張。逆さ吊りの状態での撮影はトータルで10時間に及んだといい、過酷な労働によって脳腫脹や鼓膜損傷の診断を受けたとも証言している。
キャサリンは訴状にて「この事件は、低予算映画のプロデューサーが、若手女優を詐欺、セクシャルハラスメント、最終的には裏切りによって利用するということを示しています」と述べており、弁護士も「もし彼女がこの作品にリスクを負って参加し、報酬をバックエンドで受け取ることに同意していなければ、このシリーズは成立しなかったと思います。極限まで低予算で制作できたのは、彼女の協力があってこそです」と主張。一方、レオーネ監督の弁護士は「デイミアンとフィルは訴状の主張を否定しており、全力で法廷で争う予定です」と声明を発表している。(藤田良太)


