2028年大河ドラマ「ジョン万」タイトルの意味は?

2028年大河ドラマ制作・主演発表会見が9日、NHK放送センターで行われ、山崎賢人(※崎=たつさき)主演によりジョン万次郎の生涯を描く「ジョン万」を制作することが発表された。配布された資料の中で、制作統括の家冨未央がタイトルに言及している。
大河ドラマ第67作となる本作は、19世紀の日米と太平洋を舞台に、ジョン万次郎こと中濱万次郎(なかはま・まんじろう)を主人公にしたストーリー。歴史に名が残るはずなどなかった貧しき漁師が漂流の悲劇のすえ、救出されてアメリカに渡り、やがて日本を救う“知と技”を得た一流の船乗りとなる。山崎にとって大河ドラマ出演は初。脚本を、大河ドラマ「平清盛」(2012)や連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(2021~2022)などの藤本有紀が務める。
制作統括の家冨は、資料内で主人公・ジョン万次郎について「「自分は今、どこにいるのか」。漂流した時から、万次郎さんはその問いに常に向き合ってきたのではないでしょうか。地球で最も広い海の上を、どこにいるかわからない鯨を追いながら、3年近くも航海して港に帰るのは驚異的な技術です。名もなき庶民が途方もない努力の末に「位置を知る」技を得て、迷わずに大海を進んでいける感覚に出会った…私はそこに壮大なロマンを感じました」とコメント。
また、謎多きその生涯について「万次郎さんは、過去に多くの人によって、小説やテレビ、歌舞伎で描かれてきましたが、一般的なイメージは、「名前が不思議な人」「英語が話せる人」にとどまり、謎に包まれたものかもしれません。そして、あれだけ歴史的な現場や偉人たちのそばに居た可能性があるのに、残る彼の言葉は控えめです。漁師の出の身分では言葉を残せなかった。あるいは残すと命が危なかったのかもしれません。一方で、万次郎さんは「数字」を書き残しています。細かく書かれた数字の羅列や計算。「自分は今、どこにいるのか」を残した航海の足跡なのではと思われます。私には、それは彼が生き抜いた証しにも思えました」と思いを巡らせる。
タイトルの「ジョン万」について、「英語名の「ジョン」、日本語名の「万」の、二つの名前を一つに込めた大河ドラマ「ジョン万」」と明かし、「日米をまたぐ人生の荒波を生き抜いた万次郎さんを、脚本家の藤本有紀さんが描き、俳優の山崎賢人さんが演じてくださることは「最高の冒険だ」とワクワクしています。見てくださる全ての世代の方の胸を熱くさせるようなドラマを、誰かの人生の「羅針盤」になるようなドラマを、心を込めて届けたいと思います」と意気込みを語っている。(石川友里恵)
物語
1840年、ぜい弱な日本の船が、おびただしい数の漂流者を生み出していた頃。土佐の貧しい少年だった万次郎は、母と離れ、先輩漁師と初めての遠洋漁へ出る。それは彼の運命を変える旅の始まりだったーー。
生きるか死ぬかの格闘の末に、万次郎たちはアメリカの捕鯨船「ジョン・ハウランド号」に救出される。初めて触れる英語、荒々しい異国の船乗りたち。富を生む捕鯨の仕事。万次郎は好奇心を膨らませる。鎖国の国に万が一帰れたとしても死罪かもしれない。ならば、生きて、もっと何かを知りたい。そうして、ホイットフィールド船長の誘いを受けて、アメリカへ単身渡る決意をする。
産業革命真っただ中のアメリカ。船長の支援で学校に通い、友情に、恋に、青春を駆け抜ける万次郎。人種差別に遭いながらも、腕があれば認められる世界を知っていく。そして彼は、皆が認める船乗りへーー。
しかし、次第に耳に入る日本の悪評。自分が生きている意味は何かを考え、万次郎は再び決意する。「帰ろう」。母に再会するために、自分の人生をひらいた“知と技”を日本に伝えるために。いつか船長に恩を返すと心に決めて、万次郎は荒波だらけの人生の冒険を突き進んで行く。


