プロダンサーが見た竹内涼真&町田啓太、社交ダンスの裏側

井上佐藤の人気漫画を竹内涼真と町田啓太のダブル主演で実写化するNetflix映画『10DANCE(テンダンス)』(12月18日配信)。本作で社交ダンスに挑んでキャストを支えたプロダンサー、西尾浩一・下田藍(スタンダード)、高木隆・高嶋聖美(ラテン)が、撮影の裏側を語った。併せて新たな場面写真、メイキング写真が公開された。
本作は、“しんや”という同じ名を持つ二人の男のダンスに懸ける情熱と苦悩を描いた同名漫画を、『るろうに剣心』シリーズや『宝島』などの大友啓史監督が実写化。競技ダンス漫画の先駆け的作品でもあり、「このBLがやばい!2019」を受賞するなど甘く刺激的な男性同士の愛が描かれる。ラテンダンス日本チャンピオンで世界に通用する実力を持ちながらも、ある理由から国内の大会にこだわる主人公・鈴木信也(すずきしんや)を竹内が、スタンダード(ボールルームダンス)日本チャンピオンで世界2位の記録を持つもう一人の主人公・杉木信也(すぎきしんや)を町田が演じる。鈴木のダンスパートナーで情熱的な田嶋アキ役に土居志央梨、杉木のダンスパートナーで気品のある矢上房子役に石井杏奈。
竹内、町田らが“10ダンス”に挑むのは過酷だったといい、本作の社交ダンス監修も担う下田は「『肉体も精神も極限まで追い詰められる、実はゴージャスなトライアスロン』というセリフにもあるように、1曲1分半として10種目、映画では男女逆もあるので20種目と言ってもいい。それを俳優さんは数ヵ月で撮影に臨まなければならなくて……」と振り返る。
ヨーロッパとラテンアメリカそれぞれにルーツを持つスタンダード(ボールルーム)とラテンダンス2種を横断する挑戦は、キャストのみならず講師陣にも大きなプレッシャーを与えた。しかし「俳優だから魅せられるダンスが必ずある」という思いを込めた大友監督の“アクターズダンス”という言葉に背中を押され、講師陣たちは長期にわたる本格的なレッスンに挑んだ。
下田は「俳優のみなさんが練習に入る時期はそれぞれ違いましたが、基礎練習と姿勢や強化練習から始めていただいて、みなさん約半年から1年ほどかけて練習をされました」といい、杉木を演じた町田の挑戦はとりわけハードだったという。「なかでも町田さんは、ブラックプールの帝王と呼ばれるダンスを披露しなくてはならないですし、漫画でも特徴的に描かれている“帝王ホールド”を魅せる必要があったので大変だったと思います。しかも「グラスハート」や大河の撮影を終えてから(他の方より少し遅れて)の参加ということも少し心配でしたが、町田さんもみなさんも日頃からジムに通われていて体力作りはされていたので助かりました。撮影1ヶ月前から撮影中は、ほぼ毎日数時間レッスンしました」
杉木のパートナー・矢上を演じた石井について、西尾は「パートナー役をする石井さんは、ご自身のダンスの美しさを作るのと同時に、「フォロワーはリーダーの延長線を完結させる」というボールルーム独特の性質を理解し、町田さん(杉木)がしっかりと帝王と見えるようにというイメージを常に持ちながら準備しておりました」とその理解力と表現力の高さを称賛する。
一方、ダンス未経験から挑んだ竹内について高木は「4人のなかで竹内さんはダンス経験がなかったのですが、サッカーをやっていたそうで運動神経は抜群、体幹がありましたね。とても努力家です。基礎練をしていると撮影スタッフが「いつから踊るんですか?」と心配するほど、地道に基礎練習を続けていました。それが功を奏して、撮影で踊るすべてのステップに対して時間をかけずに当てはめられるようになって」と、未経験ながらも基礎の積み上げによって短期間で実践レベルへ到達した努力を称えた。
鈴木のパートナー・田嶋を演じた土居については、高木は「土居さんに関しては、幼い頃からバレエをやっていたこともあり、ずば抜けていました」、高嶋は「土居さんのバナナレッグと言われるアーチ状の脚の形はラテンダンサーなら誰もが欲しがる脚で。ブラックプールでの撮影に参加していた外国人ダンサー達からも褒められていましたね」と類まれな才能をいかんなく発揮し、圧倒的な存在感を放っていたと明かす。
竹内&土居、町田&石井、それぞれのカップルが切磋琢磨し、劇中さながらのライバル意識が出てきたことも功を奏したという本作。場面写真、そして初公開となるメイキングカットからも、そんな彼ら4人の本気度と気迫が伝わってくる。(石川友里恵)
Netflix映画『10DANCE』は12月18日より世界独占配信


