『クレイフェイス』監督が影響されたギレルモ・デル・トロの“怪物愛” ラストは「胸が締め付けられる」展開に

DC最新作『クレイフェイス』(全国公開中)を手がけたジェームズ・ワトキンス監督がリモートインタビューに応じ、怪獣を愛する鬼才ギレルモ・デル・トロ監督からの影響と、ラストシーンの狙いについて語った。(以下、映画のネタバレを一部含みます)
『スーパーマン』『スーパーガール』などのDCスタジオが、本格心理スリラーに初挑戦する本作。とある事件によって“顔”に致命傷を追った若手スターの主人公マット・ヘーゲン(トム・リス・ハリス)が、禁断の治療に手を伸ばしたことで、「バットマン」シリーズを代表するヴィランの一人・クレイフェイスへと変貌していくさまを描く。
マットとヒロインのケイトリン・コー博士(ナオミ・アッキー)が辿り着く結末は、“現代ホラーの名手”であるマイク・フラナガンが執筆した初稿から固まっていたという。「あの胸が張り裂けるような喪失感と悲劇的な結末は、マイクの脚本から存在していた要素であり、私がこの物語を映画化したいと強く惹きつけられた部分です。ホラーであると同時に、心(エモーション)を描いているんです」
「もちろん、製作の過程でブラッシュアップを重ねました。ロケーションを変更したり、より効果的な手法を模索したりしています。これは、脚本・撮影・編集に至るまで、どの映画でも共通するプロセスです。ただ、大筋として物語のアークが変わることはありませんでした。あのエンディングは、本作と完璧にマッチしていますし、クレイフェイスが狂気とともに本格始動する瞬間なのです」
ラストシーンで映し出されるクレイフェイスの姿は、「怪物の中に閉じ込められた人間の姿」だとワトキンス監督は語る。マットの叫びにも聞こえる“怪物の咆哮”には、異形のモンスターを愛するデル・トロ監督のある言葉が影響されていた。
「ギレルモ・デル・トロ監督がモンスターを創造する際、よく『恐怖だけでなく心を描くこと』を語っていますが、まさに『クレイフェイス』もそうあるべきだと考えました。ラストシーンまで、観る者の胸が締め付けられるような展開にしたかったのです。マットが何を失ったのか、彼の目線と声の双方に宿らせ、どこまでがマットで、どこからが怪物なのか。ポスト・プロダクションでは、最後のクレイフェイスの叫びに相当な時間をかけて、声のトーンを適切なバランスに調整するようにこだわり抜きました。完成版を観れば、マットとクレイフェイス両方の声が混ざり合って、二面性が伝わってくるはずです」
クレイフェイスは、ジェームズ・ガン&ピーター・サフランが舵を取る新たなDCユニバースに属している。本作の舞台は、バットマンの拠点であるゴッサムシティ。将来的に、新バットマンとクレイフェイスの直接対決が実現する可能性もある。
ワトキンス監督は、クレイフェイスの未来について「正直なところ、私にはまったくわかりません。私はただ、この映画を可能な限り最高のものに仕上げることに全力を注いできただけです。今後の展開は、ジェームズやピーターに委ねます」と回答。「私個人としては、まずは『クレイフェイス』を世に送り出し、観客のみなさんに良い反応をいただけることを願うばかりです。作品の出来には誇りを持っています」と語っていた。(編集部・倉本拓弥)



