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タランティーノ監督、『ハンガー・ゲーム』は『バトル・ロワイアル』のパクリと糾弾

クエンティン・タランティーノ監督
クエンティン・タランティーノ監督 - 写真:ロイター/アフロ

 クエンティン・タランティーノ監督がポッドキャスト番組「The Bret Easton Ellis」に出演し、自身の“21世紀の映画ベスト20”を発表する中で『ハンガー・ゲーム』は『バトル・ロワイアル』のパクリだと痛烈に非難した。

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 『バトル・ロワイアル』(2000)は、近未来の日本を舞台に、全国の中学3年生から無作為に選ばれた1クラスを最後の一人になるまで殺し合わせる世紀教育改革法の対象となった中学生たちの戦いを描くバイオレンスアクション。『仁義なき戦い』シリーズの深作欣二監督が、1999年に刊行された高見広春の同名小説を実写化した。

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 一方、『ハンガー・ゲーム』(2012)は、独裁国家と化した近未来のアメリカを舞台に、12歳から18歳までの少年少女24人が一人になるまで殺し合うサバイバルゲーム“ハンガー・ゲーム”を描いたアクション。2008年に刊行されたスーザン・コリンズのヤングアダルト小説を基にしている。映画はこれまで5作が公開される大人気シリーズとなっており、来年にも新作の公開が控えている。

 この2作の類似性はこれまでもよく指摘されてきたが、『バトル・ロワイアル』を自身のベスト映画第11位に選んだタランティーノ監督は今回あらためて「どうしてあの日本人作家がスーザン・コリンズを訴えなかったのか、理解できない。あれはただのパクリだ!」と糾弾。「バカな書評家は『バトル・ロワイアル』という日本映画なんて観に行かないから、彼女を非難することもなかった。奴らは、これは今まで読んだ中で最も独創的な本だと言っていたよ。映画批評家は『ハンガー・ゲーム』を観てすぐ、『何てこった! これはPG指定なことを除けば、『バトル・ロワイアル』まんまじゃないか!』と言っていたがね」とまくし立てた。

 深作監督と親交があり、『キル・ビル』(2003)の撮影準備で当時日本にいたタランティーノ監督は、『バトル・ロワイアル』を関係者試写で鑑賞して衝撃を受けたのだという。それから3か月後、シアトル映画祭で『バトル・ロワイアル』がアメリカ初上映される際にも駆け付けたといい、まだ何が待ち受けているかを知らない大勢の観客と観たその深夜の上映は、「最もエキサイティングな上映の一つだった」と振り返っていた。

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 なお、スーザン・コリンズは2011年の The New York Times のインタビューで、「バトル・ロワイアル」からの影響を否定。「この本を提出するまで、その本も著者も聞いたことがなかった。提出した時に、知らされたの。それで編集者に『その本を読んだ方がいい?』と聞いたら、『いや、その世界を君の頭の中に入れたくない。ただ、君が今やっていることを続けてくれ』と言われた」と語っていた。(編集部・市川遥)

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