山路和弘、ジェイソン・ステイサムを見守り20年以上 キャリアを支える盟友たちの存在

世界を代表するアクションスター、ジェイソン・ステイサムの主演最新作『ワーキングマン』(全国公開中)。本作でステイサムの声を担当するのは、“フィックス”として絶大な信頼を誇る俳優・山路和弘だ。ブレイクから20年以上にわたりステイサムの進化を見守ってきた山路が、最新作を語る中で見せたのは、仕事に対する謙虚な姿勢と仲間の存在の大切さだった。
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ステイサムが本作で挑むのは、現場監督として働く元特殊部隊員レヴォン・ケイド。妻を失った悲しみを抱えながら、一人娘のためにまっとうな仕事につき、平和な暮らしを送っていたケイドが、恩人である雇い主の娘が人身売買組織にさらわれたことから、暴力の世界に舞い戻り、悪人たちに鉄槌を下す。
ブレイク当時からステイサムの声を担当してきた山路。「『スナッチ』とかの頃でしたかね。当時のステイサムはイギリス俳優っぽい、ロングコートが似合うスッとした印象の俳優さんで、余計なことをしない佇まいに好感を持ったのを覚えています。まさか不動のアクションスターになるなんて想像もつかなかったし、こんな長い付き合いになるとも思っていなかったですね」と語る。
「アクションスターの方ってアクというかクセが強い部分があったりするんですが、ステイサムにはそうじゃない感覚があります。やっぱり余計なことをしない。それでいてしっかりと存在感があるっていう。そこが、僕がジェイソン・ステイサムっていう役者を好きな理由ですね」
今やステイサムとの付き合いは20年以上にわたり、収録も一体になったかのようにスムーズに進んでいく。ファンにとっても、ステイサムの声といえば山路以外に考えられない存在になったが、本人にはいつ自覚が芽生えたのだろうか。
「それは『トランスポーター』のころですね。シリーズが重なっていくごとに『スナッチ』の頃はわかっていなかった彼の魅力がわかってきた。“こんな才能を開花させたのか。こいつはすごいやつだ”となってより注目するようになり、仕事も継続していただくなかで、どんどん近しい存在になっていきました」
俳優として50年近いキャリアを誇る山路も、舞台から始まり、映画、ドラマ、そして声優とあらゆる分野でその才能を開花させてきた。しかし山路自身は「積み重ねてきた」という感覚は持っていないという。
「いつかインタビューで“20代の自分が今を見たら、どう思いますか”って聞かれた時に、“殺してやりたいです”って答えたことがあるんです(笑)。お前はこんなもんしかできないのかって。だから矛先を一つに定めず、その場その場でいろんなことやっている方がいいなと思ってやってきただけなんです。積み重ねてきたという感覚はないんじゃないですかね。YouTubeなんかは、言われたままやってるだけなのでまた違うんですけど(笑)」
「でもこうして長くやってると、ステイサムもそうだし、声を担当した俳優さんたちがどんどん偉大な存在になっていくんです。(韓国俳優の)ソン・ガンホさんも『シュリ』(1999)で初めて担当した時は普通の役者さんという印象だったんですが『大統領の理髪師』(2005)のころに“越えられちゃったな”っていう感覚を覚えました。そういう意味では、やはり彼らの成長を見守っている感覚はあります。ステイサムも(収録中に)演技を見ていて、魅せられて思わずぼーっと見てしまう時がありますから(笑)」
そんな本作は、『エクスペンダブルズ』シリーズでステイサムとタッグを組む、シルヴェスター・スタローンが脚本を手掛けている点も注目ポイントだ。「スタローンからは、もうお墨付きをもらったようなもんですもんね」という山路にとっても、共に歩む仲間の存在がキャリアを支える柱となっている。
「この年になってくると、師匠のような存在の方々が亡くなっていくので寂しさがあります。ただ、兄のような存在でいうと、文学座時代からの役者さんたち。小林勝也さんなんて兄のように思っていますし、大塚芳忠なんかもね、同年の兄弟のように感じています。そういう人たちの存在は大きいです。そうやって、自分が好きになれる人が周りにいてくれるってのは、すごくホッとしますよね」
昨年1月3日に公開された『ビーキーパー』に続いて、日本の正月を彩るステイサム映画。「これからは、神社巡りだけじゃなく、ステイサムの顔を見るというのも正月の習慣に入れていかなきゃなって僕自身も決意しました」と笑う山路は「でも本当に、皆さんにぜひ正月は劇場でステイサムをみんなで観てほしいですね。それが来年、再来年と続いてくれたらいいなと思うので、ぜひよろしくお願いします」と呼び掛けた。(編集部・入倉功一)
映画『ワーキングマン』は2026年1月2日より全国公開中


