カンヌ女優賞・岡本多緒、日本で異例スタンディングオベーションに感動 役づくりの食事制限振り返る

俳優の岡本多緒が20日、都内で行われた映画『急に具合が悪くなる』の公開記念舞台あいさつに登壇。上映後の観客から、日本ではあまりないスタンディングオベーションで迎え入れられた岡本は、異例の光景に驚きながらも感動していた。この日は長塚京三]、黒崎煌代、濱口竜介監督も来場した。
本作は、宮野真生子と磯野真穂の著書を基に、パリ郊外の介護施設で理想のケアを探求するマリー=ルー・フォンテーヌ(ヴィルジニー・エフィラ)と、ガン治療中の日本人演出家・森崎真理(岡本)という、同じ“マリ”の名を持つ二人が出会い、友情を超える絆を結ぶ物語。
岡本は、フランスのトップ女優であるヴィルジニーと共に、第79回カンヌ国際映画祭において最優秀女優賞を共同受賞した。作品も高く評価されており、観客からスタンディングオベーションで祝福された濱口監督は「ありがとうございます」と感謝しつつ、「どうぞ皆さん、座っていただいて」と恐縮。約1分間にわたる盛大な拍手が止むと、岡本は「感動していました。ありがとうございます」と笑顔。黒崎は「日本でのスタンディングオベーションは初めての経験だったので、カンヌの時の思い出がぐっとよみがえってきて嬉しかったです。あと10分ぐらいやってくれても良かったです」と話して、会場の笑いを誘った。
撮影を振り返った岡本は「毎日が楽しい現場で、フランス語の勉強などやることは多いんですけど、しんどいなと思うことはなくて……。強いて言えば、最後、体重を絞るというリクエストが監督から来たので食事を制限しました」と役づくりのエピソードを披露。続けて、「それによって自分の身体的なものがやっと理解できたといいますか、本当に人間は少し食べないだけでエネルギーがわかないんだなとか、椅子から立ち上がるだけでも“よっこらしょ”となるんだなと体感できて有り難かった」と頭を下げる。一方で「監督が横で美味しそうなものを食べているから、えっ? と思いながらやっていました」と恨み節も。
また、岡本は「私はヴィルジニーよりも8か月くらい長く準備期間を与えていただいたんですけど、お互い、第3か国語目になるのかな? 難しい難関を一緒に乗り越えていきました」と、岡本にとってのフランス語、ヴィルジニーにとっての日本語の習得が大変だったことを思い返し、「ヴィルジニーが今日いないのが不思議で、すごい寂しいです」と共演者を恋しがっていた。(錦怜那)
映画『急に具合が悪くなる』は全国公開中


