佐野勇斗が“変わらずに守り続けたいもの”…M!LKの快進撃とファンへの思い

ディズニー&ピクサーの人気シリーズ最新作『トイ・ストーリー5』で新たに登場する“ハイテクおもちゃ”スマーティー・パンツ役の日本版声優には、俳優で5人組ボーカルダンスユニットM!LKのメンバーの佐野勇斗が抜てきされた。人間とおもちゃの絆を通して“時が流れても変わらないもの”を描き続け、観客の心を掴んできた本シリーズ。佐野がM!LKの快進撃への率直な思いを明かすとともに、“変わらずに守り続けたいもの”について語った。
【動画】佐野勇斗がスマーティー・パンツを手に語る!インタビュー
がっつり練習してアフレコに
子どもたちが遊んでいるおもちゃは実は生きていて、子どもたちの知らないところで子どもたちを見守っている。そんなアイデアをきっかけに、1995年に誕生した『トイ・ストーリー』シリーズ。待望の最新作では、アンディからおもちゃを譲り受けた内気な少女、ボニーの部屋で平和に暮らしていたおもちゃたちに最大の危機が到来。ついにボニーのもとにもおもちゃ時代の終わりを告げる、子どもに人気の最先端タブレット・リリーパッドがやってくる。
US本社のオーディションを経て、見事に『トイ・ストーリー』声優の仲間入りを果たした佐野。もともと大ファンだったというシリーズで、初めて声優を務める夢をかなえた。そんな佐野に制作陣から出されていたのは、アフレコ当日まで「練習を全くしないで来てほしい」という指示だった。
「オーディションもそうなんですが、台本を頂きつつも『練習はしないで来てください』と言われて。でも僕はそういうことができないタイプなので、がっつり練習しました」と苦笑い。ストイックで努力家な一面をのぞかせた佐野は、全部を録り終えてから8割~9割ほど録り直しをしたとのこと。「アフレコは1日勝負というわけではなかったので、スタッフさんにはご迷惑をおかけしてしまうけれど演出監督と相談しながら、“納得するまで何回もやらせてもらおう”という気持ちで臨みました」と強い決意でアフレコに向かった。
担当したのは、カウガール人形のジェシーと出会いを果たす、トイレ・トレーニング用の“ハイテクおもちゃ”スマーティー・パンツ。歌ったり、怒ったり、毒舌を吐いたりと表情豊か。どんな瞬間も愛嬌のにじむようなキャラクターを、躍動感たっぷりに演じている。
収録現場では「演出監督と『スマーティー・パンツには、どういう過去があるんだろう』という話をしました」と理解を深めながら、「最も意識していたのは、佐野勇斗を感じさせないこと。違和感なく、“このキャラクターが喋っている”と感じてほしいなと思っていました」とこだわった。「これまでのウッディやバズも、本当にキャラクターが喋っているように感じますよね。初めは『佐野勇斗だ』と思う方もいるかもしれませんが、物語に集中していくうちに『そういえばそうだった。忘れていた』と思ってもらえるくらい、世界観に馴染んでいたらいいなと思っています」と願いを込めた。
『トイ・ストーリー』が教えてくれたこと
本作の声優発表イベントで、佐野は「『トイ・ストーリー』は自分の人生を変えてくれた作品」だと話していた。この日も「常に自分の傍にあった存在。親みたいな存在です」と表現し、「『トイ・ストーリー』が好きだって、いつから認識したんだろう……。気付いたら当たり前のように好きになっていて、ずっと観てきたシリーズです」と人生に寄り添ってきた作品だと語る。
「物を大事にすることも、『トイ・ストーリー』から教わりました。子どもの頃におもちゃで遊んでいる時も、おもちゃを物として見ていなかったように思います。『ここに置いていたら寒いかな。こっちに入れてあげようかな』と思ったりして。今振り返ると、両親の乗っている車にも、感情があると思っていました。その車を買い替える時には、大号泣したり」と照れ笑いしながら、「人や物との別れに対する感性みたいなものは、もしかしたら『トイ・ストーリー』から学んだのかも知れません」と分析する。
本作で再会を遂げるウッディやバズ、持ち主であるボニーの友だち作りのために奔走するジェシーなど、おもちゃたちの繰り広げるドラマを通して、仲間の大切さを感じさせてくれるシリーズでもある。M!LKのメンバーといるといつも「仲間っていいな」と感じるという佐野だが、「家族の存在は大きいですね。うちの家族って仲間みたいな感じなんです。何でも話せるし、どんな話でも聞いてくれる存在がいるというのは、自分にとってとても大きなことです」と家族への感謝を伝えた。
M!LKの快進撃の理由と、これからの夢
今回、初声優という新たなチャレンジを見事に完遂した佐野。所属するM!LKとしても、次々と未知なる可能性に挑んでいる。結成11年目となったM!LKは、2025年に「イイじゃん」が大ヒットを記録し、第76回NHK紅白歌合戦への出場が実現。「爆裂愛してる」「好きすぎて滅!」も大きな反響を呼び、メンバーもそれぞれがあらゆる場で存在感を示すなど、グループは社会現象級の注目を浴びている。
快進撃に至るまでに大切だったことを尋ねてみると、「考えることをやめなかったこと」とキッパリ。「目標を達成するためには何をしたらいいか、ファンの方を喜ばせるためには何をしたらいいか。そういったことを考えるのを怠ったことはありません。10年間ずっと“なんとなく”ではやっていませんでした」と真っすぐに語り、「話し合うことを大切にしてきた」とも。
継続してきた力が2025年に実を結んだことについては、「正直なところ、本当に運でしかないと思います」と率直な思いを吐露。「機が熟したと言えば、そう見えるかも知れません。僕らもタイミングをつかむ努力をしてきたつもりですが、皆さんどのグループもそうしているので。辛い経験だって皆さんしているし、やっぱり僕らのタイミングがうまく合ったのは運がよかったんだと思います。だからこそ、感謝を忘れてはいけないなと思っています」と浮かれることなく、表情を引き締めた。
『トイ・ストーリー』シリーズでは、どれだけ時代が移り変わっても、変わらないものを描いてきた。佐野が、“変わらずに守り続けたいもの”は?
「変わらずに、ファンの方々に求められていることに挑戦していきたいなと思っています。ファンの方は『自分のやりたいこともやって』と言ってくれるんですが、やっぱり僕はファンの方々に支えられてここまで来られたので。それは変わらずに、大切にしていきたいです」とファンへの深い感謝と愛情を口にした佐野。
主演映画『青夏 きみに恋した30日』(2018)でインタビューした際には、自身の夢は「朝ドラと大河ドラマへの出演」、M!LKとしては「紅白歌合戦の司会」と回答していた。今の夢は「変わらずに紅白歌合戦の司会もやりたいですし、5大ドームツアーの夢も叶えたい」と未来を見つめながら、「時間の流れがすごく速い。自分と向き合う時間も大切にしながら、一つ一つ取り組んでいきたいです」と現在の心境を打ち明けていた。(取材・文・写真:成田おり枝)
映画『トイ・ストーリー5』は7月3日より全国公開


