80歳のアクション俳優・倉田保昭、サモ・ハンとの絆語る

ジャッキー・チェン、ジェット・リー、ドニー・イェンらと激闘を繰り広げた現役アクション俳優・倉田保昭(80)が30日、都内で行われた映画『夢物語 The Living Dragon』(7月17日公開)の舞台挨拶に登壇し、特別出演したサモ・ハンとの絆を感じるエピソードを披露した。
本作は、1970年代前半から数多くの香港映画に出演し、今もグローバルに活躍する“和製ドラゴン”倉田保昭のアクション俳優歴60周年記念作。倉田アクションクラブ出身で現在はアクション監督として世界的に活躍する坂本浩一(『追躡』監督)、下村勇二(『ハート・オブ・ドラゴン~龍的心~』監督)、谷垣健治(『不思議の国のドラゴン』監督)がそれぞれメガホンを取り、倉田演じる主人公が見た「夢」を起点に、過去・現在・未来を行き来しながら国境・世代・時代を超えて有機的につながるオムニバス映画となっている。
盛大な拍手で迎えられた倉田は「私も80歳になりました。私みたいな大根役者でも60年やっていると大根じゃなくなるっていう感じに見えると思うんですけど」と軽快なトークで観客の心をつかみ、「高齢者の方は『アイツがやっているんだから(自分も)できるよ』という気持ちになっていただけたらありがたいです」と願った。
サモ・ハンとは何度も共演しているが、アクションを交わすのは初共演した『七福星』(1985)以来という倉田は、「私が恐る恐るサモ・ハンさんに『こんな自主映画みたいな作品に出てくれる?』って言ったら、ストーリーがどうだとか、予算がどうだとか一切言わないで、『俺は倉田の作品に出る』。そういうことを言ってくれる人ってなかなかいない。だいたい、香港映画界でサモ・ハンに『悪いけど少し出てくれる?』と言える人、なかなかいないですからね」とオファー時のエピソードを嬉しそうに語った。
撮影はケガをすることなく無事に終えたが、倉田は「僕はもっと格好良く構えたり、ヌンチャクを練習したんですけど全然違って」と肩を落とし、「ただ殴られる、倒れる、血だらけになる。メイクなんかいらない。泥でも塗ってりゃいいよって感じ」とぶっちゃけて会場の笑いをさらう。
さらに、「60年、アクション映画しかやっていなかったから、それ以外の脳はないし、演技派に転向ってわけにもいかない。アクションができなくなるまでやるしかない」と力を込める倉田は、「ここだけの話、刀はそんなに難しくないんですよ」と暴露し、「素手が一番大変。空振りってわけにはいかないし、接近戦にならないといけない」と吐露。続けて「拳銃を使う俳優さんは、年上の方にもいらっしゃいますけど、ボディアクションはいないでしょう。80歳過ぎて動ける人は」と話し、「私がすごいと言っているわけではないんですよ(笑)」と付け加えた。
締めの挨拶で倉田は「最後なんでよろしくお願いします。82歳ぐらいになると足元もヨボヨボして(アクションは)できないかもしれないので」とアピール。「90歳でも100歳でも」とMCが現役続行を呼びかけると、倉田は「とんでもないですよ。90歳でアクションは」と苦笑い。加えて、立ったままでのトークだったことから「80歳の人に椅子もなく立たせておく舞台挨拶はあまり聞かないでしょう」と愚痴をこぼす。終始、ジョークも交えた楽しいトークに会場は笑いに包まれていた。(錦怜那)


