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小林勇貴監督、5年振りの長編復帰作『THE SUGAR BABY』クランクアップ! 歌舞伎町のリアルを描く

歌舞伎町が舞台の衝撃作『THE SUGAR BABY』場面写真より
歌舞伎町が舞台の衝撃作『THE SUGAR BABY』場面写真より

 映画『孤高の遠吠』『全員死刑』などで知られる小林勇貴監督の5年振りとなる長編復帰作『THE SUGAR BABY』がクランクアップした。

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 長月翠が主演を務め、長月演じる少女に翻弄されていく男を芹澤興人が演じる。“世間を騒がせた「イタダキ女子りりちゃん」事件を直接映画化した作品ではない”という注意喚起とともに発表された本作は、男性たちから金を“イタダキ”ながら生きる少女ジュリと、その存在に心と金を奪われていく中年男性マサルを中心に展開する物語。さらに、ホストへの愛情から危うい世界へ足を踏み入れていく少女たちの姿を通して、愛情、承認欲求、依存、搾取、そして孤独な心が複雑に絡み合う現代社会の欲望の連鎖を、過激かつ寓話的に切り取る。

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 撮影は4月22日にクランクインし、横浜、御殿場、宇都宮などで行われた。物語の舞台は歌舞伎町だが、実際の歌舞伎町をそのまま映すのではなく、現代日本の欲望や孤独が噴き出す象徴的な空間として、さまざまなロケーションでゼロから作り上げていったという。監督を務める小林は、『孤高の遠吠』で注目を集め、2017年に間宮祥太朗主演の『全員死刑』で商業映画デビュー。その後もドラマ「GIVER 復讐の贈与者」「すじぼり」「スカム」などで、暴力や欲望、社会の底辺を生々しく描く作家として知られている。これまでさまざまな映画で人間の狂気を描いてきた小林監督の久しぶりの長編作品、ファーストカットとなる殺人シーンは、新宿・歌舞伎町近くの某所で撮影され、「この世の地獄を撮りましょう」という監督の一声で始まった。

 小林監督は本作について、「歌舞伎町、頂き女子事件、ロマンス詐欺、ホスト。ここ数年間、この題材と向き合い続けてきました」とコメント。一方で、特定の事件をなぞる実録映画ではないと強調し、「本作のモチーフは、ひとつの事件ではありません」と語る。ロマンス詐欺の急増、恋愛関係をめぐる傷害や殺人、SNS上で繰り返される怒りや断罪に触れながら、「日本はいま、静かな内乱状態にあるのではないか」と感じたことが出発点になったと明かした。

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 さらに小林監督は、本作を「誰かを断罪するための映画ではなく、むしろ、そこに込められた孤独や焦燥に対する、ひとつの祈りでもあります」とし、現実と誇張のあいだを揺らぎながら、時代の暗さを可視化する試みだと語っている。ジュリ役を演じる長月は、元アイドルとは思えない過激な姿を見せ、「2月末にオーディションを受けた時から、『この役は私にしかできない』と信じて、ジュリという役に向き合ってきました」とコメント。制作過程で脚本が何度も変化していくなか、自身の中にあるジュリ像も少しずつ変わっていったと振り返り、「ジュリとしてこの作品の世界に存在できたことは、私にとってかけがえのない経験です。この作品が多くの方に届くことを、心から願っています」と思いを寄せた。

 マサル役を務める芹澤は、脚本を読んだ時の印象について「読んではいけないものを読んでしまったという背徳感に近い感覚を持ちました」と述懐。演じるうえでは、自分自身の醜い部分や目を背けたくなる部分と向き合う覚悟が必要だったといい、「毎シーン演じるのは恐ろしかったですし、自分にどこまでできたのかは、まだわかりません」と語る。撮影現場については「映画と真剣に向き合える現場」と表現し、「自分にできる全てを作品に込めました」と力を込めた。

 小林監督ならではの暴力的な熱量と、現代社会の暗部を真正面からえぐる視線が注がれた『THE SUGAR BABY』。歌舞伎町のリアルを通して、誰かを愛すること、求めること、そして傷つけることの危うさを描き出す衝撃作となりそうだ。公開時期などの詳細は今後発表される予定。(文・板橋リナ)

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