GWにじっくり観たい映画特集2020~新作アニメ関連作編~

 今年も続々と新作が控えるアニメーション映画。公開が待ち遠しい話題作がそろっているが、残念ながら公開延期が相次いでおり、まだ公開日が決まっていない作品も多い。しかし、完成している作品もあるので、近日中には必ず映画館で楽しめることを期待したい。そこで、その新作をより一層楽しむために観ておきたい関連作を紹介する。(文・天本伸一郎)

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新作アニメ関連作

『ペンギン・ハイウェイ』(2018)

 6月5日公開予定の『泣きたい私は猫をかぶる』は、佐藤順一柴山智隆が監督、岡田麿里が脚本を務めたオリジナルストーリーで、お面をかぶると猫になることができる少女が、好きなクラスメートに近づこうとする青春ファンタジー。その制作は、2011年に若手スタッフを中心に設立された気鋭のアニメーション制作会社・スタジオコロリド。第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品となった短編『陽なたのアオシグレ』(2013)、短編『台風のノルダ』(2015)、その他にも有名企業のCMなどを制作してきた。

 そんな同社初の長編映画が、2018年公開の『ペンギン・ハイウェイ』。原作は、「夜は短し歩けよ乙女」などの人気作家・森見登美彦が、第31回日本SF大賞を受賞した同名小説。小学4年生の少年が、海のない住宅地に突如現れたペンギンの謎を解こうとする、ひと夏の冒険と成長を鮮やかに描いた青春SFファンタジーだ。声優には、北香那蒼井優西島秀俊竹中直人らが参加。主題歌は宇多田ヒカル。そして、監督は『陽なたのアオシグレ』の石田祐康、キャラクターデザインは『台風のノルダ』で第19回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞したスタジオジブリ出身の新井陽次郎が、それぞれ務めている。若手クリエイターが中心となって制作された本作は、第22回ファンタジア国際映画祭(カナダ)で、最優秀アニメーション賞にあたる今敏賞(長編部門)を受賞するなど高い評価を受けており、新たな才能を観ることができる。

『ペンギン・ハイウェイ』はNetflixAmazon Prime Videoほかデジタル配信中

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『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
画像は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』より - (C) 創通・サンライズ

 今や世界的な人気を誇る『ガンダム』シリーズ。自由な発想でさまざまな作品が作られているため、直接的なつながりのない作品も多いが、原点である最初の『機動戦士ガンダム』と世界観を共有するのが、宇宙世紀を描いたシリーズ。7月23日公開予定の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、その最新作で、シリーズの生みの親である富野由悠季が1989~1990年にかけて発表した同名小説を村瀬修功監督が三部作で映画化する。同作の主人公となるのは、ホワイトベースの艦長だったブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノア。その物語としての直接的な前作にあたるのが、1988年公開の『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』だ。

 『機動戦士ガンダム』で描かれた1年戦争では、敵として戦った主人公のアムロ・レイと、そのライバルのシャア・アズナブル。その続編『機動戦士Zガンダム』では共に戦う姿が描かれたが、『逆襲のシャア』では、再び敵対することになった二人の戦いの決着が描かれた。そこでさまざまな人々の生き方と悲しい別れに接したハサウェイのその後を描くのが新作『閃光のハサウェイ』となる。シリーズ初の新作オリジナル映画でもあった『逆襲のシャア』は、現在もカルト的人気を誇っており、新作映画『Gのレコンギスタ』5部作を制作中の富野監督の代表作の一つ。

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、NetflixAmazon Prime VideoU-NEXTほかデジタル配信中

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『ドラえもん のび太の恐竜』(1980)

のび太の新恐竜
画像は『映画ドラえもん のび太の新恐竜』より - (C) 藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

 今年で連載開始50周年を迎える「ドラえもん」。そのメモリアルイヤーに公開されるのが、8月7日公開予定の『映画ドラえもん のび太の新恐竜』。同作は、2018年公開の『映画ドラえもん のび太の宝島』でシリーズ史上最高興行収入記録を打ち立てた、監督・今井一暁と脚本・川村元気コンビによるオリジナルストーリー。のび太が双子の恐竜キューとミューを育てることになる。そして、恐竜を題材にした作品といえば、1980年に公開された記念すべき映画第1作目の『ドラえもん のび太の恐竜』。2006年に『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』としてリメイクもされている名作だ。

 物語は、偶然に恐竜の卵の化石を見つけたのび太が、タイムふろしきを使って孵化(ふか)させる。のび太は、生まれた首長竜にピー助と名付けてかわいがるが、タイムマシンを使って約1憶年前の白亜紀に帰してやろうとする。そこまでの展開は最新作でもほぼ共通しているが、白亜紀での冒険過程は異なるものとなっており、最新作では木村拓哉が声を務める謎のキャラクターも登場。映画シリーズの原点でもある『のび太の恐竜』は、とにかくまず観てほしい感動の名作であると共に、最新作をパラレルワールド的に楽しむこともできるようになっている。

『ドラえもん のび太の恐竜』はAmazon Prime Videoにてデジタル配信中

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『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(1997)

 遂に完結する庵野秀明総監督による『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ。その完結編となる第4作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が待たれるが、1997年に旧劇場版の完結編として公開されたのが、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』。1995~1996年にテレビ放送されて社会現象を巻き起こした「新世紀エヴァンゲリオン」の第25話と最終第26話を完全新作でリメイクしている。

 新劇場版と旧劇場版は、同じテレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」を基にしながらも、それぞれが全く異なる表現で描かれた作品となっているため、シリーズすべての作品を観てこそ、新劇場版の完結編もより深く理解できることだろう。

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』は、NetflixAmazon Prime VideoU-NEXTほかデジタル配信中

『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』(2014)

 新作公開の度にシリーズ最高の興行収入記録を更新し続けている劇場版『名探偵コナン』シリーズ。子供から大人まで幅広いファン層を誇るほか、近年は特に女性人気の高いキャラクターたちが新たなファンを増やし続けている。そして、前作のシリーズ最高興行収入超えを期待されているのが、第24作目を迎える近日公開の『名探偵コナン 緋色の弾丸』。今回は、人気キャラクターのFBI捜査官で凄腕スナイパーの赤井秀一とその家族が登場。秀一の弟でプロ棋士の次男の羽田秀吉、二人の妹で毛利蘭の同級生でもある女子高生探偵・世良真純、MI6所属で三人の母親ながら子供の姿をしているメアリーという、複雑な家庭事情を持つ謎の多い赤井ファミリーが、初めてそろうことになる。

 そして、劇場版での登場は、2016年公開の第20作『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』以来となる赤井が、妹の真純と共に登場しているのが、2014年公開の第18作『名探偵コナン 異次元の狙撃手』。コナンと真純たちが、高層タワーで発生したアメリカ海軍特殊部隊も絡む狙撃事件を追うことになる。なお、同作での赤井は、死亡を偽装しているため、大学院生の沖矢昴として登場する。

名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』は、Amazon Prime VideoU-NEXTHuluほかデジタル配信中

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『映画クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』(1996)

映画クレヨンしんちゃん
画像は『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』より - (C) 臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2020

 主人公・野原しんのすけが考えたキャラクターで、シリーズ屈指の人気を誇るぶりぶりざえもん。豚と人間のハーフのような外見ながらナルシストで、自らを救いのヒーローと呼ぶも、下品で女好きで強欲、そしてすぐに寝返ってしまう。その声優を務めていた塩沢兼人が2000年に亡くなったことから、長らくセリフ付きでの登場は封印されてきた。しかし、2016年のテレビ版から、人気声優の神谷浩史が、二代目声優に就任。そして、待望の劇場版への本格的な再登場を果たすのが、シリーズ第28作となる近日公開予定の『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』だ。地上の落書をエネルギーにする王国から世界を救うため、しんのすけがぶりぶりざえもんらと共に戦う。

 そのぶりぶりざえもんが、初めて本格的に劇場版に登場したのが『映画クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』(1996)。ぶりぶりざえもんは新作と同じく、しんのすけの助っ人として登場。しんのすけ、アクション仮面、カンタムロボらと一緒に、地球制服を企む魔女たちと戦うことになる。シリーズ中でも評価の高い作品の一つであると共に、その非道だけど憎めないキャラクターの魅力を知ることができる。

『映画クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』は、Amazon Prime Videoにてデジタル配信中

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『映画 「聲の形」』(2016)

 京アニの略称でも知られるアニメーション制作会社の京都アニメーション。「涼宮ハルヒの憂鬱」「けいおん !」などのテレビ版や劇場版を制作し、その作品クオリティーの高さがブランド化するほど、世界中のアニメファンから信頼を寄せられ、愛されている。その最新作が、近日公開予定の『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。暁佳奈によるファンタジー小説の完全新作長編映画で、2018年に放送されたテレビ版は、Netflixで配信されており、世界中がその公開を待ちわびている。

 そして、同社が初めてテレビシリーズを前提とせずに制作した劇場用作品が『映画 「聲の形」』。第19回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した大今良時の漫画を原作に、「けいおん!」「たまこまーけっと」などでも組んできた山田尚子監督・吉田玲子脚本のコンビで映画化し、小規模公開ながら大ヒットした。心を閉ざした高校生の少年と聴覚障害を持つ少女とのコミュニケーションをめぐる人間ドラマを描いている。

映画 「聲の形」』は、NetflixU-NEXTほかデジタル配信中

『ミニオンズ』(2015)

 2010年に公開されたイルミネーション・エンターテインメント製作の3DCGアニメ『怪盗グルーの月泥棒 3D』。月を盗もうとする怪盗グループのリーダー、グルーを主人公にしたコメディーの同作は、世界的に大ヒットし、2013年には『怪盗グルーのミニオン危機一発』、2017年には『怪盗グルーのミニオン大脱走』として、シリーズ化された。そして、同シリーズの人気の要となっているのが、グルーに仕える謎の黄色い小さな生物のミニオンたち。そこで、ミニオンたちを主人公にした2015年公開のスピンオフ長編『ミニオンズ』を始め、数々の短編も製作されてきた。

 近日公開予定の『ミニオンズ フィーバー』は、長編スピンオフの第2弾。最強最悪のボスに仕えることを夢見るミニオンたちが、少年時代のグルーと出会うまでを描いたスピンオフの前作『ミニオンズ』の直接的な続編で、1970年を舞台に、なぜミニオンたちが悪党になりたい少年グルーをボスに選んだのかが、お約束のハチャメチャな大騒動と共に描かれる。2作共にシリーズ第1作『怪盗グルーの月泥棒』につながる前日譚的作品のため、シリーズ初見の方も時系列的に最初となる『ミニオンズ』は、ぜひ押さえておきたい。

『ミニオンズ』は、Amazon Prime VideoU-NEXTHuluほかデジタル配信中

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『AKIRA』(1988)

AKIRA
『AKIRA』より - Streamline Pictures Photofest ゲッティ イメージズ

 日本の漫画表現に多大な影響を与えた漫画家で、映像作家としても知られる大友克洋。その最新監督作となる長編アニメーション映画『ORBITAL ERA』の製作と、代表作『AKIRA』の新アニメ化プロジェクトが現在進行中だ。

 詳細の明かされていない新アニメ化プロジェクトがどのような作品となるのかも楽しみだが、現在も古びない伝説的な名作が1988年公開の長編アニメーション『AKIRA』。1982~1990年に連載された同名傑作漫画を、原作者の大友自身が、連載中に自ら監督を務めて映画化。

 物語の舞台は、第三次世界大戦後から31年後の新たな首都・ネオ東京。劇中では、奇しくも2020年の東京オリンピック開催を控えて再開発が進む街での激しい戦いが描かれており、今観るとパラレルワールド的な世界をリアルに実感できる部分もある。また、原作漫画、映画版共に、世界的な人気を誇っており、現在難航中のようだが、ハリウッドでの実写映画化企画も存在している。

『AKIRA』はNetflixU-NEXTHuluほかデジタル配信中

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