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道枝駿佑、音楽の力は偉大 初の単独映画主演で再認識「僕らの歌も前を向く励みに」

初の映画単独主演を務めた道枝駿佑 - 写真:中村嘉昭
初の映画単独主演を務めた道枝駿佑 - 写真:中村嘉昭

 なにわ男子道枝駿佑が、初の映画単独主演を務めた『君が最後に遺した歌』。2022年に大きな感動を巻き起こした『今夜、世界からこの恋が消えても』(以降『セカコイ』)の三木孝浩監督、亀田誠治(音楽プロデュース)、一条岬(原作)が再集結し、詩作が密かな趣味の主人公と文字の読み書きが難しいヒロインの10年にわたる物語をつづった。主人公・水嶋春人(みずしま・はると)を演じた道枝が、歌でつながる愛の物語について語った。

【撮り下ろし写真】道枝駿佑、大人の色気…

本当に愛のある2人

(C) 2026『君が最後に遺した歌』製作委員会

 4年前の『セカコイ』に引き続き、三木監督とタッグを組んだ今作。道枝は「2作連続で三木監督とご一緒できるのは、すごく光栄です。プレッシャーもありましたが、気負わず、少しでも成長した姿を見せられたらいいなと思いながら臨ませていただきました」と声を弾ませた。

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 そんな彼が、絶大な信頼を寄せる三木監督のもとで演じたのは、親代わりの祖父母を大切しながらも、どこか自分の人生をあきらめているような平凡な高校生・水嶋春人。道枝は「すごく繊細で真面目で、でも包容力のある人だと思います」とキャラクター像を紹介する。

 物語は、春人の高校時代から始まる。詩を書くことを密かな趣味にしていた春人は、ある日突然、同級生の遠坂綾音(とおさか・あやね/生見愛瑠)から、自分の曲に詩をつけてほしいと半ば強引に頼まれる。綾音は「発達性ディスレクシア」という文字の認識が難しい症状を抱えていたが、人を惹きつける歌と作曲の才能を持っていた。“歌を作る”時間を共にすることで、2人はだんだんと惹かれ合っていく。

 「何もなかった春人の唯一の拠り所だった詩を認めてくれて、初めて必要としてくれたのが綾音でした。彼女のおかげで春人は、どんどん自分の可能性が広がっていくのを感じられたんだと思います。自分の詩を素敵な歌声で届けてくれる綾音に対して愛が芽生えるのは、必然だったのかもしません」と道枝は2人の軌跡を解説。高校の旧図書館にある元文芸部の部室で、2人だけの秘密の暗号のような記号を使って楽曲を作り、気持ちをはぐくんでいく姿は美しく尊い。

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 だが、それもずっとは続かない。「綾音の活躍が広がっていくのは、春人としては少し嫉妬もあるけど、心の底からすごく嬉しい。だからこそ春人は、彼女を突き放すんです。綾音を傷つけることはわかっていても、それが彼女にとって最適なことで、そのほうが彼女が広い世界に羽ばたいていけるから。自分の気持ちを押し殺してまでそうするところに、春人の愛と優しさが出ているなと思います」

 「2人とも、すごく不器用で一途なんです。これでよかったんだって、春人は自分を無理やりに納得させていますし、綾音もショックは受けますけどわかっている。お互いに思いあっていて、本当に愛のある2人だなと思います」と真摯に語る道枝。その愛の先に何が待っているのかも、ぜひ劇場で確かめてほしい。

その時感じたことを大事に

(C) 2026『君が最後に遺した歌』製作委員会

 今作は、音楽が大きな意味を持つ。道枝は三木監督から「音楽のような芝居をしてほしい」とリクエストされた。ただ、詳しく言葉で話しあったわけではない。「その時に感じたものを大事にしていけば、人間味も出るのかなと思いました。感じたことに素直でいるというのかな。そのうえで、詩のようにゆったり流れる感じを心掛けました」という。そして「作りこみすぎず、普通でいることを大事にしました」とも。道枝は、少々引っ込み思案な高校時代から、綾音との愛を経て社会人となり、立場も感情も変化していく春人にしっかりと向き合い、丁寧に演じている。年代によって佇まいやまとう雰囲気がまったく違って見えるのは、“役者・道枝駿佑”の力量だろう。

 具体的には「高校時代は少年らしくピュアに、落ち着きがない感じ。自然と動きがクイックになりました」と話す。大人になるにつれて、声の質を低めにして落ち着きを意識したが、「これまであまり自分より年上の役を演じる機会がなかったので、観る方にも年齢による違いを楽しんでいただけたらいいなと思っています」とアピールした。「三木監督も『大人のシーンは声を低めに』とおっしゃっていて、同じだと安心しました」

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 初共演の生見については、「バラエティーで拝見していて、明るい方だと思っていたのですが、お会いしたら僕より人見知りかなと思うくらいで(笑)。最初の本読みの時は、ぜんぜん目が合いませんでした」と意外なエピソードを告白。徐々にコミュニケーションを重ね、ともに春人と綾音を作り上げていった。

 生見は歌もギターも初心者。約1年半のレッスンを重ね、“才能あふれるアーティスト”になった彼女に、道枝も刺激を受けていた。「すごく練習されて、大変だったと伺いました。でも完璧に綾音で、とてもそんなふうには見えなかったです。少し上からの言い方になってしまいますが『よくここまで持ってきたなぁ』と感動しました。僕も頑張らないとって思えました」

 全編が感動的ではあるが、特に心が動くのは、人気者になった綾音の地元凱旋ライブのシーンだろう。春人はそこで、彼女の大切な曲を聞く。「三木監督が、僕の初めて聞く時の感情を大切にしようと、本番まで僕が一切聞かないようにしてくださいました」。本番の撮影で初めて聞き、感情が溢れた芝居は自然に出来たという。道枝は「三木監督のご厚意がすごくありがたかったです」と感謝をささげた。

 さらに道枝が印象的だったと話すのは、高校時代、2人が曲作りに励む聖域のような部室のシーン。「完成品を観ていただければわかりますが、左右に黒板と本棚がある中、入り口から正面にソファがあって、そこが綾音の定位置なんです。彼女が座ると、後ろの窓から光が入って、とてもミステリアスだけどすごく儚く見える。春人がぐっと惹かれたところの1つだったと思います」

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音楽の力を感じました

写真:中村嘉昭

 周知のように、道枝はなにわ男子として音楽活動をしている。この映画を経験したことで「音楽の力は偉大だなと思いました」とその力を再認識したようだ。「2人が惹かれ合ったのも音楽だし、音楽があったからこそ遺したものがある。音楽は日常的に触れやすいものだからこそ、人の人生を変えるくらい大きなものだなと感じました」としみじみ。「僕らの歌も、ファンの方々の人生に寄り添えて、前を向く励みになっていたらいいなと思います」と微笑み、「人生の一部に、と言ったら大げさかもしれないけど」と照れたような表情で語った。

 自身の成長も感じていた。『セカコイ』後の4年間に経験を積んだことで「自分では、表現できる感情の幅が広がったと思っています。それを今回、三木監督にお見せすることができました」と喜ぶ。今作での芝居で、それはさらに広がったと感じており「どれだけ感情を上げたら涙が出るんだろう、ここまでいける、というのが分かった気がします。それはすごい今回の学びだなと思います」と分析。さらに深めるためには「もうひたすら経験するしかないです。頑張ります」と決意を新たにしている。

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 今後の活動も「もちろんお芝居はやりたいです!」と意欲的だ。どんな現場でも経験したいと言いつつ、「また三木監督とご一緒できたらいいですよね」とも明かす。「三木監督は、『静と動でいえば静の役が多かったから、動のキャラクターも面白いんじゃない?』って言ってくださっていて。僕もチャレンジしてみたいです。楽しみにしています」と前向きだ。彼が、彼自身の中に着実に積み上げているものは確かにある。春人とはまた違った、別の輝きを放つ道枝が見られる日も、きっとそう遠くない。(取材・文:早川あゆみ)

映画『君が最後に遺した歌』は3月20日(金・祝)全国公開

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