「風、薫る」思い出に残るシマケン&吾郎との時間 見上愛×上坂樹里が振り返る

連続テレビ小説「風、薫る」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)でダブル主演を務める見上愛(一ノ瀬りん役)と上坂樹里(大家直美役)が、主人公それぞれの思い人である島田健次郎(佐野晶哉)と小川吾郎(甲斐翔真)について語った。
第22週「明るい未来」では、直美が妊娠し、幸せの絶頂が訪れたと思いきや、夫である吾郎が非業の死を遂げてしまい、直美は涙に暮れる。上坂はその場面を振り返り「本当に苦しかったです」と語ると、「吾郎さんとのシーンは短期間に、ほぼ物語順に撮影をしました。 先の展開が分かっているからこそ、一緒にご飯を作って何気ない会話をしているシーンが余計に辛くて。撮影期間は涙を流さないようにすることが本当に大変でした。どうしても、ふとした時に涙が出てしまいそうになってしまうんです」と振り返る。
特に吾郎の死を知ってから気丈に振舞うなか、多江(生田絵梨花)が吾郎の最期を伝え、 ボタンを届けに来たシーンや、そのボタンを軍服に縫い付けるシーンでは、堰(せき)を切ったように号泣してしまう直美。上坂は「吾郎さんが本当に温かくて、直美にとっては自分の強さも弱さも教えてくれた大事な人が亡くなってしまったことを受け入れがたい、苦しくてたまらないそんな日々でした。でも、ボタンが取れていたのも吾郎さんらしくて、ずるいな、許せない、 許したくないけど、そんなところを好きになったんだよなっていう、二人らしい最後だったなと思いました」と振り返った。
一方、第24週「環」ではシマケンがりんの元にやってくる。見上は「急に7~8年ぶりに訪ねてきて、 自分でもどんな表情をしているのか分からないぐらい何とも言えない気持ちでした」と振り返ると、「ものすごく気まずい気持ちもあるし、それと同時に生きていてよかったっていう安心感だったり、 そもそもなんでいなくなったんだろうという、いろいろな気持ちが一気に頭の中を駆け巡る感覚。私自身もすごく胸がざわつくようなシーンだったのを覚えています」と述べる。
続けて見上は「現代だったら、連絡手段はいろいろあるので、遠い場所に行ったとしても繋がることができますよね。それなのに連絡をしないということは、敢えてもう関わらないという相手の意志を感じることができ、割と心が整理できると思うんです。でもあの時代はそうではない。心のどこかでは『もう何とも思っていない』とお互い思っていても、いざ二人で話すと、気まずさのなかにも、あの頃の思いや恋愛感情とは別の軸で、お互い思いやる気持ちは出てきていたのでは……と思って演じていました」と語る。
また、りんには同郷の幼なじみ・虎太郎(小林虎之介)もいる。見上は「初恋の人ではあったけれど、りんが最初に結婚した時点で、自分が好きな人と結ばれるという感覚はなかったと思う」と虎太郎には常に恋愛感情はなかったという。さらに虎太郎が上京してきてからは「だいぶ上昇志向が強くなっていて。りんが好きになった、おっとりして優しい、朗らかな、人と何かを比べてっていうことじゃない感覚の持ち主だった虎太郎から、人と比べて自分が上に立つという発想を持ち始めていて。その辺からちょっとりんの考え方とズレが生じていったんじゃないかなと思っています」と自身の解釈を述べた。
それでも、虎太郎が戦地から帰ってきた時に「おかえり」と優しい表情で語ったシーンについて「戦地から帰ってきてお帰りという気持ちもあるけれど、それ以上に昔の虎太郎が戻ってきてくれた、心が昔の虎太郎に戻っていってるっていうことがすごく嬉しかったですし、安心した」と解釈を述べていた。
さらに、詐欺師・寛太(藤原季節)の再登場や、直美が看護をする遠藤平蔵(太田光)、りんが親身になって訪問看護する宮川佳枝(相田翔子)らも物語終盤を彩っている。上坂は「寛太はまさかの再登場ですね。しかもまた偽の派出看護婦会を立ち上げるなんて……。でもブレないところが寛太らしい」と笑うと、太田については「撮影現場にとても美味しいフワフワのドーナツを差し入れしてくださったんです。『美味しかったです』とお伝えしたら『俺が全部奢って差し入れしたことをまず初めに公の場で言ってくれ』と言っていました。ここでお伝えしますね」とちゃめっ気たっぷりに語りつつ「太田さんはすごく朗らかで、常にちょっとふざけながら周りの人とお話してくださいますし、本当に優しくて心地のいい方です」と称賛していた。
また、見上は相田について「相田さんはすごく可愛らしくてキュートで、それでいてものすごく品のある方」と印象を述べると、「相田さんが演じたことで、私が脚本で読んでいたよりも、本当にこの人はこういう風に生きてるんだなっていう説得力がより生まれたなと思っています」とリアルな芝居に感服していた。(磯部正和)



