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『シビル・ウォー』『ウォーフェア』監督、引退報道を否定 実写版『エルデンリング』で再始動へ

『ウォーフェア 戦地最前線』の公開が控えているアレックス・ガーランド監督
『ウォーフェア 戦地最前線』の公開が控えているアレックス・ガーランド監督 - (C) 2025 Real Time Situation LLC. All Rights Reserved.

 日本でも大ヒットした映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のアレックス・ガーランド監督が、新作映画『ウォーフェア 戦地最前線』(2026年1月16日全国公開)のプロモーションのためリモートインタビューに応じ、2022年に報じられた監督引退報道を否定した。

【動画】イラク戦争のリアルを極限再現…『ウォーフェア 戦地最前線』本予告編

 ガーランド監督は2022年、米The New York Times にて監督業から引退し、脚本執筆に専念することを示唆していた。2024年の The Guardian でのインタビューでも引退発言を撤回せず、『ウォーフェア 戦地最前線』が最後の監督作品になるのではと噂されていた。

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 しかし、ガーランド監督は今年5月、人気ゲーム「ELDEN RING」(エルデンリング)の実写映画版で監督・脚本を務めることが発表された。人気作家ジョージ・R・R・マーティンが世界観を構築したアクションRPGで、実写版では株式会社バンダイナムコエンターテインメントと米映画スタジオ・A24がタッグを組む。

 「ELDEN RING」の監督就任を受けて、ガーランド監督に改めて引退報道の真相を尋ねてみると「正直に言うと、あれはインターネット上で生じる“誤解”の一つです。実際は『監督を辞める』という意味ではなく、『小休止する』という話でした」と引退は拡大解釈だったと告白した。

 「『シビル・ウォー』を撮り終えて、監督業を一度休もうと思いました。その間、僕がやったのは、他の監督のために脚本を書くことでした。1本は、ダニー・ボイル監督の『28年後…』。もう1本は、ニア・ダコスタが監督する続編(『28年後… 白骨の神殿』)です。その後、『ウォーフェア』を製作しましたが、厳密には単独での監督ではなく、(レイ・メンドーサとの)共同監督です。つまり『シビル・ウォー』以降、完全に単独で監督した映画は1本も作っていないんです。そういう意味では、『ELDEN RING』は再び自分ひとりで監督する最初のプロジェクトになります」

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最新作『ウォーフェア 戦地最前線』より - (C) 2025 Real Time Situation LLC. All Rights Reserved.

 ガーランド監督が『シビル・ウォー』の次に選んだ『ウォーフェア 戦地最前線』は、米軍特殊部隊の経歴を持つメンドーサを共同監督の実体験に基づき、2003年にぼっ発したイラク戦争でのとある任務を極限まで再現した作品。戦地で響く爆発音から銃撃音まで、徹底的にこだわったというガーランド監督は、Dolby Cinema などのラージフォーマットでの鑑賞を推奨している。

 「上質な音響システムが備わっている映画館であれば、どんな形式でも観る意味のある作品だと思います。この映画はさまざまな点で非常に“異質”です。音楽は一切なく、聞こえてくるのは、可能な限り正確に再現された戦闘音だけです。実際に機関銃の近くに立ち、それが発砲されたら、ものすごく大きな音がしますし、空気の過圧が頬を叩くように感じることさえあります。優れた音響システムを備えたスクリーンであれば、戦闘音の体験をよりリアルに感じ取ることができる。この映画は、観客を魅せるための映画的技法をあえて使わない“アンチ映画”でもあるのです」

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 2025年も残りわずか。ガーランド監督に今年観た映画で印象的な作品を聞いてみると、ライアン・ジョンソン監督が手がけた人気ミステリーシリーズ第3弾『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』を挙げた。同作を「非常に娯楽性の高い映画」と評したガーランド監督は、「それに加えて二つの重要な要素がある。一つは、非常に知的であること。もう一つは、非常に美しく、巧みに作られていることです」と語り、「純粋な技量という意味では、ライアンは間違いなく現代で最も優れた映画作家の一人です」とジョンソン監督の手腕を絶賛した。

 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が賛否両論を巻き起こしたジョンソン監督には、一部の過激なアンチからバッシングが相次いだ。ガーランド監督は「『スター・ウォーズ』は賛否の激しい作品で、ネットでは論争ばかりだが、あんなものは全部、インターネットのくだらない雑音です。私はそういうものは読まないし、聞かない。ただ、映画作りそのものだけを切り離して見る」とコメントし、「映画の世界では、こういうことはよくあります。ジョン・ヒューズ、ピーター・ウィアー、アラン・パーカーのように、『巨匠』として扱われない偉大な監督がいる。ライアンも同じです。私は彼の映画を観るたびに、『どうやってこの企画を思いついたんだ? どうやって映像化したんだ?』と考えてしまう。なぜ人は、ライアンをもっと称賛しないのか。彼は本当に優れた映画作家だ。私の言いたいことは、それだけです」とジョンソン監督を擁護していた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

映画『ウォーフェア 戦地最前線』2026年1月16日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

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