トム・クルーズ「オープニング興収は重要ではない」日本で語った映画製作のスタンス【インタビュー】

映画『DIGGER/ディガー』(10月9日全国公開)を引っ提げ、26回目の来日を果たした俳優トム・クルーズが、6日に旧東京高速道路(KK線)で開催されたジャパンプレミアでインタビューに応じ、45年の俳優人生で貫いてきた映画製作のスタンスを明かした。
未だ多くの謎に包まれた『DIGGER/ディガー』は、利益を上げることしか眼中にない傲慢な石油会社のCEOディガー・ロックウェル(トム)を主人公とする大惨事コメディー。欲深い行動によって“地球の大陸半分が水没する”という前代未聞の危機が到来し、自らその尻ぬぐいを命じられたディガーが大混乱を巻き起こす。
ピート・マーヴェリック・ミッチェル(『トップガン』)やイーサン・ハント(『ミッション:インポッシブル』)といった映画史に残る名キャラクターを生み出してきたトムは、「過去に出演した全ての映画が、次の作品へとつながっています」と今作において自身のこれまでの経験が役立っていると明かす。
「『タップス』『リスキー・ビジネス』『7月4日に生まれて』『レインマン』など、キャリア初期の幅広いジャンルの作品も例外ではありません。これらすべての映画を通じて、演じるために学び、それを応用し続けているんです」
「この映画を観てもらえれば、映画界にこれまでにないキャラクターだと分かってもらえるはずです。あんな脚本は読んだことがありませんし、今までにない作品です。演じることができて本当に光栄でした。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は実に見事で素晴らしい監督です。」
トム曰く、自身は「非常に直感的な役者」だという。「すべてに対してとてつもなく準備を重ね、それから愚直に実行します。常に学び、映画や演技について自分が知っていることを応用し、同時に新しいことやキャラクターに関する膨大な情報を学んでいく。直感を活かして演じる一方で、それを可能にするためのスキルを何年も、何時間もかけて磨いています」
映画製作は「常に挑戦」と語るトムは、「観客が永遠に観続けてくれるような映画を作りたい」という幼い頃からの夢を叶えるため、ハリウッドの第一線で映画を作り続けている。
「自分のスキルを十分に磨こうと努められているのは、とても幸運なことです。私にとって、オープニング興行収入や有名になることは重要ではありません。重要なのは、映画への愛であり、どうやって作り上げるか、自分が持っているすべてを注ぎ込み、観客にとって永続的で時代を超えて生き続けるものを生み出すことです。私はそのために働いています」
最後にトムは「映画館でみんなと一緒に何かを体験するという、あの時間が大好きなのです」と日本のファンに向けて、改めて劇場体験の大切さを明かした。「私たちは一人ひとりがそれぞれの体験をしながらも、同時に集団としての共通体験をしている。だから私は生のパフォーマンスが好きですし、コンサートも好きです。私は映画館と観客のために映画を作っています。もちろん、後から(ストリーミングサービスで)観られることも分かっていますが、大スクリーンで映画を観たときのあの豊かさ。だからこそ、私は映画を作っているのです」(取材・文:編集部・倉本拓弥)



