『ズートピア2』新エリア、テーマパーク設計者が担当していた!

ディズニー・アニメーション映画『ズートピア2』(公開中)に登場する新エリアの設計には、実際のテーマパーク設計者が参加していたことが明らかになった。
今回新たに登場するエリアの中でも注目なのが、半水生の動物たちが多く暮らす「マーシュ・マーケット」。ズートピアには存在しないはず爬虫類が隠れ住んでいると噂されているエリアだ。
アート・ディレクターを務めたリメイ・フシーは、監督のジャレド・ブッシュとプロダクション・デザイナーのコーリー・ロフティスからこのマーシュ・マーケットについて「ウォーター・パークだと思って考えてみてほしい」というリクエストを受け、「本当にワクワクしました」と振り返る。なぜなら、フシーはもともとアニメーション映画の美術ではなく、リアルなテーマパークの設計をやっていたからだ。
「あそこはものすごい喧噪に包まれたエリアで、しかも海洋動物たちが暮らす場所として成立させながら、楽しいところにもしなければいけません。滑り台や傾斜やチューブがたくさんあって、トドのような生物が楽に動けるような住処をライアン・ラングがデザインしました。コーリーと一緒に仕事をするのは最高です。彼はいつも楽しいアイデアを出してくれますし、彼の描くアートワークは画像として美しいだけでなく、多くのユーモアがしっかりと込められているのです」
フシーは、ヘビのゲイリーを追いかけてジュディとニックが飛び込む赤いチューブの誕生秘話も明かす。「私たちはまず、このウォーター・チューブは半水生動物たちが移動するための地下鉄網みたいなものだ、という発想から始めました。ジャレドが書いたこのシーンは、ジュディとニックがゲイリーを追ってズートピアの反対側まで行くというものだったので、私たちはレイアウト・チームやその他の部門と話し合いながら、クレイジーなジェットコースターをデザインしました。次に環境チームがカメラの動きにディテールを加えました。この場面を独創的に描くため設計されたカメラの動きです」
ちなみに、ジャレド・ブッシュ監督もテーマパークと関わりがある人物で、ウォルト・ディズニー・イマジニアリング(ディズニーのテーマパークの設計、開発、アトラクションの企画などを担当する会社)のさまざまなプロジェクトに執筆やアドバイスで参加している。それらの中には、上海ディズニー・リゾートの『ズートピア』をテーマにしたランドや、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのアニマルキングダムで今後展開される『ズートピア』や『ミラベルと魔法だらけの家』をテーマにしたアトラクションも含まれている。テーマパークのようにエリアごとにしっかりと世界観が確立しているズートピアの街と、そこにちりばめられたアトラクションのような仕掛けの数々が、本作のあふれんばかりの楽しさの源のようだ。(編集部・市川遥)


