『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』山崎貴監督はどう観たか「けなげな者への視線が素晴らしい」

『スター・ウォーズ』が7年ぶりにスクリーンに帰ってきた。新作映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』は、伝説の賞金稼ぎマンダロリアンと強いフォースを秘めたグローグーが、帝国の復活を狙う新たな戦争を防ぐ任務に挑む冒険活劇だ。同作を手がけたジョン・ファヴロー監督とも交流があり、『スター・ウォーズ』シリーズを愛してやまない映画監督・山崎貴は、最新作をどのように受け止めたのか。映画を鑑賞した山崎監督がインタビューに応じ、クリエイターならではの視点で新作の感想を語った。
【画像】貴重な2S!山崎貴監督&メカゴジラTシャツを着たデイヴ・フィローニ
Yウイングがただ運ばれているだけでもたまらない
山崎監督は、開口一番「純粋に楽しかったです!」と満面の笑みを見せる。「エンタメとして素晴らしい出来でした。2時間、嫌なことなどを全部忘れて、めちゃくちゃ楽しめる作品です」
教義に従い、マンダロリアンと正式に親子になったグローグーは、スクリーンでも愛らしさを爆発させている。山崎監督も「グローグーが可愛すぎる!」とメロメロで、「特にグローグーは、マンドーの危機を地道な努力で助けたり、いつも以上に大活躍でした。だんだんと独り立ちしてきているといいますか、グローグーが自分の意志で動くシーンが随所に登場していました」とキャラクターの成長を実感している様子だった。
そんなグローグーたちを演出したファヴロー監督について、山崎監督は「キュートなものを撮るのが上手いですよね」とその手腕を評価する。「グローグーと(ドロイド職人の)アンゼランが一緒に行動するシーンも本当に愛らしくて、でもセンス・オブ・ワンダーに溢れていて、さまざま種族がいることをしっかり提示してくれるし、けなげな者たちへの視線が素晴らしいと思いました」
本作は、シリーズを一度も観たことがない新規層にも優しい『スター・ウォーズ』映画に仕上がっている。一方で、過去作を追ってきたファンに対しても、『スター・ウォーズ』を感じる演出やオマージュが散見される。
「『スター・ウォーズ』はいろいろな形で変化して、拡大していますよね。今作の時代設定も旧三部作のすぐ後ですから、懐かしさも感じられます。旧三部作の空気感が好きな人にはたまらない仕掛けが、たくさんありました」
「例えば、新共和国の拠点にYウイングがただ運ばれているだけでも、ファンにとってはたまらないんです。日常的に運用されてるんだという感じが、世界観を裏打ちしてくれている。『新たなる希望(エピソード4)』を観て衝撃を受けた世代の人が監督しているというのがよくわかります」
“同胞”デイヴ・フィローニの躍進から刺激
中学2年生の頃に『スター・ウォーズ』と出会い、映画の世界を目指すようになった山崎監督。巨匠ジョージ・ルーカスが生み出した唯一無二の世界観は、山崎監督のフィルムメイキングにどのような影響を与えているのか。
「『センス・オブ・ワンダー』という言葉に集約されていると思います。洗練されたもの、綺麗なものではなく、もの作りの中にほころびがあって、それが愛おしい。スタッフが一生懸命手作りで世界観を成立させようと頑張っている、ハンドクラフトの温かさは『スター・ウォーズ』から学んで、影響を受けています」
脚本・製作を務めたデイヴ・フィローニとは、2024年にルーカスフィルムで対面しており、山崎監督はその際、同社からの招待で『ゴジラ-1.0』を約300名のスタッフに上映した。
「デイヴさんは、メカゴジラがものすごく好きなんです(※山崎監督がルーカスフィルムを訪問した際もメカゴジラのTシャツを着用していた)。僕は『スター・ウォーズ』の話をしているのに、彼は延々とメカゴジラの話をしていて、話が噛み合ってないか心配でした(笑)」
そんなフィローニは今年1月、ルーカスフィルムの共同社長に就任した。ルーカスの秘蔵っ子として、アニメーションシリーズ「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」を指揮してきた彼が、『スター・ウォーズ』全体を束ねる重鎮にまで上り詰めたことは、山崎監督にも刺激になっているという。
「デイヴさんのように、マニアが出世するのを見るのは幸せなことですよね。好きなことを突き詰めていった結果、そこまで上り詰めた感じがして。すごく頑張ってきたんだろうという感じがして、とても嬉しく思いました。本作にも少しだけ出演されていて、すごく面白かったです」
山崎監督の待機作であるハリウッド映画『グランギア(原題) / Grandgear』では、『フォースの覚醒(エピソード7)』などを手がけたJ・J・エイブラムス監督とタッグを組む。『フォースの覚醒』も大好きな山崎監督は「憧れのクリエイターなので、まさか一緒に仕事ができるとは思わなかったです。我々の映画のキャプテンを務めているので、これからが楽しみです」とエイブラムス監督とのプロジェクトに期待を寄せる。「J・Jから普通にメールが送られてくるんです。アドレスチェックしていると『J・J』と書いてあって(笑)。2年前は想像もしなかった世界が、今まさに広がっていてすごく不思議な感覚です」
2027年は、ライアン・ゴズリング主演の映画『スター・ウォーズ/スターファイター(原題)』やオリジナルドラマシリーズ「スター・ウォーズ:アソーカ」シーズン2などが待機している。山崎監督は「『スター・ウォーズ』はいろいろなものを内包できて、多様性に満ちている懐の深いシリーズだと思います。これからも、新しい景色を見せてほしいです」と今後のシリーズ展開に期待を寄せると、「個人的には、そろそろ艦隊戦が見たい! (スーパー・スター・デストロイヤーのような)エグゼクター級の戦艦が出てきてほしいですよね。小規模の戦いももちろんエキサイティングですが、大規模な戦いも見てみたいです」と目を輝かせながら語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』は全国公開中


