福田雄一監督、長い体調不良から奇跡的に回復 ムロツヨシ&山田孝之の言葉に感謝「一人で泣きました」

映画『新解釈・幕末伝』の完成披露舞台あいさつが27日、東京・TFTホールで開催され、ムロツヨシ、佐藤二朗、広瀬アリス、松山ケンイチ、勝地涼、倉悠貴、小手伸也、渡部篤郎、山田孝之、福田雄一監督が登壇。福田監督は自ら体調不良だったことを明かし、その際に、ムロや山田からかけられた言葉によって復活したことを明かしていた。
本作は、『新解釈・三國志』シリーズなどの福田雄一が監督を務める歴史コメディー。江戸時代末期、土佐の坂本龍馬(ムロ)と薩摩の西郷隆盛(佐藤)が日本の未来を変えるために立ち上がり、260年続いた江戸幕府の終えんと新しい日本の夜明けが訪れようとしていた……。
福田組の風神・雷神と呼ばれていたムロと佐藤が主演を務める本作。ムロは「この日がやっと来たなという思いでございます」としみじみ語ると「この企画の言い出しっぺなんです」と明かし、コロナ禍の自粛期間にやりたいリストを作り「福田作品で看板を背負う側になる」と掲げたという。自粛期間が明け、ムロが企画を持って行くと、福田監督から「二朗さんとやってみたら」と提案され、映画が動いていった。
ムロと共に主演を担う佐藤は「福田とムロと僕というのは、全然プライベートでは会わないんです」と語ると「福田雄一とは、16年間で二人で飯を食いに行ったのは1回だけ。だからムロくんから『二朗さん、お話しがあります』とメールが来たとき『珍しいな』と思ったんです」と振り返る。そのなかで、佐藤は「脚本を読んで、いわゆるいつもの福田雄一作品における佐藤二朗は封印しようと思ったんです。とてつもない葛藤を抱えた西郷をちゃんとやりたいと思った」と胸の内を明かす。
そんな熱い思いを持ったムロと佐藤のもとには、福田組常連である山田をはじめ、豪華メンバーが揃い、ポップかつ重厚な作品が完成。そんななか、福田監督は最後に「一言だけ話をしたいことがあって。僕はコメディー作家だから今後この話をすることはないと思う」と切り出すと、実は長い間体調を崩しており、最悪な状況のときがあったという。
そのとき、自宅を訪れた山田とムロが「福田さんが元気になるためだったら、僕たちは何でもします。何かできることはありますか」という言葉を告げたという。その言葉を振り返った福田監督は「情けなくて、嬉しくて……。それから先もしばらく回復しなかったのですが、この映画に入る半年ぐらい前に奇跡的に回復して、台本を書いたんです」と明かす。
それから撮影が始まり、中打ち上げの際に山田とムロが「福田さんとこうして楽しくご飯をまた食べられると思っていなかったから本当に嬉しい」と言ってくれたことを福田監督が明かすと「その時ホテルで、一人で泣いたんです。二人が『何でもします』と言ってくれたことが心に刺さってフルスロットルな僕に戻れたんです」と熱い思いと感謝を述べていた。(磯部正和)
映画『新解釈・幕末伝』 は2025年12月19日より全国公開


