スター・ウォーズの聖地!特撮工房ILMで『ローグ・ワン』制作の裏側を取材!

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ILM
ILM内部にはお宝がたくさん! - 写真:細谷佳史

 『スター・ウォーズ』シリーズ初のスピンオフ作品として、全世界で10億ドル(約1,100億円・1ドル110円計算)を超える大ヒットとなり、高い評価を得た『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。先日、ブルーレイ&DVD&デジタルコピーの発売に合わせて、『スター・ウォーズ』の聖地と呼ばれるサンフランシスコのILM(インダストリアル・ライト&マジック)で開かれたプレスイベントに参加! 『ローグ・ワン』の原案者で製作総指揮とVFXを担当したジョン・ノールやドロイドK-2SOを演じたアラン・テュディック、アニメーション・スーパーバイザーのハル・ヒッケルらから、製作の裏話を聞いてきた。(取材・文:吉川優子&細谷佳史)

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『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
業界をリードしてきたILMのVFX

 ILMは、一作目の『スター・ウォーズ』を作るために、ジョージ・ルーカスが1975年に始めた特撮(VFX)工房で、全ての『スター・ウォーズ』作品のVFXを手掛けてきただけでなく、『ジュラシック・パーク』『トランスフォーマー』シリーズなど、革新的な映像表現で常にVFX界をリードしてきた。ILMを代表するVFXスーパーバイザーとして、『スター・ウォーズ』新3部作やアカデミー賞視覚効果賞を受賞した『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』に関わってきたノールは、『ローグ・ワン』ではストーリーの原案者/製作総指揮として、いつもより深く映画作りに関わることになった。

 「ストーリーについて初めてピッチ(提案)した時から、脚本の最終稿に行き着くまでに、何度もやり直しや変更があった。後から足したもので、映画をとても助けることになったことの一つは、ヒロイン・ジン(フェリシティ・ジョーンズ)の父親であるゲイレン(マッツ・ミケルセン)が、エンジニアとしてデス・スター(※帝国軍の宇宙要塞にして究極兵器)の開発に関わっているということだ。彼のストーリーには、ジンにとってエモーショナルな絆があり、観客がさまざまな出来事を経験していく上で重要なものになったね」。

ILM
『ローグ・ワン』の原案者で製作総指揮とVFXを担当したジョン・ノール

 『ローグ・ワン』のVFXのハイライトは、明らかに、すでに亡くなっているピーター・カッシングのターキン総督をCGIでよみがえらせた点だ。「ILMにはいつもチャレンジ精神がある。この会社の歴史はずっと、何か難しいことや新しいことをやってみるのを恐れないことだった」と語るノールにとって、明らかにそのチャレンジはやりがいのある大仕事となった。

 「多分、最も苦労したことは、僕らが“モーション・ライクネス(動作の類似)”と呼んでいる点だ。僕らには(モーションキャプチャー用の)とても素晴らしい役者がいた。ヘンリーという男性がターキンを演じていたけど、彼が演技をして、話している時、彼が形成する音素(※音声を構成する最小単位)は、ピーター・カッシングが言葉を発する時と違うんだ。そのままだと、彼のように見えなくなってしまうから、ピーター・カッシングが話している時の口の形に(ヘンリーの口の形を)マッチさせるために、かなりの作業が必要だったよ」

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
大人気のK-2SO

 「『スター・ウォーズ』ユニバースで、ドロイドのパンテオン(殿堂)に入る新しいドロイド(K-2SO)を手掛けられたのは、ものすごくエキサイティングだった」と語るハル・ヒッケルは、「エピソード1」からILMを支えてきたベテランのアニメーション・スーパーザイザー。ヒッケルにとって、『ローグ・ワン』で最も人気のあるキャラクターの一人であるK-2SOを作り上げるのは、楽しいチャレンジとなった。

 「『スター・ウォーズ』のドロイドに関して気づくことは、彼らはあまり表現豊かじゃない、ということだ。実際、彼らの多くは、擬人的でさえない。擬人的なロボットでさえ表情がない。でも、僕らは、最も擬人的でないBB-8やR2-D2の感情がどういうものかを理解するのに困らない。それは、彼らの動きや、彼らの音(声)から伝わるんだ。でも監督のギャレス(・エドワーズ)は、デザインを掘り下げて、そうしたことの限界に挑みながら、『スター・ウォーズ』のドロイドで、何か新しいことを試みようとしたんだ」。

 そして、ヒッケルのチームとエドワーズ監督は、K-2SOの表情を豊かにするため、目にフォーカスすることになる。「僕らは相当、目を研究した。目を動かしたり、回転させたりすることは、これまで『スター・ウォーズ』のドロイドで見たことがない。それは彼が考えている、という感覚を与える。誰かが何かを考えている時、とても小さな目の動きがあるようにね。それはとても大きなプラスになったよ」。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
指示を出すギャレス・エドワーズ監督

 しかし、K-2SOに命を吹き込む上で、大きな役目を担ったのは、現場で実際にK-2SOを演じたアラン・テュディックだ。カルト的人気を誇るSFドラマシリーズ「ファイヤーフライ 宇宙大戦争」で知られるテュディックだが、実はディズニー・アニメーションの常連で、これまでに『シュガー・ラッシュ』のキャンディ大王、『ベイマックス』のアリステア・クレイ、『アナと雪の女王』のウェーゼルトン公爵、『ズートピア』のデューク・ウィーゼルトンの声を演じ、『モアナと伝説の海』ではヘイヘイの鳴き声を映画全体で演じた。取材中の受け答えもユーモアにあふれていて、彼だからこそK-2SOはここまでユニークなドロイドになったのだと納得させられた。

 テュディックはK-2SOの人気の理由について「彼が他の人の言うことを聞かないからだ」と言う。「彼は、彼自身のドロイドなんだ。彼は命令を受け、その命令通りのことをやるかどうか自分で決める。彼は最初、ジンが好きじゃない。彼女に向かって『誰もあなたのことが好きじゃない』と言うんだ(笑)。彼は子供みたいで、不機嫌で、生意気だ。そういうのは楽しいと思う。でもまた、彼にはたくさんのスキルがある。彼はコミックキャラクターじゃない。こういう極端な状況下で、彼がただ彼自身に忠実であることは、おかしいんだよ」。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
K-2SOとアラン・テュディック

 『スター・ウォーズ』の映画の中に登場する初めてのタフなドロイドを、テュディックとハッケルのチームは見事に作り上げた。しかし、テュディックが現場でK-2SOを演じる上でチャレンジとなったのは、約2メートル10センチあるドロイドの身長だ。共演者の目線がずれないようにするために、現場でテュディックは、スティルツと呼ばれる竹馬に乗って歩かないといけなかった。しかし、それによりディエゴ・ルナより背が高くなったことを気に入ったテュディックは、現場で一日中スティルツに乗って歩いていたそうだ。

 「今回、声優の仕事をしたのはほんの少しだけだよ(※撮影現場でセリフを録音しているため)。ポストプロダクションで、いくつか明瞭じゃないセリフをやり直したり、少しセリフを変えたりしたけど、そういうことは普通の映画でもやることだ。だから、今回は普通に映画をやるのと変わらなかった。ただ、奇妙なコスチュームを着て、スティルツに乗っていたんだ」。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
K-2SOを演じるアラン・テュディック

 4K仕上げの映像はもちろん素晴らしいが、今回のブルーレイの一番の見どころは、やはり今まで公開されていなかったビハインド・シーンの映像が詰まった特典映像だ。どのように『ローグ・ワン』が映画として始まったか、どのようにエドワーズが監督として起用されたか、どのように作品の世界観、物語、キャラクターを練り上げられていったかを、フィルムメイカーやキャストたちが語るドキュメンタリーが実に面白い。撮影現場でテュディックがK-2SOをどのように演じたかも、このメイキングを見たら一目瞭然だ。スカイウォーカー家のファミリー・サーガだけが、『スター・ウォーズ』ではないことを証明した『ローグ・ワン』。続編がないのは非常に残念だが、『ローグ・ワン』の成功が『スター・ウォーズ』ユニバースに無限の可能性をもたらしたのは明らかだ。今後しばらく、毎年一本ずつ『スター・ウォーズ』の新作をリアルタイムで体験できるわたしたちは、とてもラッキーな時代に生きているのかもしれない。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のMovieNEX初回限定版(4,200円+税)、数量限定でMovieNEXプレミアムBOX(13,000円+税)も発売中、デジタル配信中

(C) 2017 & TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

【今月のHOTライター】
吉川優子
俳優や監督の取材、ドキュメンタリー番組や長編映画の製作など、幅広く映画に関する仕事を手掛ける。最近の作品は「ハリウッド白熱教室」など。

細谷佳史(フィルムメーカー)
プロデュース作にジョー・ダンテらと組んだ『デス・ルーム』など。『悪の教典 -序章-』『宇宙兄弟』ではUS(アメリカ側)プロデューサーを務める。

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