「ウルトラマンテオ」岩崎碧、戦いを拒むテオに共鳴 初変身で意識した「誰かを守りたい」気持ち

7月4日放送スタートのウルトラマンシリーズ60周年記念作品「ウルトラマンテオ」で、主人公・光石イブキ/ウルトラマンテオを演じる岩崎碧(いわさき・あおい)がインタビューに応じ、故郷を失った宇宙人でありながら戦いを拒む新ヒーローの葛藤、 天文研究会メンバーとの青春群像、 圧倒されたという特撮シーンの撮影秘話をたっぷり語った。(取材・文:トヨタトモヒサ、写真:杉映貴子)
【動画インタビュー】放送直前!岩崎碧が「ウルトラマンテオ」を深掘り
ワクワクの気持ちが止まらない
ーーいよいよ放送開始ですが、作品をご覧になっての感想をお聞かせください。
まずは、特撮シーンの迫力に圧倒されました。自分が参加していた本編パートは、割と普通のドラマの現場に近い感じで撮影が進んでいて、たとえば第1話だと怪獣ヴィアロガが出現した際に「ここで怪獣を見て叫んでください」みたいな場面があるのですが、当然、ヴィアロガは現場にはいません。そこは想像を膨らませて演じていたので、お芝居と特撮が繋がったのが驚きでもあり、感動的でもありました。
それから、実際に映像で観たウルトラマンテオも全く違う印象でした。現場でウルトラマンテオとは対面していて、目のキラキラに吸い込まれそうな感覚を覚えたり、自分にとって忘れられない瞬間だったんです。それが映像を介して観たウルトラマンテオは、小さい頃に憧れていたウルトラヒーローが本当に存在するんだと思えて。とにかくワクワクが止まらなかったです。
ーー岩崎さんが演じる光石イブキはどういう人物でしょうか?
イブキは、故郷を滅ぼされて地球に逃れてきたウルトラマンですが、最初はなかなか地球人と馴染むことができないんです。それこそ自然や動物と接するほうが心穏やかでいられるというか。だけど、地球に住み暮らしている以上、人間と関わらないわけにはいきません。そんな中、ひょんなことから明心大学の天文研究会の面々と出会い、友情が育まれ、それがまた直接的な自分の力になっていく……。「ウルトラマンテオ」を通じて、そういったイブキの姿を観てもらえたら嬉しいです。
ーー演じる際にどういった部分がフックになりましたか?
やはりウルトラマンでありながらも戦いを拒むところですね。僕自身も争いごとが大嫌いで、そこは自分としても共感できるポイントだったので、イブキを演じる上ではスムーズに役に入っていくことができました。もちろん、ウルトラマンテオに変身して怪獣と戦うのですが、最初から地球を守るために怪獣を倒すぞ! みたいな感じではないんです。そこは歴代のウルトラマンとの大きな違いです。でも、ウルトラマンテオは、目の前に出現した怪獣に対して宇宙人だからこその視点で見ているところがあり、そこはイブキを演じていても魅力的な部分だと思っています。
ーー二宮崇メイン監督から役柄についての説明などはありましたか?
イブキを演じる上ではけっこう自分に委ねていただきました。割と自分が提示した芝居に対して、監督がご自分で抱いていたイメージに近しいと感じてくださったみたいで。現場では基本「いつも通りでいいよ」と言われていました。自分はまだまだキャリアが浅くて、それこそ、最初の頃は現場の雰囲気に圧倒されたり、カメラ前に立つだけ緊張してしまったりしていたのですが、二宮監督はそれを察してくださり、優しい言葉をかけていただいたり、リラックスできる時間をわざわざ設けてくださったりしました。本当に役者のことを考えて進めてくださる監督で、そういう意味でとてもやりやすい環境、そして現場でした。
ーーそういう中で、見せられるようになったイブキの一面はありますか?
イブキは宇宙人なので、地球人から見るとたまにおかしな行動をとったりするんです(笑)。本人はいたって普通だけど、傍から見ると、ちょっと面白く感じられるみたいな。そこがコメディー寄りで笑える場面として観てもらえると思うんですが、そういう際のリアクションは現場の空気に助けられたところがありました。監督自身も「どうなるか分からないよ」なんて軽いノリがあって、そういう監督の姿を見ていて、力を抜くことも大事なんだなと思いました。
天文研究会の4人とプチ怪獣プッチー
ーー天文研究会のメンバーについてはいかがですか?
撮影に入る前に顔合わせがあり、そこでみんなと初めて会いました。後でみんなから聞いた話だと、その2~3か月くらい前に出演が決まっていたんですけど、いざ一緒になったとはいえ、みんな初めてじゃないですか。僕も含めてみんなとても緊張していて、お互い何をしゃべっていいか分からなくて……(苦笑)。今ではもう信じられない感じですけど、あの控室の空気は忘れられないです。
ーーそれが変わってきたのは?
やはり日々の撮影を通じてです。撮影で毎日顔を合わせるし、休憩時間にはお昼を一緒に食べていたんですけど、一緒にいれば自ずと話をするようになりますし。特に上村侑くん(火浦リンタロウ役)が、僕らの壁を壊してくれました。僕ら5人の中では、彼が一番キャリアがあって現場慣れしているし、ノリノリで絡んでくるんです(笑)。とてもありがたかったです。
ーーほかの共演者についてもお聞かせください。
森本竜馬くん(苫米地ワタル役)は関西出身ということもあって、コミュニケーション能力がとても高いんです。僕はオーディションでも森本くんと会っていて、初顔合わせでは、みんな緊張していたけど、そんな中でも比較的、早くお話ができたのが彼でした。
ーー風間エマ役の神谷天音さん、和泉カンナ役の中田乃愛さんについては?
神谷さんは裁縫が趣味で、僕も自分で身に着けているものをリメイクしたりするので、そこで「こういうのを作ったことがあるんです」と共通の話題が生まれました。撮影期間中、神谷さんがみんなにペットボトルホルダーを作ってきてくれたのはすごく嬉しかったです。もちろん今も使っていますよ。中田さんとは一緒のシーンが多くて、そこで「僕はこういう感じでやろうと思ってるんだけど」と意見交換しながら、仲良くなっていきました。お芝居についてのやりとりは、中田さんと一番した気がしています。
ーー5人で過ごした撮影現場での楽しいエピソードがあればご披露ください。
ロケメインの回があり、その時にみんなでバーベキューをしたことです。普段、5人で大学生を演じているわけですが、この時は、本当に大学生になった気分を味わえて、僕ら5人の忘れられない思い出になりました。後はベッチと一緒にアルバイトするシーンが出てきて、森本くんとの掛け合いが自分としてはかなり楽しかったです。僕が知らなかったバイトも描かれているし、イブキとベッチの関係性も含めて、面白く観てもらえるのではないかなと思います。
ーー本作ではプチ怪獣のプッチーが天文研究会の部室に匿われている設定ですが、部員がいて、さらに怪獣がいる設定も変わっていますね。
イブキにとってプッチーはかなり大きな存在で、自分も宇宙人だし、プッチーも宇宙からの来訪者なので、最初は誰よりも心が許せる相手なんです。それこそ最初は部員のみんなよりも安心できる存在で(笑)。ただ、実際の撮影で共演相手としてはこれがけっこう大変です。しゃべりかけても返事がないので(苦笑)。でも、これが不思議なもので、目を見ると意外と感情が伝わってきたりするんです。そんなふうに現場でいろいろ工夫しながら、イブキとして気持ちを作ってプッチーに接するようにしていました。
ウルトラマン役としての取り組み
ーー出演決定からクランクインに向けて、どのようにコンディションを整えていきましたか?
自分は早起きが苦手だったので、まずは生活改善から(笑)。それから、自分がウルトラマンになるということもあって、ランニングや筋トレを行ったり、空いた時間で歴代のウルトラマンを観たり、とにかく無駄な時間を作らないように意識して過ごしました。実際の撮影については、先に4人がクランクインして、僕だけ後からインしたんですけど、初日ならではの尋常じゃないくらいの緊張感がありました。でも、それは逃げたくなるような緊張感ではなく、「これを乗り越えれば確実に一歩前進できる」と思える初日でした。自分としてはその気持ちを強く抱いて、撮影の1日目を過ごしました。
ーー撮影が進んでいく中、ご自身での変化はありましたか?
先ほど、二宮監督から役を任せてもらえた、という話をさせていただきましたが、遡ると最初はやはり監督からアドバイスをもらうことも多かったんです。だけど、撮影が進むと共に監督からのアドバイスが減ってきて、さらにはアドバイスそのものがなくてもOKが出るようになってきて。そこは自分にとっての自信にも繋がってきたし、「さらに頑張ろう!」と思えるようになっていきました。
ーー最初の変身シーンの撮影についてお聞かせください。
自分がウルトラマンに変身する際に考えたのは、イブキの気持ちの部分です。特に第1話は、いわゆる変身とは少し違うシチュエーションで、「変身するんだ!」みたいな勢いではなく、「誰かを守りたい」という気持ちの部分を強く意識しました。後はそれがどういう風に表情に表れるか、なのですが、そこについては二宮監督と話し合い、とにかく撮影当時の自分にできることを真摯に受け入れ、どれだけ「守りたい」という気持ちを高い熱量で伝えられるか。そういったやりとりを経て撮影をしました。
ーー変身アイテム「テオクリスター」を手にした際はどのように思われましたか?
ダイジェストPVに映っていますが、本当に細かく作られているんです。外側の部分は本当の金属かと思ったくらいですし、クリスタルの部分もものすごく鮮やかです。「自分はこれでウルトラマンテオに変身できるんだ」とウルトラマンの歴史の重みを感じました。
ーー放送が始まったら、イブキの活躍を観たお子さんが、テオクリスターの玩具を手にして遊ぶようになると思います。
今はまだそこまで考えられません……(苦笑)。撮影していたのが1年前くらいで、発表されるまでの期間がけっこう長かったですし、今、ようやく皆さんに作品の概要をお届けできて、オンエアが近づきつつあり、自分としては期待や不安と様々な気持ちが入り混じってる状態です。後は皆さんの反響がどうなるか……。もちろん、自分としては楽しみな気持ちが一番で、とにかく「ウルトラマンテオ」の魅力を皆さんと共有したいです。
「ウルトラマンテオ」を通じて多くの人に勇気を与えたい
ーー最初に「小さい頃に憧れていたウルトラヒーロー」とのお話がありましたが、ご覧になっていたウルトラマンはどの作品になりますか?
世代で言うとウルトラマンゼロです。幼稚園の頃に観たのが『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』で、子ども心に「こんなすごい世界があるんだ!」と夢中になりました。その後はしばらく観てなかったのですが、出演が決まった翌日の朝、テレビを付けたら「ウルトラマンアーク」が放送されていて、そこで「自分が出る今のウルトラマンはこうなのか」と一気に実感が湧きました。同時に、長く続いてきたウルトラマンシリーズに関わる責任感ものしかかってきて、自分の中のスイッチをひとつ押されたような気がしました。それと、自分が小さい頃は、子ども目線で魅了されていたと思うんですけど、「ウルトラマンアーク」は設定や物語がとても緻密に作られていて、大人が観ても面白いんです。本当に子どもから大人まで引き込まれるのがウルトラマンシリーズなんだなと。それは「ウルトラマンテオ」にも受け継がれている要素ですし、大人の方にも是非観てもらえればと思います。
ーー最後に今一度「ウルトラマンテオ」のアピールをお願いします。
天文研究会のみんなとの日常感溢れる場面は、大人の方なら青春の1ページを思い出してもらえるような温かさを感じてもらえると思いますし、そんな中、過去に大きな挫折を経験しているイブキは、みんなとの友情が深まると共に心境も大きく変化していくこととなります。地球を守ることについて、ウルトラマンとして戦うことについて、果たしてどういった感情が生まれていくのか……。自分が半年間演じてきたイブキのそういった部分を見届けてもらえれば嬉しいですし、「ウルトラマンテオ」がひとりでも多くの人に勇気を与えられる作品であればと願っています。
「ウルトラマンテオ」7月4日(土)午前9時~テレ東系6局ネット発・世界同時期放送&配信スタート


