市川團十郎、13歳の息子・新之助とベネチア映画祭レッドカーペットに!

第83回ベネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に正式出品されている歌舞伎俳優・市川團十郎のドキュメンタリー映画『襲名』の上映に先駆け、現地時間3日、團十郎、13歳になる息子の市川新之助、そして監督の三池崇史がベネチアのレッドカーペットを歩いた。
團十郎は、歌舞伎演目「男伊達花廓(おとこだて はなのよしわら)」の江戸一番の男伊達である御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)の衣裳で登場。世界各国から集まったたくさんのメディアを前に、今回のために制作した「成田屋」と書いた和傘を差し、背中に尺八を背負った江戸一番の伊達男として、レッドカーペット上で堂々の見得を切った。
カンヌ、ベルリン、ベネチアの世界三大映画祭のレッドカーペットを歌舞伎の衣裳で歩くのは、史上初の試み。團十郎は世界に向けて歌舞伎の魅力を発信し、艶やかな衣裳と粋な一挙手一投足で海外メディアを魅了した。
『襲名』は、新型コロナウイルスの流行による2年半の延期を乗り越え、2022年に行われた「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」の全貌を映し出す、三池監督にとって初のドキュメンタリー映画。
三池監督は久々の参加となったベネチア映画祭に「16年ぶりぐらいになるんですね。それまではよく来ていたので、この作品『襲名』で戻ってくることができて嬉しいです。さっき主催者の方とご挨拶したんですが、この作品をすごく気に入ってくれていて。『ものすごく美しい作品だ。今までやってきた血が出たりするのを全部リセットしたね』と褒めてもらいました。でも、みんなにとにかくこの2人(團十郎・新之助)を見てもらう、目撃してもらう。それがこの作品の自分にとってはテーマなので、上映がすごく楽しみです」と意気込む。
團十郎は「国際映画祭に参加したのは初めてなんですけど、ベネチアというイタリアのこの街は元からすごく好きで。幼い時から父・12代目團十郎と一緒に来ていて思い出がたくさんある土地でもあります。みんなと一緒に作っていった作品で、こういうべネチアという土地にお招きいただけて、しかもそれが父も関わる作品で、そこに孫にあたる新之助も一緒に来ることができるというのはご縁があるのかなと感じています。街を歩いていると父のことや、あとは妻と新婚旅行でイタリアに来た時のことをいろいろと思い出しながら時を過ごしています。新婚旅行がイタリアだったんですね。一緒に泥温泉に行ったり、レストランでイタリア語で注文した思い出など、懐かしい思い出がたくさんあります」と述懐。
新之助は「初めてのヨーロッパでベネチアに来させていただきました。初めて出演させていただいた映画で、国際映画祭に招待されてこのベネチアに来させていただくというのはすごく貴重な機会で、すごく嬉しくて。あと、ベネチアは街からすぐ近くが海面なので、空港とかもいつもの景色と違って、水上タクシーとかもあってすごく楽しいです」と初々しく喜んだ。
團十郎はこの衣装を選んだ理由については、「この作品は自分たちで作って、自分の襲名披露でかけた作品です。『助六』や『勧進帳』もありますが、あまりにも『助六』や『勧進帳』は海外の方には誰が誰だかわからないだろうなと思いまして。男伊達という粋な、ぱっと見はわからないけれどよく見るとかっこいいというような、日本の奥ゆかしさや文化の良いところが、着物に描かれた龍の墨絵や、市松模様の帯からも、『炭治郎のベースはこっちだよ!』というところも含めて(笑)、よく伝えられると思いました」説明。
さらに「また、日本の文化にはすべてが完璧な中に完璧があるのではなく『欠けているものの中に良さを見出す』、茶道の言葉でいうところの『わび・さび』というものもあると思います。映画祭の中でこういう格好をしていくことはある意味どこか欠けていて恥ずかしい部分もあるのですが、そういった欠けた部分を補う意味でのわび・さびが、歌舞伎のスピリットや伝統と組み合わさるようにと願っています」と続けていた。
映画『襲名』は9月25日より全国公開



