ライアン・ゴズリング、パペットの相棒相手にアドリブ『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を支えたロッキーの存在

『オデッセイ』の原作者アンディ・ウィアーのベストセラーを実写化した映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(公開中)で、主人公のグレースを演じたライアン・ゴズリング。片道切符のミッションに挑むグレースが、宇宙の果てで出会った“相棒”と絆を育む場面のリアリティあふれる演技は、実在のパペットを相手にしたことで実現したという。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、滅亡の危機が迫る地球の運命をかけた、“イチかバチか(ヘイル・メアリー)”プロジェクトを託された中学の科学教師グレース(ライアン)が、同じく故郷を救うために旅をする生命体ロッキーと出会い、共に命をかけて互いの故郷を救うミッションに挑む物語。『オデッセイ』も手掛けたドリュー・ゴダードが脚本を、『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズなどに携わってきたフィル・ロードとクリストファー・ミラーが監督を務める。
グレースが宇宙の果てで出会う、もう一人の主人公が、小さくて勇敢な異星人のロッキーだ。岩のような見た目に蜘蛛のような手足をもつロッキーは、ブロードウェイでも活躍するパペティアを中心に、チーム5人が動かすパペットで表現されており、撮影中はライアンと共にカメラの前に立った。フィル・ロード監督は、ロッキーのキャラクターを完成させたのは、ライアンの演技だと語る。
「パペットのロッキーが実際に撮影現場にいたことで、ライアンの熱のこもった演技を引き出すことができました。同時にライアンのアドリブも増えて、グレースとロッキーが絆を育んでいくシーンのリアリティが増しましたし、ロッキーをより生き生きしたキャラクターとして見せることができました」
姿かたちはもちろん、言語や習慣、文化、価値観など、あらゆるものが違う二人が、“科学”を共通言語に友情を育む本作。彼らが“相棒”になっていく様を追うシーンの多くも、ライアンがパペットのロッキーと共にアドリブで演じたという。
撮影を振り返ったライアンは「僕たちはいろんなシーンをアドリブで演じていました。本当にたくさんのことを一緒にしていて、映画の『ロッキー』も観たし、カラオケで歌って、踊って、科学の議論もたくさんしました。ボクシングを教えたり、僕たちの惑星の言葉のアクセントを教えたりもしました」と証言する。
特に、撮影現場でパペットのロッキーと初対面した日のことは印象に残っているそうで、「何か月も一人でカメラの前にいたので、ロッキーのパートに入って仲間ができたことに本当にほっとしました。映画の中で描かれている物語と同じように、僕自身もロッキーが加わったことで安心したんです」と、グレースが宇宙で感じていた孤独と絶望、“誰か”と会えた喜びまで、撮影時の心境がシンクロしていたことを明かしている。
ロード監督は「この方法で撮影するのは非常に複雑なので、反対意見もありました」と告白。しかし、ライアンとロッキー、双方の表現を高めた相乗効果に「ロッキーをパペットにしたことは非常に意味がありました。二人がカメラの前に揃っていることで、アドリブが飛び出して自然体なシーンが増えたり、いろいろな場面で好循環を生んでいたんです」と狙い通りの仕上がりになったことに自信を見せている。


