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ロック様、伝説の格闘家の次はニワトリが親友の老人役 『スマッシング・マシーン』監督と挑む新境地

画像は『スマッシング・マシーン』より
画像は『スマッシング・マシーン』より - (C) 2025 Real Hero Rights LLC

 日本で“霊長類ヒト科最強”と謳われた伝説の格闘家マーク・ケアーの知られざる実話を、気鋭のスタジオ・A24が映画化した『スマッシング・マシーン』。自ら映画化権の獲得に動き主演&プロデューサーを兼任した“ロック様”ことドウェイン・ジョンソンと、本作で長編単独監督デビューを飾ったベニー・サフディ監督がインタビューに応じ、クリエイターとして切磋琢磨する二人の関係性、サフディ監督の“師”である鬼才クリストファー・ノーラン監督とのエピソード、二人が再タッグを組む次回作について語った。

【動画インタビュー】ドウェイン・ジョンソン、日本での撮影を回顧

 総合格闘技が隆盛を極めた1990年代後半から2000年代前半。無敵の強さを誇り、“霊長類ヒト科最強”の異名で恐れられたマーク・ケアーの栄光の裏には、勝利への重圧と依存症にもがき苦しんだ知られざる真実が隠されていた。ドウェインは、これまで数多くの映画で体現してきた“無敵のヒーロー像”を封印し、栄光から転落する男の生き様を繊細に表現している。

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「今がその時だ」節目の年に挑んだマーク・ケアー役

「この役に挑戦したい」念願だったマーク・ケアー役 - (C) 2025 Real Hero Rights LLC

Q:これまで屈強なキャラクターを多数演じてきたジョンソンさんが、挫折を経験し、極限まで追い詰められた役に挑んだことに衝撃を受けました。スクリーンデビュー25周年の節目で、マーク・ケアー役に挑みたいと思った理由は何だったのでしょうか?

ドウェイン・ジョンソン(以降、ドウェイン):「今がその時だ」と感じたんです。人生には、直感に従わなければならない瞬間があります。導きの光といいますか、無意識のうちに、心の奥底から何かが湧き上がってくる感覚。『スマッシング・マシーン』がまさにその感覚でした。

 ベニーと私が最初に『スマッシング・マシーン』について話したのは、2018年ごろだったと記憶しています。出演契約後、しばらくしてコロナ禍で製作が滞りましたが、ようやく映画を完成させることができました。私の中には「この役に挑戦したい」という渇望があったんです。これまで出演してきてきた映画は、どのジャンルも楽しく取り組んできました。しかし、自分自身が「安定」してしまうことを強く警戒するようになったんです。少しでも「慣れてきた」と感じると、自分を追い込み、未知の領域へ足を踏み入れたくなる。今回の題材は、自分を深く掘り下げ、さらけ出す絶好の機会でした。そのためには、この題材を信じ、強固なビジョンを持つ映画監督が必要でした。それがベニーだったのです。重要なのは、彼が私のことを一人の人間として理解してくれたこと、そして「お前ならできる」と信じてくれたこと。それらが重なり、この映画が誕生したのです。

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ベニー・サフディ監督(以降、サフディ監督):ドウェインがそう言ってくれて嬉しいです。彼に会った時、「これはとんでもない作品になる」と確信しました。それまでは、HBOで製作されたドキュメンタリー映画のスクリーンショットを眺めながら、ドウェインの持つ繊細さや美しさが重なることを想像していました。彼が「PRIDE」の舞台に立つ姿が目に浮かび上がった。自分が初めて単独で監督するなら、これしかないと思っていました。私はマーク・ケアーに共感し、ドウェインにも共感した。お互いを知れば知るほど、なぜ惹かれ合うのかが分かってきたんです。

血肉となったクリストファー・ノーランの監督術

撮影現場でのドウェイン&サフディ監督 - (C) 2025 Real Hero Rights LLC

Q:サフディ監督は本作に着手する直前、クリストファー・ノーラン監督がてがけた映画『オッペンハイマー』(2023)に出演されています。同作も実在の人物をモデルにキャラクターを構築しています。『スマッシング・マシーン』に取り組むにあたって、ノーラン監督の演出やアプローチからヒントを得たりしたのでしょうか?

サフディ監督:演出面では、クリストファーの手法にとても刺激を受けました。撮影現場に行くと、クリストファーがその場で答えを探っている感覚があるんです。彼の頭の中には完璧な構図があるのですが、キャラクターや撮影現場には「動的なエネルギー」が溢れている。俳優として、特別な何かを引き出してくれる現場だと感じて、「どうすればこの魔法が起きるのか」を解明しようとしました。

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 より具体的にいうと、空間の作り方です。空間のディテールを徹底し、実在するかのように見せることで、観客にも影響を与えます。すると、観客は「これが現実だ」というマインドセットになるんです。

 クリストファーに『スマッシング・マシーン』の初期段階の映像を見せたら、作中の雰囲気やドウェインの演技にものすごく強い反応を示してくれました。「あまりに生々しく、見てはいけないものを見ているようだ」という言葉もいただいたんです。意識していない方がおかしいほど、クリストファーの影響は私の血肉になっています。

Q:ジョンソンさんはその後、ノーラン監督と直接会話する機会はありましたか?

ドウェイン:ありました。ベニーとクリストファーが対談したDGA(全米監督協会)のイベントは衝撃的でした。私は妻と劇場の隅に座って二人の対話をただ見つめていたんです。『スマッシング・マシーン』への好反応が押し寄せている時期だったので、二人がこの映画について語り、ベニーが何にインスパイアされ、クリストファーがどのショットに心を動かされたかを聞くのは最高の体験でした。クリストファーは、ベニーの演出にどれほど感銘を受けたかを説明して、「私の現場にいた俳優が、いつの間にこんな映画を撮るようになったんだ」と驚いていたのが印象的でした。

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 対談の終盤、クリストファーが「ドウェインの演技について話したい」と言ってくれたんです。私の演技に対して、これまでに聞いたことがないほど美しく、感動的な言葉を贈ってくれました。対談の後、会場の外で会話していたベニーとクリストファーの姿を見て、私は妻に「挨拶に行きたい……」とためらっていたら、彼女に「変な遠慮はやめて行きなさい!」と背中を押されたんです(笑)。二人のところへ行き、クリストファーに「あなたの言葉は、私がこれまで受け取った言葉の中で最も美しいものです」と抱きしめて伝えました。

 私とベニーは、現在新しい企画に取りかかっていますが、彼にクリストファーやポール・トーマス・アンダーソンといったメンターがいることは、コラボレーターとして非常に心強く刺激的です。私もベニーと同様に“吸収するスポンジ”でありたい。彼がメンターと会っていると「何を話したか教えてくれ!」とせがんでいます(笑)。

次回作で早くも再タッグ「ベニーとの旅路が楽しみ」

インタビューの様子 - (C) 2025 Real Hero Rights LLC

Q:お二人は次回作『リザード・ミュージック(原題) / Lizard Music』で再びタッグを組みます。ジョンソンさんは「チキンマン」という老人を演じると報じられていますね。2度目のタッグに期待することはありますか?

ドウェイン:最も楽しみにしているのは、ベニーとの旅路そのものです。彼とは数年の付き合いで、共にさまざまな試練をくぐり抜けてきた。深い信頼とインスピレーションがあります。常に刺激をもらっているし、その逆も然りです。

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 『リザード・ミュージック(原題)』は今まで読んだことも見たこともない児童向け小説が原作で、ベニーの脚色は唯一無二です。私がニワトリを親友に持つ70代の老人を演じる機会なんて、今までなかった。実在したマーク・ケアーを演じた後はシュールな“チキンマン”です。俳優&クリエイターとして、どのジャンルに分類していいか分からないような作品に出会えるのは本当に幸運なこと。『リザード・ミュージック(原題)』についてこれ以上語ることはできませんが、『E.T.』と『チャーリーとチョコレート工場』を掛け合わせた、ベニー・サフディ独特の世界観とだけ説明しておきます。

サフディ監督:「もしドウェインが70代だったら?」と想像して、彼の新たな側面を掘り下げられることに、今からワクワクしています。彼の持つユーモア、世界を見る視点はそのままに、全く新たな大冒険を描きます。“チキンマン”は間違いなく、アイコニックなキャラクターになるでしょう。

(取材・文:編集部・倉本拓弥)

映画『スマッシング・マシーン』は全国公開中

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